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カテゴリ:★『シルバーバーチの霊訓』 > シルバーバーチ 魂を癒す-心霊治療の本質

シルバーバーチ 魂を癒す-心霊治療の本質 目次

魂を癒す-心霊治療の本質(1)

魂を癒す-心霊治療の本質(2)

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 《心霊治療の本質は〝魂〟に関わることであり、身体に関わることではありません。魂に受け入れ準備が出来ていれば、治療は難なく奏効します。摂理として当然そうなるようになっているのであり、それ以外にありようがないのです。霊的治療は物的身体に宿る魂という容器に霊的生命力を注入する作業です。その生命力は肉体の中の生命の中枢へ向けて仕掛けられる霊的刺激剤であり、回復力であり、再活性力です》
 シルバーバーチ

 中央アフリカ及びインドを中心に治療活動を続けている二人の治療家が招かれた。二人はウーリンドウとアメンラという名で知られているが、いずれも仮名である。商業関係の仕事を止めて本格的に治療活動に専念しておられる。奉仕的精神から治療費を一切取らないのであるが、その日常生活は〝絶対に裏切らない神の供給源〟の存在を見事に実証している。
 来る日も来る日も治療の為の旅を続けていると、時には生活費が底をつき、空腹の為にベルトを更に締めなければならなくなることもある。にも関わらず必要なものだけは、お願いしなくても、必ず届けられる。その届けられる経路は驚異としか言い様のない程思いがけないことがしばしばであるという。
 南アフリカから英国に立ち寄った時に永年の夢が叶ってシルバーバーチの交霊会に出席することが出来た。二人はシルバーバーチの霊言を生活の指針としてきている。そのシルバーバーチが二人にこう語った。

