ヒギンソン氏が率いるSNUは英国の数あるスピリチュアリズムの組織の中心的存在であるが、同じくスピリチュアリズムを標榜していても、ちょっひり毛色の違う団体もある。
[クリスチャン・スピリチュアリスト協会(注)]もその一つで、1977年に当時の会長ノラ・ムーア女史が招待されて、シルバーバーチと語っている。
(注 [クリスチャン]を冠していることからも窺われるように、[スピリチュアリズムを摂り入れたキリスト教]といった色彩が強く、ヒギンソン氏などは[都合のいい折衷思想]として、事あるごとに非難している。が、シルバーバーチは[組織]とか[名称]には拘らず招待して、真理を語り合っている-訳者)
当日、ムーア女史と共に招待されていたベテラン霊媒のネラ・テーラー女史が、霊媒としての仕事を通じて人の為にお役に立つことができて嬉しく思っていることを述べると、シルバーバーチが-
「縁あって自分のもとを訪れる人達に、生き甲斐を見出させてあげ、地上生活の目的を理解し、日常の体験の中から意義を悟るように、物の見方を変えるお手伝いが出来ることほど大きな喜びはありません。
私にとっては、そういう仕事をなさっている[霊の道具]をお招きすることが出来ることを光栄に思います。お招きする理由は、霊媒が遭遇する様々な困難や難題がよく分かっておりますので、時には霊界側から直接励ましの言葉を述べて、今携わっておられる仕事がいかに大切であるかを再確認して頂く必要があるからです。霊媒も人間である以上は、やはり迷いがあります。
一人間として生きて行くからには、世俗的な苦難に耐え切れなくなる時もあります。そんな時には、あなたが手にしておられる崇高な霊的真理にしがみつくことです。きっと世間の荒波を耐え忍ぶ為の堅固な心の支えになってくれるはずです」
テーラー-分かりました。さよう心得てまいります。
「ご自分がこの地上で成し遂げるべきものが何であるかを自覚しているかぎり、本来の霊的自我に危害が及ぶような事態は、この地上には何一つ生じません。
ですから、大胆不敵な魂を失ってはなりません。毅然たる姿勢を保ち、紛れもなく大霊の使者であることを人に示すことです」
続いてムーア女史に向かって-
「前回お会いした時に比べて、ずっと明るくなられましたね。ご自分の身の処し方を会得なさったようですね?」
ムーア-そう思います。これも(夫君で前会長の)フレッドをはじめとする霊団側のお力添えがあってのことと存じます。
「ご主人はあなたのもとを去ってはいないことが、これでお分かりでしょう」
ムーア-よく分かりました。
「真実の愛によって結ばれた者同士は決して離ればなれにはなりません。死は愛と生命に対して何も為し得ません。生命と愛は死よりも強いのです。人間的な愛も、無限なる愛の一つの表現です。あなたはこの宇宙の中の誰よりも身近な存在である方からの愛をずっと受け続けておられる、大変お幸せな方です。
ご主人は今なお、地上で携わっておられた仕事を続けておられ、彼なりの貢献をなさっておられます。その必要性をよく認識しておられます」
ムーア-はい、私もそう信じております。ただ、私達は今、世俗的な面で多くの難題に直面しております。
「これはまた捨ておけない課題を提供してくださいましたね。あなたは真理と霊力とがもたらす威力を知らずにいる人達にそれを知らしめる仕事をなさっている、大変恵まれた方です。生き甲斐ある生き方を教えてあげることほど偉大な仕事は、ほかにありません。
あなたにとっての悩みは、永遠不変の霊的真理を理解する人がこの地上においては極めて少数派であることから生じております。
でも、やはり霊的真理こそが、今日の地上世界で一番求められている[霊的意識の回復]という大仕事にとって、その手段を提供してくれる生命線なのです。
そこで私は、常々、同志の方に申し上げております-愛する者を奪われた人をたった一人でも慰めてあげることができたら、病をかかえた人をたった一人でも治してあげることができたら、苦悩の最中にある人に解決策を見出させてあげることができたら、それだけであなたの全人生が無駄でなかったことになるということです。
地上世界には暗闇が多すぎます。無知が多すぎます。利己主義が多すぎます。物質偏重の度が過ぎます。そうした中にあって、こうした崇高な仕事に携わっていることを光栄に思わないといけません。
