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カテゴリ:★『各種霊的知識』 > 客観的心霊現象

客観的心霊現象 目次

客観的心霊現象1

客観的心霊現象2

●客観的心霊現象

 これは、その場に居合わせた人の全てが見ることの出来る現象のことで、俗に物理現象と呼ぶことが多いが、心霊写真のように主観的とも客観的とも言いにくいものもある。が、一応ここではフィルムという物体に写ったという意味で客観的と見なして、まずそれから解説し、それから本格的な物理現象へと筆を進めたい。

1心霊写真
『霊の写真』という著書の[まえがき]で著者のトム・パターソンがこう述べている。

 [1962年が霊の写真の第一号が撮れてから百年目に当たることは、一般には知られていない。百年前の1861年にボストンの彫金師ウィリアム・マムラーが友人の写真を撮ったところ、その友人の他に複数の人物像が写っており、それがその友人の親戚や知人であることに間違いないだけでなく、もっと重大なこととして、既に他界した人物ばかりであることが判明したのである。それがたちまち『霊写真』として知られるようになった。
 そもそも写真術が発明されたのは1838年のことであるが、それから僅か23年後に、その写真術を利用した霊界とのコミュニケーションが確立されたことは意義が大きい。それ以来、数にして何千何万という霊の写真が、有名、無名の写真霊媒によって撮られてきた。
 本書で私は、霊の身体から発せられる稀薄な放射線が、丁度太陽などの光線がネガに感光するのと同じように、フィルムに痕跡を残すことが有り得ることを説明したいと思う。]

 この中で『霊の身体から発せられる稀薄な放射線』と言っているところに注目して頂きたい。同じくフィルムに感光していても、普通の写真が被写体の反射光が感光するのに対して、心霊写真の場合は霊自身が発する放射線が感光するのである。それは当然、化学的には異質であるはずで、それを物語る顕著な事実として、フィルムを現像液に浸すと、普通の被写体がゆっくりと浮き上がってくるのに対して、霊的な被写体は飛び出してくるみたいに瞬間的に浮き上がってくることが指摘されている。
 英国の博物学者アルフレッド・ウォーレスは心霊現象の研究でも有名であるが、中でもこの心霊写真現象には格別の関心を寄せ、『心霊と進化と』の中で、かなりの紙面を割いて取り上げている。その最後の部分で次のようなことを述べている。

 [・・・図らずもそれは、他の二人のアマの写真家の成果と共に、これまでに知られていなかった二つの重大な事実を示唆している。
 一つは、霊像の化学線に対する反応の特異性で、普通の映像より遥かに速いことである。それは、現像液に浸してみて分かったことで、霊の姿は瞬間的に出て、普通の人物像はずっと遅れて出た。筆者はプロの写真家のハドソン氏に撮ってもらった三枚の現像作業を直に見せて頂いて、驚いたのである。
 もう一つは、霊の顔や姿全体が白い布状の物質で包まれていることに関してであるが、これは物質化しにくい顔とか姿を物質化し易い波長の物質で包むことによって補助し、同時にその部分を際立たせる効果を狙っているということである。昔話に出てくる『白い布に身を包んだ幽霊』は決して空想ではなく、実際にあった話だったのである。これも、未知の化学的法則の存在を暗示していて興味深い。]
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 ここでいう『白い布状の物質』というのはエクトプラズムのことである。これを化学的に分析したり顕微鏡で観察したりした学者は英米仏だけでも枚挙にいとまがない程であるが、丁度、隕石をいくら細かく分析してもその天体の全体像を知ることは出来ないように、エクトプラズムという半物質体をいくら分析しても、霊的要因は解明出来ない。
 ここでは、霊媒及び列席者から抽出した特殊物質に霊界の化学的成分を混ぜてこしらえるもので、その時の条件次第で濃くも薄くもなる、という程度に理解しておいて頂けばよいであろう。後は霊界の技術者に任されているのである。
 結局、肉眼で見える程濃い場合を物質化現象といい、見えない程稀薄なものがフィルムに感光したものが心霊写真となるわけである。ただ一つだけ大切なことは、先にパターソンが述べている通り、放射性を持っている、言い換えれば、自然発光性を持っている、ということである。