 「私達にとって霊の道具として活躍しておられる方のお役に立つこと程大きな喜びはありません。他人の為に倦まず弛まず尽力しておられる方が私の述べる言葉を少しでも役に立つと思ってくだされば、私を地上へ派遣した霊団のマウスピースであることを光栄に存じます。
 我々はお互い同じ使命に携わっております。病める地上世界が自らを癒す事業を援助し、無謀な愚行に走るのを食い止め、無数の人間の悲劇の根源となっている自己中心主義の貪欲の行為を止めさせ、霊がその本来の輝きと美質を発揮するように導くという責務を負っております。
 この道が楽でないことは今更私から申し上げる必要はありません。バラの花に飾られた優雅な道でないことは申し上げるまでもありません。苦難は進化を促し、魂を調整する為の不可欠の要素なのです。魂が真の自我に目覚めるのは苦難の中にあってこそです。人生の上辺だけを生きている人間には、魂が自己開発する機会がありません。地上的方策が尽き果て、八方塞の状態となったかに思える時こそ、魂が目覚めるものなのです。
 言い換えれば、物質が行き詰まった時に霊が目覚め、小さな神性の種が芽を出し、花を咲かせ、内部の美質を徐々に発揮し始めるのです。苦難はコインの裏側と思えばよろしい。闇なくしては光もなく、嵐なくしては晴天もありません。このことはお二人は既によく理解しておいでです。
 あなた方は豊かな恩寵に浴していらっしゃいます。奉仕活動に手を染め、全てを天命に任せる覚悟をされて以来、お二人は一度たりとも見落とされたり忘れられたり無視されたり、或いはやりたいように放ったらかされたことはありません。
 この道は、他にその恩恵を知る縁(よすが)のない人々に霊力と光明と癒しをもたらせることになる、雄大な霊的冒険です。宇宙最大の力の道具として働くことは大変光栄なことです。大霊より強力な力はこの宇宙には存在しません。その大霊がお二人に要求しているものは忠誠心であり、協調的精神であり、一途さであり、信頼心であり、そして知識が生み出す信仰心を土台とした絶対的な自信です。
 私から申し上げるまでもないことかも知れませんが、お二人は地上に生を享けるずっと以前からこの仕事を志願していらっしゃいました。又これも改めて申し上げる必要はないと思いますが、実はそれもこれもまだまだ序の口に過ぎません。地上生活は霊としての存在意識を全うするという大目的の為に学び鍛える、そのトレーニングの場に他なりません。
 挫けてはなりません。いかなる事態にあっても、不安の念を欠片程でも心に宿すようなことがあってはなりません。今日まで支えて来た力は、これからも決して見棄てるようなことはいたしません。絶対に裏切ることはありません。もしあるとしたら、この宇宙そのものが存在しなくなります。その根源的なエネルギー、存在の支えそのものが不在となることがあることになるからです。
 お二人は霊力という最大の武具を備えていらっしゃいます。それを、ある時は支えとし、ある時は安息所とし、ある時は避難所とし、ある時は至聖所とし、そしていつも変わらぬインスピレーションの泉となさることです。道を誤まらせるようなことは絶対にしません。縁あってあなたの下を訪れる人に最大限の援助をしてあげられるよう導くことに専念してくれることでしょう。
 物的な必需品は必ず授かるものだということをお二人は体験によってご存知です。飢えに苦しむようなことにはなりません。渇きに苦しむようなことにもなりません。身を包み保護するだけの衣類は必ず手に入ります。贅沢な程にはならないでしょう。が、進化せる霊は贅沢への願望は持ち合わせないものです。
 物的身体にはそれなりに最低限の必需品があります。神はその分霊の物質界での顕現の手段として創造された身体にどんなものが必要かはちゃんとご存知です。迷わずに前進なさることです。今日は今日一日の為に生きるのです。そして、過去が霊の導きを証明しているように、未来も間違いなくあなたが志願なされた使命を全うさせてくれるものと信じることです。
 これまで通りに仕事をお続けになることです。病の人を癒してあげるその力が、他ならぬ霊の力であることを理解させてあげるのです。その結果その人が魂に感動を覚えることになれば、それはあなたが霊的な勝利を収めたことになるのです。
 霊が正常で精神も正常であれば、身体も正常です。摂理として当然そうなるのです。身体は召使で霊が主人です。身体が従臣で霊が王様です。愚かな人間は身体を主人と思い王様と勘違いしております。そういう人の霊は〝支配する〟という本来の立場を知ることがありません。
 勇気をもって前進なさい。もしも私の申し上げることが勇気付けとなれば、その勇気付けの道具となったことを私は光栄に思います。お二人の背後には私達の世界でも極めて霊格の高い霊が控えています。大変な霊力と叡智を身に付けられたお方で、その悟りの深さが又深遠です。その方との協調関係を出来うる限り緊密にするよう、修養を怠らないでください。
 背負った重荷も、知識から生まれた信仰があれば軽く感じられ、重さが消えてしまうものです。行く手を遮る苦難や困難には堂々と立ち向かい、そして克服して行くべき挑戦だと思うべきです。きっと克服し、万事が上手く運ぶ筈です。
 見た目にいかに大きくても、物的な事態によって圧倒されるようなことがあってはなりません。この物質の世界には、その生みの親である霊の力を凌ぐものは何一つ存在しないのです。何事もきっと克服出来ます。そして心が明るく弾むことでしょう。万事が落ち着くべきところに落ち着きます。時間は永遠なのです。人間はその永遠の時の流れの中にあって、今という時間、その一瞬を大切に生きて行けばよいのです」

 《本当の霊的治療が功を奏した時はけっしてぶり返しません。法則は不変です。摂理は完全です。もとより私は霊の美質である慈悲心や哀れみの情、親切心、寛容の心を一瞬たりとも失いたくないと思っております。が、摂理は公平無私であり、自動的であり、不可変であり、神によって定められているのです》
 シルバーバーチ

 ローズ・バストン女史も人生半ばにして霊的治病能力を発揮し始めた庶民的な家庭婦人である。三十年以上に亘ってハンネン・スワッハー氏とのお付き合いがあり、その縁で、かつてスワッハー氏が住んでいたロンドンの邸宅に治療所を開設した。つい二、三年前のことで(本書の出版は1969年)、その開所式にはシルバーバーチも招かれてお祝いの言葉を述べた。久しぶりで面会したバストン女史にシルバーバーチが次のような励ましの言葉を述べた。