さて、あなたの仰る物的側面での問題ですが、霊的な側面をきちんと整えておけば、物的な面もきちんと整います。なぜならば、物質は霊の反映に過ぎないからです。物質には独自の存在はないのです。霊なくしては物質の存在は有り得ないのです。全存在を動かし、生命を賦与しているのは、霊なのです。あなたはその霊の力を使ってお仕事をなさっているのです」
ムーア-素晴らしいことだと思います。
「これは大変なことなのです。ところが、あなたも人間として生きて行く上での必需品のことにかまけて、つい、その事実を忘れてしまいがちです。現代の生活は特に、経済的要素が厳しくなっております。
しかしバイブルには[まず神の王国とその義を求めよ。さらば、それらのものはおのずから整うべし]とあります。また、[地球とそれに満つるものとは、みな主のものなり]とも言っております。こうした言葉は、優先させるべきものを優先させ、霊的摂理と物的法則にかなった生き方をしていれば、すべてがきちんと整うことを教えているのです。
次の言葉もご存知でしょう。
[野のユリはいかに育つかを思え。労することもせず、紡ぐこともせざるなり。されど、われ汝らに告ぐ。栄華を極めたるソロモンの服装も、そのユリの花一つにも及ばざりき]
これは、自然の摂理に調和した生き方をしていれば、必要なものはその摂理が用意してくれるという意味です。病気も、見た目には肉体が病んでいるように思えても、精神と霊と肉体とが調和していないことから生じているのです。その意味では、何も思い煩うことはないのです。
こう言うと、[あなたは地上の人間ではないから、そんなきれいごとが言えるのですよ]と言われそうですね」
ムーア-私達とは異なる視点からご覧になるからでしょう。
「でも、こうして地上界へやってきて、全生命の基本的原理を説くことをしなかったら、私達は使命を果たしていないことになります。私達は決して、物的側面での義務までも疎かにしなさいとは申しておりません。物質面にはそれなりの存在意義があります。それを無視してはなりません。しかし、何よりも大切である霊的原理を無視するのも同じく間違いです。根元的には全てがそれによって生じているのですから。
ほかに何かお聞きになりたいことがありますか?」
ムーア-いっぱいあるのですが、これまでのお話で自然に解決してしまったものがいくつかあります。とにかく私は、私自身を役立てるチャンスが与えられることを、何よりも有り難く思っております。言葉で言い表せないほど感謝しております。私には使命があると言い聞かされております。
「それを果たすまでは地上を去ることは許されませんよ。人の為に役立つことをすること(サービス)が最高の宗教です。サービスは霊の通貨です。崇高な通貨です。既に何度も申し上げてきたことですが、何度でも繰り返すだけの価値があるのです。
あなたは霊的真理の生ける証人です。これまでに啓示された知識に忠実に生きていれば、全てのことが収まるべきところに収まります。そのことに関連して私がいつも同志の方達に申し上げているのは、スピリチュアリズムのお蔭で信仰に知識を加えることが出来たとはいえ、時には、知識に信仰を加えないといけないことがあるということです。地上にあるかぎり全てのことを知ることはできないからです。
これまでに手にしたものに感謝し、毎日を不安の念ではなく素晴らしい霊的可能性を秘めたものとして、大いなる期待の念をもって迎えてください。
同志の方達によろしくお伝えください。今携わっている霊的真理普及の仕事に献身しておられる方達に対して、私達はいつも尊敬の念を抱いていると伝えて下さい。素直な心の持ち主ばかりで、霊界からの援助に浴していらっしゃいます。あなたと同じように、まだまだ果たすべき仕事がたくさん残っております」
今は亡き夫君のフレッド・ムーア氏のことに言及してムーア女史が「あの人は生涯をこの仕事と共に生きた人でした」と言うと
「今もそうですよ。彼にとってはあなたがこの仕事そのものなのですから・・・・この仕事は何ものにも代え難い大切なものだと、今仰ってますよ」
ムーア-私と彼とは互いに一つの魂の片割れだと、彼が言ったことがあります。
「そうです、アフィニティ(注)同士が一緒になったのです。類魂が地上生活で出会って結ばれるということは、そう滅多にあることではありません」
(注 affinity同系統の魂の集まりを類魂group soulsと呼ぶが、その中でも最も親しい関係にある魂同士のこと。語原的には[親和性の強い関係]といった意味であるが、そのことと、人間的に好きになったり愛を感じたりすることとは必ずしも一致しない。前世の問題と同じで、事実としては存在しても、脳という物質を通しての知性であげつらうべきものではないと私は考えている-訳者)