2衣服の瞬間的脱着現象
 これは次のアポーツと同じく、一旦その物体を分解(気化)して移動し、再び物質化するというメカニズムで行われる。それだけの現象ならば昔からよく見られていたようであるが、ハリー・エドワーズが心霊治療家として世界的に知られるようになる前に、ジャック・ウェバーという霊媒を使って丹念に行った物理実験で、その瞬間を見事にカメラに収めている。
 これからその幾つかを『ジャック・ウィバーの霊現象』から借用して紹介するが、その前に、心霊現象を研究する目的と意義についてエドワーズが述べていることを『前書き』から引用しておく。

 [『死後の存続』の事実を疑問の余地のないまでに証明することは、人類にとって計り知れない価値を有する。この地上生活がさらに一段上の明るい生活への準備段階であり、そこには本質的に今と変わらない個人としての生活があり、したがってこの世での行いがその位置づけをすることになるとの認識が得られれば、おのずとこれまでの生活規範に改革を迫られることになろう。
 この打算的で詮索好きな人間の多い時代に垢抜けのした人生哲学を築くには、余程確固とした証明可能な土台が必要である。今日の文明機構は一宗一派による宗教的打算の上に成り立っており、不正が横行し、それが戦争を生み、革命を起こし、人間的な不幸へと繋がっていく。過去における平和への努力は、詰まるところ宗教的打算の上で行われてきたのであり、それは、当然のことながら失敗に終わっている。
 本当の平和、真の四海同胞は、人生の意義と目的とを説く確固たる知識に基盤を置く、強力な霊的勢力をバックにしたものでなくてはならない。それによって偏見が影を潜め、一般の人々が死後存続の意義の重大性に目覚めれば、人類の文明はますます霊的価値を伴ったものとなり、社会的規範も、経済的観念も、国家的慣習も、さらには国際的通念も大々的に再構築を迫られ、人間的努力は詮ずるところ、人類全体としての平和的で協調的な霊的進化の為に為されるべきであるとの理解に立って、生活を発展させていくことになるに相違ない。
 言い換えれば、究極の目的は、世の中全体をスピリチュアライズ(霊的に浄化)することであらねばならないのである。]
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 次に紹介するのは心霊研究家B・A・コリンズ氏の取材記事である。

 [私はここで、他に類を見ない、説明不可能な現象を紹介したい。それは、ウェバー氏の上着が一瞬のうちに脱がされ、再び一瞬のうちに着せられるというもので、その重大性を認識して頂く為に、その過程を簡単に説明しておこうと思う。
 ウェバー氏は身体にピッタリの普段着のスーツを着ている。その上着の打ち合わせ部分を列席者の一人が、ごつい糸で縫い合わせてしまう(写真2)、それから椅子に腰掛けると、今度はロープで縛られた。まずロープの真ん中辺りを椅子の背もたれに結びつけてから、左右の腕と脚をそれぞれ椅子の肘掛けと脚の部分に縛り付けた。左右を別の人が行った。腕も脚もぐるぐる巻きにしながら、何カ所かに結び目をつくり、最後に左右のロープの先端を結び合わせて、その結び目をさらに糸で縫い付けてから、封印をした。
 それが完了すると、ウェバー氏の左右の座席の人がウェバー氏の両手を握る。すると、自ら支配霊と名乗るブラック・クラウドという霊が、ウェバー氏の口を使って、これから上着を脱がせる、と言う。
 そこで照明が消される。そして、ほんの少し間を置いてから、また明りをつけるようにとの要請があって、スイッチが入れられる。見ると、ウェバー氏は前と同じ格好で縛られているが、上着がないのである。
 その上着は本人の膝の上にあったり、列席者の膝の上にあったりする。が、いずれにしても打ち合わせ部分は縫い合わされたままである。
 列席者全員が得心のいくまで点検し終わると、ブラック・クラウドが、これから上着を着せる、と言う。そこで左右の者がウェバー氏の両手を握る。そしてライトが消される。消えたと思った次の瞬間に、ブラック・クラウドからライトをつけるようにとの要請がある。そこでライトがつけられる。見ると、ウェバー氏は相変わらず両手を押さえられた状態で椅子に腰掛けているが、今度は元通り上着を着ている。
 魔術ではない。となると、一体いかなる原理で行われるのであろうか。唯一考えられる説は、上着が何らかの方法で『分解』されて、非物質の状態になったということである。そうしないと、上着という物質がウェバー氏という物質を貫通したことになる。
 いずれにせよ、一部の人が言うような、目に見えなくなる『擬態の上着』などで説明できる現象ではない。]

