自殺ダメ


 (自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)

 神々のお受持と申しましても、これは私がこちらで実地に見たり、聞いたりしたところを、何の理屈もなしに、ありのまま申し上げるのでございますから、何卒そのおつもりで聞いて頂きます。こんなものでも幾らか皆様の手掛かりになれば何より本望でございます。
 現世の方々が、何は措いても第一に心得て置かねばならぬのは、産土の神様でございましょう。これはつまり土地の御守護に当たるる神様でございまして、その御本体は最初から活き通しの自然霊・・・・つまり龍神様でございます。現に私共の土地の産土様は神明様と申し上げておりますが、やはり龍神様でございまして・・・稀に人霊の場合もあるようにお見受けしますが、その補佐にはやはり龍神様が付いておられます。ドーもこちらの世界のお仕事は、人霊のみではなにかにつけて不便があるのではないかと存じられます。
 さて産土の神様の任務の中で、何より大切なのは、やはり人間の生死の問題でございます。現世の役場では、子供が生まれてから初めて受け付けますが、こちらでは生まれるずっと以前から、それがお判りになっておりますようで、何にしましても、一人の人間が現世に生まれると申すことは、中々重大な事柄でございますから、右の次第は産土の神様から、それぞれ上の神様にお届けがあり、やがて最高の神様のお手許までも達するとの事でございます。申すまでもなく、生まれる人間には必ず一人の守護霊が付けられますが、これも皆上の神界からのお指図で決められるように、承っております。
 それから人間が亡くなる場合にも、第一に受け付けてくださるのが、やはり産土の神様で、誕生のみが決してその受持ちではないのでございます。これは氏子として是非心得ておかねばならぬことと存じられます。もっともそのお仕事はただ受け付けて下さるだけで、直接帰幽者をお引き受け下さいますのは大国主命様(おほくにぬしのみことさま)でございます。産土神様からお届け出がありますと、大国主命様の方では、直ぐに死者の行くべき所を見定め、そしてそれぞれ適当な指導役をお付けくださいますので・・・。指導役はやはり龍神様でございます。人霊では、ややもすれば人情味があり過ぎて、こちらの世界の躾をするのに、あまり面白くないようでございます。私などもやはり一人の龍神さんの御指導に預かったことは、かねがね申し上げております通りで、これは私に限らず、どなたも皆、その御世話になるのでございます。つまり現世では主として守護霊、又幽界では主として指導霊、のお世話になるものとお思いになれば宜しうございます。
 尚生死以外にも産土の神様のお世話に預かることは数限りもございませぬが、ただ産土の神様は言わば万事の切り盛りをなさる総受付のようなもので、実際の仕事には皆それぞれ専門の神様が控えておられます。つまり病気には病気治しの神様、武芸には武芸専門の神様、その外世界中のありとあらゆる仕事は、それぞれ皆受け持ちの神様があるのでございます。人間と申すものは兎角自分の力一つで何でも出来るように考え勝ちでございますが、実は大なり、小なり、皆蔭から神々の御力添えがあるのでございます。
 さすがに日本国は神国と申されるだけ、外国とは違って、それぞれ名の付いた、尊い神社が至る所に見出されます。それ等の御本体を調べてみますと、二通りあるように存じます。一つは優れた人霊を御祭神としたもので、橿原(かしはら)神宮、香椎(かしいの)宮、明治神宮などがそれでございます。又他の一つは活神様を御祭神と致したもので、出雲の大社、鹿島神宮、霧島神宮等がそれでございます。但し、いかに優れた人霊が御本体でありましても、その控えとしては、必ず有力な龍神様がお付遊ばしておられますようで・・・。
 今更申し上げるまでもなく、全ての神々の上には皇孫命様がお控えになっておられます。つまりこの御方が大地の神霊界の主宰神におわしますので・・・・。更にそのモー一つ奥には、天照大御神がお控えになっておられますが、それは高天原・・・つまり宇宙の主宰神におわしまして、とても私共から測り知ることの出来ない、尊い神様なのでございます・・・・。
 神界の組織はざっと右申し上げたようなところでございます。これ等の神々の外に、この国には観音様とか、不動様とか、その他様々のものがございますが、私がこちらで実地に調べたところでは、それはただ途中の相違・・・つまり幽界の下層におる眷族が、かれこれ区別を立てているだけのもので、奥の方は皆一つなのでございます。富士山に登りますにも、道は色々つけてございます。教えの道もやはりそうした訳のものではなかろうかと存じられます。では一と先ずこれで・・・・。
(完結)