 「あなたの治療所の開所式へお招きを受けて祝辞を述べて以来この方、あなたと霊団との繋がりが緊密の度を増しております。治療所は不幸な人々、苦しむ人々を救う目的の為に存在しているのです。あなたの人生が常に霊団の導きを受けていることは私から改めて申し上げる必要はないと思います。
 あなたはこの仕事の為に生まれて来られたのです。その目的地に辿り着く為にあなたは数々の困難と苦難によって鍛えられ、茨の道を歩まされました。この仕事に相応しい人間となる為の試練と鍛練を積まねばなりませんでした。
 さて、これまでを振り返ってご覧になれば、色々とあった出来事も、皆モザイクの一部であることがお分かりになります。人生には基本的なパターンがあるのです。最初の内はそれが見分けられませんが、次第に何もかもがそのパターンに沿って落ち着くべきところに落ち着いていることが分かってきます。
 あなたも今や霊の道具として身体だけでなく、もっと大切なこととして、精神と霊とに慰安と軽減をもたらす仕事に携わって、地上生活の目的を成就しつつあることをこの上なく幸せなことと思うべきです。
 これまでと同じく、これからの人生も計画通りに進展するに任せることです。決して楽ではありません。私か思うに、これまでの人生がもっと楽だったら、あなたはそれを不満に思っていた筈です。試練の末に勝ち取る方が、何の苦労もなしに手に入れ、従って潜在する力に気付かないままで終わるよりもいいのです。
 なのに人間は努力もしないでいて自分にない才能を欲しがり、その為に、折角手にしてもそれを有り難く思わないのです。その点あなたは永い間ご自分の治病能力に気付かれませんでした。初めてそのことを聞かされた時はびっくりなさいました。
 病状を診察する能力はさして大切なものではありません。診察は往々にして身体的なことだけになりがちです。が、根本的な原因は身体よりも精神と霊とにあります。早く治そうと思ってはいけません。忍耐が大切です。あなたの方から霊力を強要しても無駄です。霊力というものはその通路に受け入れる用意が出来た時に初めて流入するのです。しかも病状に応じて調節しなければなりません。それはそれは微妙なプロセスなのです。強制的に扱おうとしても無駄です。
 万が一やる気を無くするようなことがあったら-人間なら時には意気消沈することがあるものです-その時は一旦歩みを止めることです。そしてそれまで奇跡ともいえる形で為し遂げられて来たことを振り返って、これだけのことが成就されて来たのなら、これから先もきっと上手く行く筈だという認識をもつことです。あなたに要求されることは、そこまであなたを導いて来た霊力に対する絶対的な忠誠心と自信とをもってあなたの責務を全うすること、それだけです。
 あなたなりのベストを尽くすことです。あなたの力の範囲内で出来る限りの努力をなさることです。恐れるものは何一つありません。困難はあります。が、それもきっと克服されます。毎朝が新しい霊的冒険の好機なのです。
 これはとても大切なことです。そういう覚悟で仕事に当たっておれば、邪魔が入ることは決してありません。容易でないことは私もよく承知しております。が、忠実な僕が辿る道が楽であることは有り得ないことです。お名前はローズ(バラ)でも、バラの花壇(注)とはまいりません。魂というものは何かの挑戦を受けて初めて自我に目覚めるものなのです。その時、居眠りをしていた潜在的な力が表面に出て来て発揮され始めるのです。(注-a bed of roses 安楽な身分、贅沢な生活のこと-訳者)
 が、あなたはこれまで啓示された光に忠実に従って来られました。ただの一度もあなたに託された信頼を裏切ることがありませんでした。私を始め、あなたの霊団の者はみんな、あなたのことを誇りに思っておられます」

 《霊の褒賞は奮闘努力の末に手に入るものです。宝くじのような具合に手に入れることは出来ません。霊の富はそれを手にするに相応しくなった時に与えられるのです。霊的開発が進むにつれて自動的に、それまでより少しだけ多くのものを身に付けて行くのです》
 シルバーバーチ

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自殺してはならない理由


 心霊治療家のゴードン・ターナー氏は病気治療だけでなく、英国心霊治療家連盟の推進者としても有名である。助手のジョー・プリンス(女性)を伴って初めてシルバーバーチを訪れた時の感動は一通りでなかった。シルバーバーチが二人にこう語りかけた。