3物品引き寄せ現象(アポーツ)
 この時の実験会は、1938年11月8日に『公開』で行われた。出席したテンプル・オブ・トルース教団の会長ジェームズ・シング氏が次のように証言している。

 [子供の背後霊パティとエドワーズ氏とのやり取りー
パディ「壁やドアを貫通して物品を引き寄せることをお見せする為に、この部屋に何か引き寄せてみたいと思います」
エドワーズ「是非見せてもらいたいね」
パディ「何かいいものがないか見てきます」
 (二、三分後)
パディ「隣の部屋に長い足をした小鳥が置いてありますね?」
エドワーズ「ああ、ありますよ。あれはツルという鳥でね、真鍮で出来ているんです」
パディ「あれを引き寄せてみます。霊媒の身体を通過させないといけないんです」
 (二、三分後。カメラの用意が出来る)
ブラック・クラウド「シャッター切って!」
 (シャッターを押すと、ほぼ同時に床に物が落下する音がする)
ブラック・クラウド「明かりをつけて!」
 (明かりをつけてみると、真鍮のツルが隣の部屋から運び込まれて、床の上にある)
ブラック・クラウド「写真が上手く撮れていれば、そのツルがエクトプラズムの状態で霊媒の身体から出てくるところが写っているはずです」
全ての窓、全てのドアがロックされ、一度も開けられていない。以上の現象の記述に相違ないことを証言する。
                                 ジェームズ・シング]

 エドワーズ氏の解説ー

 [この時の写真は三枚焼き付けてある。3の上が撮影したままの写真で、みぞおちの辺りに例の鳥とエクトプラズムが見える。下はその部分の拡大写真。4は引き寄せられた品の数々。
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 シング氏の報告を見ても分かる通り、このアポーツ現象は前もって予告した上で行われたことに注目すべきである。まずパディが、これからこうしようと思うと述べて、確かにその通りになり、次に支配霊のブラック・クラウドが写真にはこう写っているはずだと述べて、確かにその通りに写っていた。この辺りに、人知を超えた法則を見えざる知的存在が運用していることを示す、見事な証拠を見ることが出来る。
 真鍮のツルは高さ五センチ、重さ六十グラム足らずのものであるが、それが現実に壁とドア、もしくはそのいずれか一方を通過して部屋から部屋へと持ち込まれたわけである。その為には、音声がレンガ塀を通過するように、真鍮が個体を貫通する程の高い波動状態に一旦分解されたに違いない。その波動状態で霊媒の身体を通過し、身体から出ると同時に再び物質化されたのである。その、いよいよ身体から出る瞬間のエクトプラズムの状態というのが、他の物質化現象の場合と同じく、この物質化の際に、最も重要な要素であることに疑問の余地はない。
 アポーツの現象がある時は、ウェバー氏はその数時間前から腹部が張ってくるのが常で、それで今日はアポーツがあるなと思うという。その日もそうした兆候が出ていたので、実験室に入ってから椅子に縛り付けられる前に、十一人の列席者全員が見ている前で、レギュラーメンバーの一人とロンドン警視庁の代表一人に身体検査をするように依頼した。検査が終わると直ぐ、その場で椅子に腰掛け、ロープで縛られた。縛る時の様子は、赤色ライトがついていたので全員によく見えた。
 やがて複数のメガホンが浮揚して回り始めた。これも赤色ライトでよく見えた。そのうちの一本が霊媒のところへ来て、大きい口の方を太陽神経(みぞおち)の辺りに向けると、何かがその中に落ちるような音がした。そして今度は私のところへ来て、中のものを取り出すように言う。手に取ってみると、エジプトの飾りものだった(4上)。
 一、二分して再びそのメガホンが霊媒のみぞおちのところへ行くと、また何かが落ちる音がした。そして、今度は別の人のところへ行って、中のものを取り出せと言う。取り出してみると、石仏だった(4中央)。
 これらを見れば分かるように、その大きさからして、身体検査でベテランの目を誤摩化せるものではない。しかも十一人の列席者が見ている前で縛られ、さらに直前まで猛スピードで回転していたメガホンが、スピードを落として、すーっと霊媒のところへ来て、そこで物品を受け取るところも全員が目撃し、そしてその音まで聞いているのである。]