[クリスチャン・スピリチュアリスト協会(注)]もその一つで、1977年に当時の会長ノラ・ムーア女史が招待されて、シルバーバーチと語っている。
(注 [クリスチャン]を冠していることからも窺われるように、[スピリチュアリズムを摂り入れたキリスト教]といった色彩が強く、ヒギンソン氏などは[都合のいい折衷思想]として、事あるごとに非難している。が、シルバーバーチは[組織]とか[名称]には拘らず招待して、真理を語り合っている-訳者)
当日、ムーア女史と共に招待されていたベテラン霊媒のネラ・テーラー女史が、霊媒としての仕事を通じて人の為にお役に立つことができて嬉しく思っていることを述べると、シルバーバーチが-
「縁あって自分のもとを訪れる人達に、生き甲斐を見出させてあげ、地上生活の目的を理解し、日常の体験の中から意義を悟るように、物の見方を変えるお手伝いが出来ることほど大きな喜びはありません。
私にとっては、そういう仕事をなさっている[霊の道具]をお招きすることが出来ることを光栄に思います。お招きする理由は、霊媒が遭遇する様々な困難や難題がよく分かっておりますので、時には霊界側から直接励ましの言葉を述べて、今携わっておられる仕事がいかに大切であるかを再確認して頂く必要があるからです。霊媒も人間である以上は、やはり迷いがあります。
一人間として生きて行くからには、世俗的な苦難に耐え切れなくなる時もあります。そんな時には、あなたが手にしておられる崇高な霊的真理にしがみつくことです。きっと世間の荒波を耐え忍ぶ為の堅固な心の支えになってくれるはずです」
テーラー-分かりました。さよう心得てまいります。
「ご自分がこの地上で成し遂げるべきものが何であるかを自覚しているかぎり、本来の霊的自我に危害が及ぶような事態は、この地上には何一つ生じません。
ですから、大胆不敵な魂を失ってはなりません。毅然たる姿勢を保ち、紛れもなく大霊の使者であることを人に示すことです」
続いてムーア女史に向かって-
「前回お会いした時に比べて、ずっと明るくなられましたね。ご自分の身の処し方を会得なさったようですね?」
ムーア-そう思います。これも(夫君で前会長の)フレッドをはじめとする霊団側のお力添えがあってのことと存じます。
「ご主人はあなたのもとを去ってはいないことが、これでお分かりでしょう」
ムーア-よく分かりました。
「真実の愛によって結ばれた者同士は決して離ればなれにはなりません。死は愛と生命に対して何も為し得ません。生命と愛は死よりも強いのです。人間的な愛も、無限なる愛の一つの表現です。あなたはこの宇宙の中の誰よりも身近な存在である方からの愛をずっと受け続けておられる、大変お幸せな方です。
ご主人は今なお、地上で携わっておられた仕事を続けておられ、彼なりの貢献をなさっておられます。その必要性をよく認識しておられます」
ムーア-はい、私もそう信じております。ただ、私達は今、世俗的な面で多くの難題に直面しております。
「これはまた捨ておけない課題を提供してくださいましたね。あなたは真理と霊力とがもたらす威力を知らずにいる人達にそれを知らしめる仕事をなさっている、大変恵まれた方です。生き甲斐ある生き方を教えてあげることほど偉大な仕事は、ほかにありません。
あなたにとっての悩みは、永遠不変の霊的真理を理解する人がこの地上においては極めて少数派であることから生じております。
でも、やはり霊的真理こそが、今日の地上世界で一番求められている[霊的意識の回復]という大仕事にとって、その手段を提供してくれる生命線なのです。
そこで私は、常々、同志の方に申し上げております-愛する者を奪われた人をたった一人でも慰めてあげることができたら、病をかかえた人をたった一人でも治してあげることができたら、苦悩の最中にある人に解決策を見出させてあげることができたら、それだけであなたの全人生が無駄でなかったことになるということです。
地上世界には暗闇が多すぎます。無知が多すぎます。利己主義が多すぎます。物質偏重の度が過ぎます。そうした中にあって、こうした崇高な仕事に携わっていることを光栄に思わないといけません。
さて、あなたの仰る物的側面での問題ですが、霊的な側面をきちんと整えておけば、物的な面もきちんと整います。なぜならば、物質は霊の反映に過ぎないからです。物質には独自の存在はないのです。霊なくしては物質の存在は有り得ないのです。全存在を動かし、生命を賦与しているのは、霊なのです。あなたはその霊の力を使ってお仕事をなさっているのです」