 「私が永い間地上世界の仕事に携わってきて何よりも嬉しいのは、霊の僕として働いている同志をここへお招きすることです。あなた方がどうしても辿らねばならない地上生活のパターンというものがあることは私はよく承知しております。外部の世界とは無縁の心の痛み、苦難、苦痛、その他諸々の複雑な感情があることもよく存じております。支払わねばならない代償があることも存じております。それが時には精神的並びに霊的に十字架を背負わされることになることがあります。
 しかし、それが霊的進化の道なのです。その道での褒賞を得るには奮闘努力しかなく、近道はなく、真の向上の一歩一歩が絶対に後戻りを許されない確固たるものでなければならないのです。もしも気楽な人生を望まれるなら、最早その人生では他人の為に自分を役立てることは出来ません。魂が自我に目覚め、意図された通りに霊的資質を開発し、縁あってあなたの下を訪れる人々がその天賦の才能によって恩恵を受けるようになるには、刻苦と苦難と修養と節制の生活しかないのです。
 しかし人生には必ず両面があります。陰気で重苦しい、救い難い闇ばかりではありません。光があれば影があり、寒さがあれば温かさがあり、嵐があれば日和があります。そうでないと進歩は得られません。魂が目覚め、霊の隠れた能力と内的な美質が発揮されればされる程、それだけ神との調和が緊密となってまいります。
 因果律による当然の結果としての報酬があるということです。それは、いかに石ころだらけで障害が大きく思えても、その道は間違いなく自分に約束された道であり必ずや成就されるという、内的な確信です。
 あなた方は自分が成就しつつあることを測定することが出来ません。地上には魂の成長と霊的成就の結果を測定する器具も装置もありません。しかし、あなた方は暗闇にいる魂に光をもたらしておられます。飢えと渇きに苦しむ魂に霊的な食べ物と飲み物を用意してあげておられます。真の健康を見出す好機を用意された身体と精神と霊に神の力、すなわち生命力そのものを授けておられます。素晴らしい仕事です。しかし同時に大変責任のある仕事でもあります。霊的才能はそう簡単に人間に授けられているのではありません。神からの才能の保管者であるということは、それだけ責任が重いということでもあるのです。
 悲しいかな、あなたが関わっておられるのは人間という気紛れな存在の集まりです。時には最も緊密な味方であるべき人が最大の敵に回ったりすることがあります。同じ目的、同じ大義によって団結すべき人達の中にあってすら、摩擦と誤解の犠牲となることがあります。が、たとえ全ての人間が同じ仕事に従事していても、たった一つの視点から眺めるということは、所詮、無理なのです。
 他人がどう言っているか、どう考えているか、どうしようとしているか、それはあなたには関係ないことです。大切なのはあなた自身が何を述べ、何を考え、何をするかです。神はあなたに他人の行為や言葉や思想にまで責任は取らせません。あなたの責任は、あなたに啓示されたものに照らして生きることです。光が大きければ、それだけ責任も大きくなります。この神の規約には免除条項というものはありません。
 病気の人があなたの下を訪れた時、その人は霊的に重大局面を迎えていると考えてください。その人はギリギリの決断を迫られているのです。転換期に来ているのです。霊的存在としての本来の生き方を開始するチャンスを目の前にしているのです。病気というのは霊的理解力をもたらす為の手段の一つなのです。そこでもしもあなたが身体の病気は治せても霊的自覚を促すことが出来なかったら、あなたの責任ではないにしても、その治療は失敗だったことになります。が、もしも魂に感動を覚えさせることが出来たら、もしも霊的意識に目覚めさせることに成功したら、あなたは医師にも牧師にも科学者にも哲学者にも出来ないことをなさったことになります。
 内部の神性の種が芽を出す、そのきっかけを与えたことになります。神性が芽を出せば、魂が霊力の援助を得て顕現を開始し、真の自我を成就してまいります。訪れる人の全てを救ってあげられないからといって落胆なさってはいけません。あなたの下を訪れたということは、その人にとっての好機が訪れたということです。あなたはあなたなりのご自分を役立てることに専念なさっておればよろしい」

 《治療家と患者とがそうした方がよいと思うのであれば、時間を定めて遠隔治療を行うことは可能です。しかし、治療能力が発達して一段と高い次元に到達すれば、それも不要となります。治療霊団との連絡がしっかりと出来上がります。そうなると、いつでも精神を統一して自我を引っ込め、代わって治癒エネルギーを流入させることが出来ます。その考えに反対するわけではありませんが、例えば十時なら十時にしか治癒エネルギーが届けられないとすると、一つの制約を設けることになるのです》
 シルバーバーチ

 ケネス・バニスター氏はメキシコで心霊治療とスピリチュアリズムの普及活動に献身している有能なスピリチュアリストである。そのバニスター氏がブラジルとフィリピンで盛んに行われている〝心霊手術〟について一連の質問をした。その問答の様子を紹介する。

-心霊治療がどこまで功を奏するかは患者の霊的発達程度、カルマ、その他諸々の要素が絡んでおりますが、ブラジルとフィリピンで行われている外科的な〝手術〟の場合はどうなのでしょうか。