 別の資料より、エクトプラズムの写真
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4 物体の浮揚現象
 写真5と6はテーブルが浮揚しているところである。いずれの場合もテーブルは霊媒の位置からかなり離れている。すぐ近くに見えるのは、正面から撮った為である。
 5のテーブルは約二十キロで、光沢がある。『カサンドラ』のペンネームを持つデイリーミラー紙の記者は、交霊会の終了後に自分で持ち上げてみたが、上がらなかったという。
 霊媒が腰かけているクッションの凹み具合に注目してみると、その違いが分かる。これは浮揚した物体の重量は霊媒に掛かるというクローフォード博士の説を裏付けている。
 6ではサンデーピクトリアル紙のバーナード・グレイ氏の前にテーブルが見える。グレイ氏がやや前屈みになっているのは、その直前にテーブルが氏の頭部や肩の辺りで『踊っていた』からである。
 別の実験では、浮揚しているテーブルの周りを、同じく浮揚したメガホンがトントンと叩いて回ったことが何度かある。テーブルが本当に浮いていることを示す為である。
 なお、クローフォード博士は機械工学の専門家であるが、1917年から四年間も、家族全員が霊媒能力を持つゴライヤー家の六人、いわゆる『ゴライヤーサークル』を実験対象とした研究で数多くの心霊法則を科学的に立証している。その一つが、浮揚した物体の重量の58%が霊媒に掛かり、残りは列席者その他に掛かる、というものだった。
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 5 メガホン現象
 心霊評論家コリン・エバンズ氏の報告ー

