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カテゴリ:★『死後の世界』 > ワード 死後の世界 叔父さんの住む霊界

ワード 死後の世界 叔父さんの住む霊界 目次

一 誕生日と命日 上

  誕生日と命日 下

二 規則の異なった世界 上

  規則の異なった世界 下

三 自動書記の開始

四 信仰の意義

五 無名の陸軍士官

六 霊界の分野 上

  霊界の分野 下

七 五歳の女児と無名の士官

八 叔父の臨終 上

  無名の陸軍士官 下

九 霊界より見た人間の肉体

十 霊界の図表 上

  霊界の図表 中

  霊界の図表 下

十一 聖者の臨終

十二 霊界の学校 一

   霊界の学校 二

   霊界の学校 三

   霊界の学校 四

   霊界の学校 五

十三 自分の葬式に参列 上

    自分の葬式に参列 下

十四 霊界の大学 上

    霊界の大学 下

十五 犬の霊魂 上

    犬の霊魂 下

十六 星と花

十七 問題の陸軍士官 上

    問題の陸軍士官 下

十八 守護の天使

十九 実務と信仰

二十 インスピレーション 上

    インスピレーション 下

二十一 霊界の美術と建築

     音楽と戯曲 上

     音楽と戯曲 下

二十三 霊界からの伝言

二十四 大学の組織

二十五 霊界の病院 上

     霊界の病院 下

二十六 無理な注文

二十七 公園の道草

      霊界の動物 上

      霊界の動物 下

二十九 幽界と霊界

三十 幽界見物 一

    幽界見物 二

    幽界見物 三

    幽界見物 四

三十一 欧州の戦雲

三十二 戦端開始

三十三 通信部の解散

自殺ダメ

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 ワード氏の叔父に当たり、且つ同夫人の父であるL氏(H・J・L)は1914年1月5日午前9時、その80回の誕辰を以って身罷(みまか)りました。しかるにワード氏はこれに先立つこと約一ヶ月、1913年12月初旬に叔父の死ぬる夢をありありと見たのであります。これがそもそもワード氏の身に、世にも不思議なる幽明交通の道の開けうる発端であります。夢の知らせは叔父が急病で死んだことから始まり、それから段々その葬式の模様に移り、自分自身が式に参列している光景さえ見えるのです。その時の悲しい感じ、又悔やみに来た人達の言語動作の一切がありありと同氏の胸に深く刻まれて、覚めてからも消えないのであります。で、氏はこの事を夫人のカーリーに打ち明けますと、それなら一緒にロンドンへお見舞いに行こうということになったのですが、生憎夫人が病気になって、決めた当日に出発することが出来ないでしまいました。すると1月5日午前10時15分頃、叔父が死んだという急電に接したのであり、その時の悲しい感じ、又続いて経験した葬式中の出来事は一ヶ月以前の夢と寸分の相違がないばかりか、棺桶の中に永眠している叔父の顔までが夢で見たのとそっくりで、生きている時の顔とは余程異なっているのでした。叔父の葬式は1914年1月8日に執行されました。
 ところが、叔父さんが亡くなって丁度7日目、1月12日の月曜の晩にワード氏は又もや叔父の夢を見たのであります。叔父の顔は生時の顔と似ていて、しかし何処やら異なっている。言わば生顔と死顔とをちゃんぽんにつき混ぜて半分にしたような顔なのでした。
 叔父さんはこう言い出しました-
 叔父「ワシは最初カーリーに通信してみようと試みたのじゃが、いくらやってみても上手く行かんので困った。最後にお前を見つけてやっと成功した。カーリーにはお前からよく言い聞かせてもらいたい-霊界へ来てからワシは以前よりもずっと元気がよくなり、頭脳の具合なども大変よくなって来たと・・・。しかし近頃ワシは勉強することが沢山で、まるで小学校の生徒のようなものじゃ。生きている時分にさっぱり信仰上の準備をせずにおった罰でな・・・。ワシの居る所は何れも信仰心の薄い、初心の連中のみの集まっている境地じゃ。カーリーにもこの事はよく言い聞かせてもらいたいな。
 しかし、いくらかマシなことには、ワシはこれでも多少の信仰心はもっていた。さもないことには、危なくもう一段下の組、つまり未信仰者の部類に編入されるところであった。ワシは生きている時分に、人間は何を信仰したところで同じことだ、などとよくよく呑気なことを言ったものじゃ。しかし霊界へ来てみて、それが間違いであることがよく判った。そんな気でいると、少なくとも霊界へ来た時に大まごつきをやる」
 ワード「只今あなたは組と仰いましたが、一体それは何のことでございますか?」
 叔父「ワシは死んでから初めて知ったのじゃが、人間というものは、信仰の程度に応じて死後それぞれの組に編入されるのじゃ。どの組にも教師が一人ずつ付いているが、その教師というものは、つまり昔話に聞かされた天使みたいなものじゃ。しかし絵に描いてある、あの馬鹿げたものとは余程検討が違う。この教師がワシ達に不足している箇所を教育して行ってくださるのじゃ。いよいよ出来上がると、ワシ達は上の組に進級し、従って従来と全く違った人達と一緒にされる。一体自分と毛色のまるきり同一な者と始終顔を突き合わせているほど退屈なことはない。上の組へ行くと、種類がずっと増えるからありがたい・・・・」