 「それも全て自然の摂理としての因果律の規制を受けます。魂に受け入れ準備が整えばその人は治療してくれる人との縁が出来るように導かれていきます。そこでもしも治るべき段階に来ていれば治療は速効的に成功します。しかし、どういう形での治療であろうと、例えば腫瘍が取れて楽になったとしても、それだけで自動的に霊性が目覚めることになるわけではありません。霊的にその治療を受け入れる段階にまで到達したというまでのことです。それは同時に内部の神性の火花が大きな炎と燃え上がる、その点火の絶好機でもあるということです。
 ですから、心霊治療には二つの大切な要素が働いております。一つは、患者が霊的治療を受け入れる準備が整ったということ。それで治療を施す人の所へ導かれて来たわけです。もう一つは、奇跡的な治癒体験によって霊的自我が目を覚まし、霊的意識の光の中で生きるようになる、その絶好機が訪れているということです。もしも霊的自我が目を覚まさなかったら、身体的な治癒は成功しても霊的には失敗だったことになります」

-その治癒が所謂心霊手術によって行われるのは好ましいことでしょうか。

 「〝その果によりて樹を知るべし〟(マタイ)です。霊力の発現は〝時〟と〝場所〟による制約を受けます。霊媒現象の演出と霊力の顕現は全て一つの計画に基づく協力態勢での働きかけの一環なのです。
 それは基本的にはそれが適用される民族の身体的、精神的、並びに霊的必要性に合わせて行われます。気候、教育程度、社会環境、理解力を考慮して、最も適切な形を取らねばなりません」

-心霊手術がブラジルとフィリピンだけで行われて、イギリスで行われないのはなぜでしょうか。

 「霊的風土が異なるからです。精神的環境が異なるからです。繊細な霊的影響力に反応しない精神構造には、見た目に派手につくやり方が要求されるのです。そのことはこのイギリスでも百年ばかり前は霊的なことの理解に物理的心霊現象を必要としたのと似ています。
 今のイギリスにはもう必要ではありません。が、教育水準、文化の程度、価値基準が大きく異なる国においては今でも必要です。そこに住む人間の程度に合わさなくてはならないのです」

-でも、イギリスにもこのタイプの手術をしてもらいたがっていながらそれが叶えられずにいる人が非常に沢山おります。気候というのはそんなに大切な要素なのでしょうか。

 「イギリスの大気よりも伝導性が高いという点において、気候が関係していると言えます。が、それが全てではありません。イギリス人には根本的に合わないという点から言えば、霊的なものも関係しております。問題はその人がどうしてもらいたいかではなく、その人にとって何が最も適切かということです。折角高い霊的要素を備えていながら、低俗な物的レベルのものばかり求める人が多過ぎます。これは進歩、或いは進化の道ではありません」

-霊媒の純粋性が高ければ高い程、その霊媒を通してより多くの治癒エネルギーが流れます。このことは心霊手術についても言えることでしょうか。

 「今の表現は正確ではありません。純粋性が高い程多くの治癒エネルギーが流れるわけではありません。純粋でない霊媒でも治癒エネルギーは流入します。純粋性が影響するのはそのエネルギーの〝質〟です。霊力は宇宙の創造主である大霊と同じく無限です。無限であるが故に無数の等級・変異・組み合わせがあります。
 個々の治療家は霊的に受け入れられる段階のものと波長が合います。それより高いものとは合いません。受け入れられないからです。ということは、本来ならばそれより低いものも求めようとしないものなのです。
 治療家が到達した発達段階、霊格によって規制されるのはエネルギーの〝質〟であって〝量〟ではありません」

-もし可能ならば全ての治療家が手術を施せるようになることは望ましいことでしょうか。

 「いえ、霊の道具の全てにたった一つの道が用意されているわけではありません。望ましいのは画一性ではなく、逆に、万能性であり多様性です。霊は無限です。従って顕現の仕方も無限の可能性を秘めています。その決定的要素となるのは治療家の受容性です。その意味では治療家の気質、育ち、教育、遺伝、環境、更には前世までも関わっていることになります。
 そうした要素の全てが絡み合って、治療家を通して注がれる霊力の種類と量とを規制するのです。治療家全部が同じ道を行くようにはなっていません。バイブルにもこういう言葉があります。〝霊の賜物は種々あるが、霊そのものは一つである〟(コリント)」