ムーア-素晴らしいことだと思います。
「これは大変なことなのです。ところが、あなたも人間として生きて行く上での必需品のことにかまけて、つい、その事実を忘れてしまいがちです。現代の生活は特に、経済的要素が厳しくなっております。
しかしバイブルには[まず神の王国とその義を求めよ。さらば、それらのものはおのずから整うべし]とあります。また、[地球とそれに満つるものとは、みな主のものなり]とも言っております。こうした言葉は、優先させるべきものを優先させ、霊的摂理と物的法則にかなった生き方をしていれば、すべてがきちんと整うことを教えているのです。
次の言葉もご存知でしょう。
[野のユリはいかに育つかを思え。労することもせず、紡ぐこともせざるなり。されど、われ汝らに告ぐ。栄華を極めたるソロモンの服装も、そのユリの花一つにも及ばざりき]
これは、自然の摂理に調和した生き方をしていれば、必要なものはその摂理が用意してくれるという意味です。病気も、見た目には肉体が病んでいるように思えても、精神と霊と肉体とが調和していないことから生じているのです。その意味では、何も思い煩うことはないのです。
こう言うと、[あなたは地上の人間ではないから、そんなきれいごとが言えるのですよ]と言われそうですね」
ムーア-私達とは異なる視点からご覧になるからでしょう。
「でも、こうして地上界へやってきて、全生命の基本的原理を説くことをしなかったら、私達は使命を果たしていないことになります。私達は決して、物的側面での義務までも疎かにしなさいとは申しておりません。物質面にはそれなりの存在意義があります。それを無視してはなりません。しかし、何よりも大切である霊的原理を無視するのも同じく間違いです。根元的には全てがそれによって生じているのですから。
ほかに何かお聞きになりたいことがありますか?」
ムーア-いっぱいあるのですが、これまでのお話で自然に解決してしまったものがいくつかあります。とにかく私は、私自身を役立てるチャンスが与えられることを、何よりも有り難く思っております。言葉で言い表せないほど感謝しております。私には使命があると言い聞かされております。
「それを果たすまでは地上を去ることは許されませんよ。人の為に役立つことをすること(サービス)が最高の宗教です。サービスは霊の通貨です。崇高な通貨です。既に何度も申し上げてきたことですが、何度でも繰り返すだけの価値があるのです。
あなたは霊的真理の生ける証人です。これまでに啓示された知識に忠実に生きていれば、全てのことが収まるべきところに収まります。そのことに関連して私がいつも同志の方達に申し上げているのは、スピリチュアリズムのお蔭で信仰に知識を加えることが出来たとはいえ、時には、知識に信仰を加えないといけないことがあるということです。地上にあるかぎり全てのことを知ることはできないからです。
これまでに手にしたものに感謝し、毎日を不安の念ではなく素晴らしい霊的可能性を秘めたものとして、大いなる期待の念をもって迎えてください。
同志の方達によろしくお伝えください。今携わっている霊的真理普及の仕事に献身しておられる方達に対して、私達はいつも尊敬の念を抱いていると伝えて下さい。素直な心の持ち主ばかりで、霊界からの援助に浴していらっしゃいます。あなたと同じように、まだまだ果たすべき仕事がたくさん残っております」
今は亡き夫君のフレッド・ムーア氏のことに言及してムーア女史が「あの人は生涯をこの仕事と共に生きた人でした」と言うと
「今もそうですよ。彼にとってはあなたがこの仕事そのものなのですから・・・・この仕事は何ものにも代え難い大切なものだと、今仰ってますよ」
ムーア-私と彼とは互いに一つの魂の片割れだと、彼が言ったことがあります。
「そうです、アフィニティ(注)同士が一緒になったのです。類魂が地上生活で出会って結ばれるということは、そう滅多にあることではありません」
(注 affinity同系統の魂の集まりを類魂group soulsと呼ぶが、その中でも最も親しい関係にある魂同士のこと。語原的には[親和性の強い関係]といった意味であるが、そのことと、人間的に好きになったり愛を感じたりすることとは必ずしも一致しない。前世の問題と同じで、事実としては存在しても、脳という物質を通しての知性であげつらうべきものではないと私は考えている-訳者)