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 叔父さんの方では判り切ったことであっても、聴く方の身になると疑問百出で、話はそれからそれへと続きました。
 ワード「あなたは只今上の組と仰いましたが、それはどんなところでございます?」
 叔父「それは信仰心はあっても、行状がそれに伴わぬ連中の居る境涯じゃ」
 ワード「すると、天国、地獄、煉獄などというものは、あれは実際存在するのでございますか?」
 叔父「さぁ地獄の有無はまだ今のワシには判らない。現在のワシに判っているのは自分の居る組と、自分より上下の組だけじゃ。実は霊界へ来た時に、昔の友達に会えるだろうと予期していたのじゃが、まだ会えない者が沢山ある。が、勿論霊界に居ないのではなく、ただ他の組に入っているだけのことらしい。純然たる未信者は皆下の組に居る。そして暫く経てばその連中がワシ達の境涯へ上って来る。
 それからあの煉獄じゃが、あれは大体自分達の居る境地を指して言っているものらしい。しかし煉獄はむしろ勉強の場所であって、刑罰の場所ではないようじゃ。もっともいくらか刑罰の気味もないではない。生前くだらなく時間を費やしたことが霊界へ来てから悔やまれる-それが刑罰と言えば刑罰に相違ない。それから不思議なことには、ワシ達の仲間が大勢いるくせに、何やら心寂しく感じられてしようがない。どうも余りお互い同士が似寄り過ぎていると、相手にして面白味がないものらしい。で、ワシは一時も早く他の組に入って、昔の友達に会いたさに、今せっせと勉強しているところじゃが、中々思うように進歩せぬには弱っとる。現在のワシはまるきり小学校の生徒さんじゃ-それはそうとワシの誕生日は月曜日で、死んだのも月曜日であった。死ぬることはつまり霊界に生まれることじゃ。して見ると月曜日は何処まで行ってもワシの誕生日に相違ない・・・」
 ワード「叔父さん、あなたは御自分の葬式のことを御存じでございますか?」
 叔父「そりゃ知っています。ワシは自分の体がベッドの上に横たわっているのを見ました。あの時はお前もワシの死骸を覗きに来てくれたね・・・。
 時に、これだけは決して忘れずにカーリーに伝言してもらいたい-生きている時に信仰心をもっていると、死んでから進歩が早いので大変助かると・・・。出来ればワシなどももう少し信仰心があればよかった」
 ワード「叔父さん、あなたはもう一度現世に戻る思し召しはございませんか、若し戻れるものなら・・・」
 叔父「それは無い!霊界の方が余程面白い。毎日毎日進歩しているもの・・・。いやワシはもう帰らなければならぬ。ワシはもう一度学校をやり直すので、大変多忙じゃ。うかうか遊んでばかりはいられない・・・」
 言うまでもありませんが、この時分の叔父さんの霊界知識は頗る幼稚なものであり、同時にワード氏の質問ぶりも素人臭味がたっぷりで、思わず失笑させられるところがあります。地獄の有無の問題などは後に於いて充分修正されてあります。