-心霊手術を要求されてそれが施してあげられない時はどうしてあげたらいいのでしょうか。

 「心霊治療というものを身体上の結果を見せるという点からばかり考えてはなりません。心霊治療は根本的には霊(魂)に関わることです。目的は患者の魂の琴線に触れることです。その魂の受け入れる機が熟していれば、精神も正常となり身体も正常となります。本当の心霊治療は霊と精神と身体とが調和して機能するように正しい連繋関係にもっていってあげることです。それが健康であるということの本来の意味であり、健全な状態、融和した状態ということです」

 《腫瘍を取り除くことが目的ではありません。本来の目的は魂の琴線に触れることです。その意味で霊の癌患者もいるわけです。そういう人は利己性その他の悪性の腫瘍がしつこく残っていて、それが取り除かれるまでは真の霊的進歩は望めません。地上生活で最も大切なのは霊に関わることです。霊が主導権を握るようになるまでは調和も健康も幸福も生き甲斐も得られません》
 シルバーバーチ

 訳者注-本章を翻訳している最中に届いたサイキックニューズ紙(1987・6・13)の一面トップに〝医学校、心霊治療に門戸を開く〟という見出しがあった。イギリスのある医学専門学校が心霊治療家グループに学校内での治療活動を認めたという画期的なニュースである。参考までに大要を紹介しておく。
 「意外な展開の中でミドルセックス医学専門学校が心霊治療家グループの一室を開放して治療活動を許す決定をした。
 又クリーブランドの心霊治療家グループは週一回だけロンドン西部のクリーブランド通りの一室を無料で使用してよいことになった。
 こうした展開の決定的要因となったのは一般開業医連盟と、当医学専門学校講師のコーエン博士の支持があったことである。そのコーエン博士がこう語っている。
 〝私が初めて心霊治療家グループと接触したのはそのメンバーの一人であるルース・グリーン女史を通してのことでした。私は条件として医学的治療と接触する行為はいかなるものも行わないことを確認しました〟
 博士は又心霊治療家が魔術や空中浮揚のような手品、要するに〝治す〟という信念以外のものは絶対に持ち込まないことを確約させているという。
 〝私が理解した限りでは、心霊治療家に私の学校を使用して頂くのは理に適っているように思えました。心霊治療はとても大切です。分別と知性を具えた医師の一人として私は、医師は最大限の広い意味での治療を提供すべきだと考えるわけです。多くの患者が心霊治療で助かっているのですから〟
 コーエン博士は心霊治療の本質を理解する為に治療家グループのミーティングに出席させてもらっている。
 〝そのミーティングに出席して私は非常な感動を覚えました。孤独感に沈んだ人や世の中から見捨てられた思いをしている人達に何かしら特殊なものを提供していたからです。又身体的に不自由な人達も確かに治していると確信します〟
 博士も初めの内は金儲けが目的ではないかと思っていたという。ところがそこでは治療代を請求していないことが分かり、それが却って治療を誠心誠意にさせていることを知ったという。
 〝治療家グループの感性の良さと看護ぶりに深い感銘を受けました。本当に人の為に尽くしておられ、それで我々も負けずに人の為に尽くさねばと決心したわけです。
 正直言って医学校の関係者は当初どうしたものかと迷っておりましたが、心霊治療家にひさしを貸して母屋を取られることがないことを確認した上で、この私が全責任を負うということで踏み切ったわけです〟
 現在までのところ毎週一回水曜日の夕方に治療が行われている。コーエン博士によれば、これまで医師の間から何ら不平不満の声は聞かされていないという。博士は言う。
 〝心霊治療を勉強することは医学者にもプラスになるのです。内の学校がこうした大らかな態度を取ったのは良かったと思っています。
 いずれ将来は治療の成果について検証がなされるかも知れません。患者を治療前と治療後に診断すればよいわけです〟
 それについてクリーブランド治療家グループのチーフであるグリーン女史は〝私達はいかなるテストにも喜んで応じる用意があります〟と述べ、更に言う。
 〝ただ私達は過激なまでに反対している学生には抗議したい気持です。彼等の感情的態度が良からぬ雰囲気を生み、治療に悪影響を及ぼすことが考えられるからです。
 別に心霊治療を信じてくれなくてもいいのです。開かれた心をもってくださればいいのです。医学生がテストに参加してくれれば、こんな素晴らしいアイデアはありません。学生に心霊治療の実際を理解して頂くチャンスになると思うのです。コーエン博士も学生が見学することを希望していらっしゃいます〟
 現在のところ治療家グループは四人のレギュラーで構成されており、全て英国心霊治療家連盟の会員で、これに時折他の治療家が参加する程度ということである。

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