 『1939年2月27日、日曜日。私はジャック・ウェバーによる物理実験会に出席した。
 列席者の中で霊媒と個人的に通じ合えそうな人物、或は霊媒と共謀詐術をしそうな間柄の者といえば、エドワーズ氏と、ウェバー氏の義父(奥さんの父親)の二人だった。
 そこで二人は霊媒から一番遠く離れた位置に席を取ってもらった。私は霊媒から四つ目の、ドアの側に席を取った。今回は赤色光も使用せず、暗闇の中で行われた。
 私は霊媒の腕と足首の縛り具合を特に念入りに調べた。二人の男性が縛ったせいで、結び目の固さとロープの締め具合はまずもって奇術的なトリックの入る余地はなく、一度抜けたら二度と元通りには戻せないと思われた。ロープが皮膚にかなり食い込んでいる。しかも足首がしっかりと椅子に縛り付けられているので、両手足とも関節から上の筋肉は絶対に動かせない。
 さらに私は、それと気づかれないように、二本のロープが前腕の下で交差している部分の、その交差の角度を正確に見届けておいた。仮に霊媒がその腕を抜いて再び元通りに突っ込んでも、その交差角度を正確に元のままに留めておくには、目で見ながら両手を使わないことには、絶対に出来ない。霊媒一人では照明下でも出来ないし、他の誰かが手を貸すにしても、暗闇の中では不可能である。
 霊媒が椅子に縛り付けられるに先立って、霊媒の上着の打ち合わせ部分がぴったりと縫い合わされた。これを脱ぐには、仮に両手が自由に使えても、まずその縫い目を解かなくてはならない。わたしはその縫い目を細かく点検し、その念の入れ具合を確認した。縫い合わせた糸の余りを何個かのボタンに巻き付けてあり、縫い目を解こうとすれば糸が切れる仕掛けになっている。実験の終了後にその縫い目をハサミで切り解くのにも、数分を要している。
 さて、ライトを消すと同時に、二本のメガホンによる最初の現象が起き始めた。『同時に』というのは、高速度カメラをいじくったことのある私の判断では、十分の一秒程度の間隔と思って頂けばよい。長さ二フィート程のメガホンには、暗闇でも見えるように蛍光塗料がたっぷり塗ってあり、霊媒が手を伸ばしても届かない位置に置いてあった。
 まずその内の一本がすごいスピードで上昇し、一瞬の間隔を置いて、もう一本も上昇して、二本が一緒に動き回る。その動きの方向、角度、小さい方の口(ここには塗料は塗っていない)の位置等が他の部分の塗料の輝きで明瞭に確認出来た。
 二本はまず広い方の口を上にして三フィート程上昇し、そこで水平になり、小さい方の口を霊媒の方向へ向けたまま、霊媒から七、八フィートの間隔の所で自在な動きを見せる。時にはくるっと向きを逆にして、広い口を霊媒の方へ向けることもあったが、これはいかなる道具を使っても人間業では絶対に出来ない芸当だった。
 その間、私も含めて列席者全員が身体のどこかを何べんもメガホンで叩かれた。はっきりと感じる程叩かれた。私も頭と胴を叩かれた。会の後半には十二、三フィートもある天井まで上昇して、その中心部を叩いたり左右に分かれて壁を叩いたりした。その時の両者の距離と高さを考えると、人間がたとえ自由に動いて椅子とか台を使っても、一人では絶対に出来ない芸当だった。
 現象が起きている最中に度々『ライト!』の声がして、即座にスイッチが入れられた。明るくなった部屋で、メガホンが相当なスピードで床へ向けて降下するのが見えた。支えを失って落下するのではない。そして、床に降りても少しの間(時には三十秒程も)軽い動きを続けている。惰性で転がっているのではない。広い方の口を下にして、ピョンピョンと跳び回ったのである!
 そういう調子で突然ライトがつけられる度に霊媒に目をやったが、相変わらずロープでしっかりと縛られていて、結び目にもロープの交差の角度にも変化がなく、入神中の霊媒によく見かけられるように身体をよじることもしないことが確認された。その状態の中で、一秒の何分の一かのスピードでメガホンが動き回ったのである。』
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 6 霊の物質化現象
 残念ながらジャック・ウェバーの実験会では、資料としての利用価値のある物質化現象は起きていない。手先だけの物質化といった小さいものはあったようであるが、それも写真には撮れていない。こうしたことは霊媒の体質にもよるし、霊界の技術者の得意・不得意もあり、サークルの状態にもよるので、なぜかを一概に言うことは出来ない。
 近代における物質化現象、特に実験を目的とした交霊会での現象で有名なのは、何といってもウィリアム・クルックス博士による実験会に出現したケーティ・キングと名乗る女性霊の物質化現象で、博士が世界的に有名な科学者であったことと、44枚もの写真にその霊姿が収められたことで、世界的な話題となった。
 博士は19世紀半ばから20世紀初頭にかけて世界的にその名を轟かせた、生化学・物理学の権威である。三十歳で名誉ある王立協会員に選ばれ、その後は同協会、化学協会、電気技術者協会、英国学術協会等の会長を歴任している。 学者としての業績をみても、タリウムの発見、スピリサリコープ、クルックス管等の発明、学術誌『ケミカルニューズ』を創刊、季刊誌『クォータリー・ジャーナル・オブ・サイエンス』の編集長を務めるなど、押しも押されもしない第一級の学者としての地位を築いていた。1897年にはナイト爵に叙せられ、卿(サー)の呼称を許されている。
 それほどの人物だっただけに、博士が心霊現象を本格的に研究してみると公言した時の反響は大きかった。博士を科学界の大御所として尊敬してやまなかった人達の間には、失望と動揺が広がった。特にフランスのノーベル賞学者シャルル・リシェとポーランドの心理学者ジュリアン・オショロビッツは「博士ともあろうお方が何ということを!博士は大変な過ちを犯された」と思って落胆したという。
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 一方、ジャーナリズム界はこぞって博士の勇気ある選択を賞賛した。が、その賞賛の裏には、これで心霊現象のペテンが暴かれるであろうとの一方的な期待があった。そして、その期待は見事に裏切られることになる。博士の研究結果は心霊現象の実在を100%肯定する内容だったからである。
 それに対する反応は様々だった。王立協会はその研究報告を協会の機関誌に掲載することを拒否した。ジャーナリズム界は「誰か別の人にもう一度研究してもらわないと・・・」と妙な言い訳をした。そして科学者の中には、自らも霊媒を使って実験してみる人が続出した。リシェとオショロビッツも参加した。そして、後に二人とも『パーテル・ペッカビ』(神様、私が間違っておりました)という懺悔の言葉を吐いている(リシェ『心霊研究三十年』)。
 私が博士の研究を格別に重要視するのは、このように博士の態度に思い込みの偏見がなく、真に学者的で正々堂々としていたこと、その研究成果を、学者としての名声への影響を案ずることなく、有るがままを学界誌『クォータリー・ジャーナル』に連載して批判を仰いだこと(それが後に『スピリチュアリズムの現象の研究』として刊行された)、この二つの他に、次の事実を重大視するからである。
 それは、四年間にわたって何度も出現していたキング霊が、ある日
 「これで私の使命も終わり、もう一段高い世界へ参りますので、これ以後は二度と出られなくなります」
と言い残して消えたきり、その言葉通り、二度と姿を見せることがなかったことである。なぜそれがそんなに重大なことなのか。