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 前の夢を見てから丁度一週間目、一月十九日の晩にワード氏は又も恍惚状態に於いて叔父の姿を見ました。二人の間には早速例の問答です-
 ワード「いかがでございます、相変わらずご勉強ですか?」
 叔父「さぁ、余り捗々しくもないがね・・・・」
 ワード「私は-というよりも私達はあなたにお訊きしたいことが沢山ございますが・・・」
 叔父「何でも訊くがよい。ただ上手くワシに返答が出来ればよいが・・・」
 ワード「一体叔父さん、あなたは目下何処にいらっしゃるのです?何処か遠方からお出ましになるのですか?」
 叔父「そうでもない。ワシは始終ここに居る。ワシ達の世界とお前達の世界とは離れたものではない、ただ違った規則に支配されている。ワシ達の世界には時間と空間とが存在しない。こんなことは甚だ陳腐に聞こえるじゃろうが、真理というものは大抵皆そうしたものじゃ。真理であるから、いずれの時代にも当てはまる」
 ワード「しかし叔父さん、あなたは今ここにお出でなさるでしょう。それなら空間が存在しているではありませんか?」
 叔父「さぁ我々霊界の者は、一の思想の塊、若しくは思想の繋がりと思ってもらえばよかろう。大概それで見当がつくじゃろう。今お前達が地上でロンドンの事を考える。するとお前達の眼にロンドンの光景が浮かんで来る。その点までは我々とお前達とがよく似ている。しかしお前達のもっている霊妙な機能は肉体で押さえつけられているので、ロンドンに起こりつつある時々刻々の変化までは判らない-お前はあの精神感応(テレパシー)というものを知っていると思うが・・・」
 ワード「知っております」
 叔父「あれじゃ、あの精神感応法で全てが判る。あれは我々霊界の者がもってる能力の発露したもので、霊界と物質界との連絡はあれで取れるのじゃ。お前も知っとる通り、霊媒的素質を有する者には遠方の事柄が感識される。ところが霊界に居る者には誰にでもそれが出来る。ワシ達はその方法で意思を通じ合うので、言葉というものは全然使わない。バイブルにもそんな事が書いてあろうがな。それで霊界では嘘を吐いたり、吐かれたりすることがまるきり出来ない-が、これだけの説明ではまだ不充分である。霊界では個々の思想が悉く独立して存在し、そして思想の形が悉く目に見えるのじゃ。霊界の刑罰は主としてこれで行なわれる。自分の犯した罪や悪い考えがありありと形で現れる。しかもその付帯物件までが目に映る・・・」
 ワード「付帯物件と申しますと・・・」
 叔父「さぁワシ自身の恥を晒すのも決まりが悪いから、仮に架空の一例を引いて説明するが、例えばここに一人の男が生前殺人罪を犯したと仮定する。すると単にその犯行ばかりでなく、その犯行の起こった周囲の状況-例えば部屋だの、什器だのに至るまですっかり形態で現れるのじゃ」
 ワード「実際罪を犯したのと、ただ犯意だけに止まる者との間には、何らかの相違がございますか?」
 叔父「さぁそれは一概にも言われまいな。例えばお前の劣情が打ち勝って何かの罪を犯しかけても、お前の良心が最後にそれを押さえつけたとすれば、そんな場合には自分の悪い思想の形が目に映った後で、やがて又自分の善い思想の形が目に映って来るから、心が余程慰められる訳じゃ。ところが何かの故障の為に犯行は無かったとしても、犯意の存在する場合には、それを打ち消すものがないから中々苦しいに相違ない-兎に角霊界の者は、自分自身で造り上げた一つの世界に住むのじゃ。従って自分の造った世界が周囲の人達の造った世界に近ければ近いだけ道連れが多くて寂しくない・・・。孤独が霊界では一番の刑罰じゃ。傷のある者でも他人を愛して友達をこしらえておけば、霊界でそれだけの報酬が来る」

