「最近この霊媒が、低級霊の影響-邪霊の誘いに直ぐに乗ってしまう幼稚な霊、我々は未発達霊と呼ぶ方を好むのですが-そうした霊の影響を受け易くなって来ました。その為に、進歩の途絶えた邪霊集団によるまやかし行為が見抜けなくなっております。今その類の霊が跋扈しております。遠くない将来、そうした霊による敵対行為が盛んになることを厳粛な気持で警告しておきます。
その原因は地上に霊的知識が行き渡り、霊的交信の思想が進歩して来たことに邪霊集団がいらだちを覚え始めたことにあります。とかく衝突が生じ易いのも、こちらでのそうした事情の反映に過ぎません。彼等は霊的交信の事実をなんとかして抑止しようとし、そこに我々との衝突が生じているのです。彼等にとっては地上に暗闇が広がる程都合がよいのです。が、しかし、意念の力を行使することによって、守護霊団との霊的交信の障害は克服されることでしょう」
「(地球を取り巻く)霊的大気が今非常に乱れており、暗雲は容易に晴れそうにありません。暗雲の出所は主として地上政界です。いよいよ困った事態が到来しそうです。が、人類は大きい、そして強烈な苦しみ-産みの苦しみ-を体験せずして低い次元から高い次元へと向上することは絶対に不可能です」
「今はまさしく大混乱の時代です。未来には希望があります。が、その未来と現在との間には死にも似た暗い影があります。遠い将来には、聞く耳を持つ者は天使の声を聞くことが出来るでしょう。そしてその讃歌は平和の大合唱となることでしょう」
「まさに現代は、かつて主イエスが地上の人間と生活を共にした時代と同じく、霊力が奔流となって注ぎ込まれている時代です。(イエスの時代の後に霊的衰退の時代が訪れたように)この霊的潮流が衰退することも絶対にないとは断言出来ませんが、実際問題として、そういうことにはならないと我々は考えております。それは、霊力が総力を挙げて、かつてなかった規模で霊力を行使する時期がいよいよ間近に迫っているからです。それを契機として疑念と混乱とが生じることでしょう。地上は今(1875年5月)混乱の極みにあります。それは、実は我々が代表している霊的勢力による影響の表れなのです。残念ながら低級霊でも我々が披露するのとそっくりのものを演出してみせることが出来るので厄介です。地球人類は道徳的に、精神的に、そして物質的に病的状態にあります。そして、これには皆長期間に亘る治療を要します」
「キリストは今〝静〟の世界から再び〝動〟の世界へ戻られ、特に地球の為に活発に働いておられます。前回皆さんと語り合った後にこちらで大きな動きが生じており、我々は油断なく交信を取り合っております。(地球圏の)最高級の霊団が地球人類の為の大事業を再開しました。皆さんは忍耐強く、真摯に、祈りに満ちた心を堅持し、真理を求め、そうした霊の大軍を神の使徒と仰ぐことです。その大軍が今、地球の回りに待機しております。
願わくば全知全能の愛の神が我々を通じて皆さんにその恩恵をふんだんに垂れ給い、我々共々、今携わっている仕事によって高揚され向上されんことを。そして又、これより神の玉座のまします境涯へ首尾よく辿り着くことが出来ますように。
ではごきげんよう」
(注)-『ベールの彼方の生活』第四巻に次のような問答がある。答えているのはルネッサンス時代に地上生活を体験したアーネルと名乗る霊。
-その〝尊き大事業〟というのは何でしょうか。
「それについてこれから述べようと思っていたところです。(中略)
いつの世紀においても、その当初に神界において審議会が催されると聞いております。まず過去が生み出す結果が計算されて披露されます。遠い過去のことは簡潔な図表の形で改めて披露され、比較的新しい世紀のことは詳しく披露されます。前世紀までの二、三年のことは全項目が披露されます。それらがその時点で地上で進行中の出来事との関連性において検討されます。それから同族惑星の聴聞会を催し、更に地球と同族惑星とを一緒にした聴聞会を催します。それから審議会が開かれ、来るべき世紀に適用された場合に他の天体の経綸に当たっている天使群の行動と調和するような行動計画に関する結論が下されます。悠揚せまらぬ雰囲気の内に行なわれるとのことです」
(中略)
-それらの審議会においてキリストはいかなる位置を占めておられるのでしょうか。
「それらではなくそのと単数形で書いて下さい。審議会はたった一つだけです。が、会合は世紀毎に催されます。出席者は絶対不同というわけではありませんが、変わるとしても二、三エオンの間に僅かに変動があるだけです。創造界の神格の高い天使ばかりです。その主宰霊がキリストというわけです」(エオンは地質学的時代区分の最大の期間で、億単位で数える-訳者)
(中略)
-どうも有難うございました。私なりに分かったように思います。
「それは結構なことです。そう聞いて嬉しく思います。それというのも、私はもとより、私より幾らか上の界層の者でも、その審議会の実際の様子は象徴的にしか理解されていないのです。私も同じ手法でそれを貴殿に伝え、貴殿はそれに満足しておられる。結構に思います。
以上でお分かりの通り、審議会の主宰霊たるキリスト自らその大事業を引き受けられたのです。(中略)今日キリストはその任務を帯びて地上人類の真っ只中におられ、地球へ降下された後、既にその半ばを成就されて、方向を上へ転じて父の古里へと向かっておられます。(後略)」