●計画性と秩序
 それを説明するには、そもそもスピリチュアリズムとは何かを解説しなければならないが、それは次章で本格的に扱うことにして、とりあえずここでは、過去幾十世紀もの間に繰り返されてきた人類同士の闘争と、それに伴う環境破壊、長年にわたる敵対感情(怒り・怨み・憎しみ)が生み出す悪想念が地球のオーラを著しく汚染している由々しい事態に鑑みて、これに歯止めをかけると同時に、人間本来の霊性に目覚めさせるー英語で言えばスピリチュアライズするーことを目的として、地球規模の大霊団が組織され、地球神界からの指令によって人間生活のあらゆる側面ー宗教・科学・政治・医学等々ーの浄化活動が推進されている、というふうに認識して頂けばよい。
 そうなると、当然そこには計画性と秩序の存在が予想される。ケーティ・キングが「これで私の使命は終わりました」と述べたことは、キング霊はその大規模な計画の一端を担って出現していたことを物語っている。情的な願望から勝手に出て来たのではなかったということである。当時の科学界を代表する第一級の学者との取り合わせは、スピリチュアリズム史上のみならず、人類史上における圧巻といってよいであろう。紹介した写真はそれをいみじくも象徴しているように思える。
 このことに関連してもう一つ言わせて頂きたいのは、この計画性と秩序というものを物差しとして心霊界の動きや産物を判断すれば、大体その本性、つまり本物か偽物かの見分けがつくということである。
 例えば、高級霊団の支配下で仕事をする霊媒や霊能者が、常識を超えた法外な金銭を要求するものだろうか。教祖や幹部が男女間のモラルに反することをやっていて、それを高級霊団が見逃すものだろうか。神話や伝説の人物や歴史上の著名人が次々と出現して、原稿用紙にして何枚にもならない、しかも支離滅裂なことを、ペラペラと喋るものだろうか・・・そう判断していけばよいのである。

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