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 叔父さんの霊界の説明がワード氏に判ったようで中々判らない。で、氏は更に念を押しました-
 ワード「して見ると霊界の状態は永久不変なのですか?それとも段々友達が増え、それに連れて過去の嫌な記憶・・・思想の形が遠ざかって行くのですか?」
 叔父「この前にも説明した通り、無論霊界の状態は不変なものではない。我々の信仰心が加わるに連れて、周囲の状態はズンズン改善されていくのじゃ。何故過去の嫌な記憶が次第に遠ざかって行くのかはワシにもまだよく判らない。が、兎に角我々がこちらへ来てから次第に高尚な思想を創造して行くと、それが我々の心を引き立て、不思議に旧悪の苦痛を緩和して行くことになる。人間には自分を欺くことが出来るが、霊界の居住者にはそれが出来ない。
 イヤ最初霊界へ来た時には、まるきり悪夢を見ているようで、一生涯に積み上げた旧悪が悉く形をなして雲霞の如く身辺を取り巻いたものじゃった。が、暫く過ぎるとそれ等のものにキチンと整理が出来て来た。ワシにはその理屈は少しも判らないが、兎に角以前よりも凌ぎよくなって来た-イヤこちらへ来てからワシにはまだ判らぬことばかり、先日来お前に説明して聞かせたものだって、皆ワシの教師から最近教わったことばかりじゃ・・・」
 ワード「時に叔父さん、あなたはどんな方法を用いて私の所へお出でなさいます?」
 叔父「方法と云って別にありゃしない。ただお前のことを思えばよいのじゃ。もっと詳しく説明すると、ワシの精神をお前一人に集め、他の考えを一切棄ててしまうのじゃ。最初は中々やり難い仕事であったが、近頃はもうお手のものじゃ。こちらはそれでよいが難しいのはお前の精神をワシの精神に調子を合わせることで、それが出来ないと結局通信は出来ない。ワシは最初他の人達にも色々試してみた。カーリーにも、Hにも、それからFにも試したのだが、どいつもこいつも皆上手く行かない。最後にお前ならばと目星をつけたのだ」
 ワード「そうすると、あなたはこの世界にお出でになって、私達のように何かを御覧なさるのですね」
 叔父「この世界に居ることは居るが、しかし何もこの世界にのみは限らない。又お前達とは物の見方が違う。我々には過去が見える。修業の積んだ者には未来までも見える。もっともワシにはまだそれは出来ないがね-現にお前だとて、ワシの死ぬる一ヶ月前にワシの死ぬる実況を夢に見たではないか-イヤしかし今日はお前も大分くたびれたろう。それともまだ質問が残っているかな?」
 ワード「はぁ御座います。あなたは人間に劣情のあることを仰いましたが、何かその劣情を挑発する悪魔でもあるものでしょうか?」
 叔父「それはまだワシにも判らん。現世に生きている時分にワシは勿論悪魔などがあるとは思わなかった。しかし死んでから初めて信ずるようになったことも沢山あるから、事によると悪魔が存在せぬとも限るまいが、それは後日の問題にしよう・・・」
 ワード「何故あなたの教師にそれをお訊ねしないのです?」
 叔父「そう何もかも一度には行かない。お前じゃとて、一人の子供にユークリッドを教えている最中に、突然歴史の質問をされたらどうします?霊界でもそれに変わりはない。数あることが沢山なので一遍には訊かれはせぬ」
 ワード「私にとりては、叔父さんがこうしてお出でくださるのは大変ありがたいのですが、叔父さんの方では何故私の所へお出でなさるのです?」
 叔父「一つはお前が好きなせいじゃ-が、何よりもワシは少しなりとも他人の利益になることをしたいのじゃ。霊界で他人を助けるのは決して容易なことではない。ワシは生きている時にもう少し善い事をしておけばよかった。カーリーには格別お前から詳しく伝えてくれ。一番カーリーがワシを理解していてくれる。出来ることなら彼女と対話をしてみたいが出来ないから致し方がない-お前は大分疲れて来たね・・・。何れ又会おう。何れまた・・・・」
 ワード氏はそれっきりぐっすり寝込んで、翌朝まで何も知らずにおったのでした。

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