死にたい自殺サイト自殺方法自殺ダメ

当サイトは、死にたい人に自殺に関する霊的知識を与えて、自殺を止めさせる自殺防止サイトです。

自殺の霊的知識へ

カテゴリ:★『霊との対話』 > アラン・カルデック 普通の霊

アラン・カルデック 普通の霊 目次

荒くれ労働者一家に生まれた人生の意味-アナイス・グルドン夫人

死の直前に起きた驚くべき現象-サン・ポール公爵

苦しみの世界から解き放たれた時の幸福感-エリック・スタニスラス

永遠のただ中で生きる喜び-ヴァン・デュルスト氏

エレーヌ・ミシェル嬢-突然死亡した女性

ジョゼブ・ブレ-孫娘に招霊された男性

エマ嬢-火事に遭って亡くなった女性

モーリス・コントラン-胸の病気で亡くなった一人息子

優しい性格、高貴な精神が特徴的な女性だったが、1860年に、大変若くして亡くなった。
 サン・テチエンヌの近くの、石炭の鉱山で働く労働者一家に生まれたが、そのことが、彼女の霊としての立場に大きな影響を与えた。

ー招霊します・・・。
 「はい、私です」
ーあなたの旦那様とお父様のお願いがあったので、こうして招霊させて頂きました。お二人共、あなたからのメッセージが得られれば、大変喜ばれるでしょう。
 「私自身も、メッセージをお送り出来れば、たいへん幸せです」
ーあなたは、家族から本当に愛されていたのにもかかわらず、どうしてそんなに若くして天に召されたのですか?
 「私の地上での試練が終わったからです」
ー家族のところに行くことはありますか?
 「ええ、しょっちゅう行っています」
ー霊として幸せですか?
 「私はとても幸せです。私は、希望を持ち、期待し、愛しているからです。天国には不安というものがありません。私は、確信と愛に満たされて、背中に白い羽が生えるのを待っているのです」
ー羽とはどういう意味ですか?
 「浄化を果たし、まばゆいばかりの天の使者になるということです」

 [天使の背中に生えた羽は、勿論、天使の移動の速さを表す為の象徴でしかない。というのも、天使はエーテルで出来ている為に、空間を自由に移動することが出来、羽のようなものは実際には必要としないからだ。しかし、天使達が人間の前に姿を現す時は、人間の思いに応える為に、羽をつけた姿をとるのである。それは、別の霊達が、家族の前に出てくる時に、家族に分かり易いように生前の姿をとるのと同じことである]

ーあなたのご両親に何かしてもらいたいことはありますか?
 「あまりにも深く私の死を惜しんで、私を悲しませないで頂きたいのです。私は本当にいなくなってしまったわけではなく、それは両親も知っているはずです。両親に対する私の思いは、優しく、軽やかで、芳香を放っています。私の地上でのあり方は、一輪の花のようなものでした。花が早く散ったとしても、悲しむことはないのです」
ー今のあなたの言葉は非常に詩的で洗練されています。地上で一介の労働者だった人の言葉とはとても思われないのですが。
 「それは、話しているのが私の魂だからです。私の魂は過去世で様々なことを学んできました。
 神様は、時に、繊細な、極めて女性的な魂を、荒くれ男達の間に送り込むことがあります。そうして彼らに繊細さということを学ばせるのです。もっとも、彼らには直ぐには分からず、繊細さを身につけるには時間がかかりますが」

 神が人間に対して持っている慈しみがどのようなものであるかが、以上の、極めて論理的な説明からよく分かる。そうした説明を聞かないと、一見、異常とも思える事態を正確に理解することは出来ないかもしれない。
 それにしても、荒くれた労働者達の間で育てられたにもかかわらず、この女性霊の話す言葉が極めて詩的で優美であることには、全く驚かされる。この場合とは反対のケースもしばしば見られる。つまり、未熟な霊が、最も進化した霊達の間に生まれることもあるのである。この場合には、目的は逆である。進化した人々の間で育つことによって、未熟な霊が向上していくことを、神は願っておられるのである。また、それが進化した人々に対する試練である、ということも有り得る。
 そうしたことを、これほど的確に説明出来る哲学大系が、霊実在主義以外にあるであろうか?

1860年に死亡。
 パリ霊実在主義協会のメンバーである妹の要請によって、1861年5月16日に招霊した。

ー招霊します・・・。
 「はい、私です」
ーあなたの妹さんの要請によって招霊させて頂きました。妹さんご自身も霊媒ですが、まだ訓練が足りない為に自信がないようなのです。
 「最善を尽くしてお答えいたしましょう」
ー妹さんは、まず、あなたが幸福であるかどうかを知りたがっています。
 「現在、私は遍歴中です。そして、この中間的な移行期にあって、完全な幸福を得ているわけでもないし、また、罰を受けているわけでもないのです」
ー自分を取り戻すまでに時間は長くかかりましたか?
 「長い間混乱しておりました。ただ、私を忘れずにいて祈ってくださった方々がいたので、混乱状態から抜け出ることが出来ました。この方々には本当に感謝しております」
ーその混乱がどれくらい続いたか覚えていますか?
 「いいえ、覚えておりません」
ー既に亡くなっているご家族のうちで、まずどなたにお会いになりましたか?
 「父と母です。私が目覚めた時に側にいてくれました。新しい生活に慣れるよう案内してくれたのです」
ー病気によって死期が近づいた時、あなたは既に、地上にいない人々とお話をされていたようですが、どうしてそのようなことが起こったのですか?
 「死ぬ前に、自分がこれから行くことになっているあの世についての啓示を得たのです。死ぬ直前には、霊が見えるようになっていました」
ー死ぬ前には、幼年期のことが特に記憶に戻ってきていたようですが、それはなぜなのですか?
 「人生の最後と初めは似ているからです」
ーそれはどういうことでしょうか?
 「つまり、死に逝く人々は、人生の初期の純粋な日々を思い出し、それを再び見るということです」
ー最後の頃、あなたの体に関して、あなたは常に三人称を使って話しておられましたが、それはどうしてですか?
 「既にお話したように、私はその頃霊視が利くようになっていたので、肉体と霊とがはっきり区別出来ていたのです。勿論肉体と霊は霊子線で結ばれていますが、分離しているのがはっきりと分かったのです」

 この点において、この人の死は他の人々のそれと特に違っていた。
 最後の頃、この人は常に次のように言っていたのである。
 「彼は喉が渇いています。飲み物を与えてください」
 「彼は寒がっています。何か上にかけてやってください」
 「彼はどこそこが痛いようです」
 そして、周りの人が、「だって、喉が渇いているのはあなたでしょう?」と聞くと、「いいえ、彼です」と答えるのだった。
 肉体と霊が完全に分離していたことが分かる。[私]は霊として分離して存在しており、肉体の中にはもういない。したがって、飲み物を与えなければならないのは、肉体である[彼]にであって、霊である[私]にではない。こうした現象は、夢遊症においても観察される。

ー死後に長い間混乱していたということ、また、現在、遍歴中であるということから考えて、あなたはあまり幸せではないように思われますが。とはいえ、あなたの優れた資質からすれば、当然、幸福であってしかるべきであるように思われるのです。遍歴中の霊に、不幸な霊がいるように、幸福な霊もいるのではないですか?
 「私は移行期にあるということなのです。こちらでは、その人の徳はその本来の価値を取り戻します。そういうことで、勿論、私の境涯は、地上にいた時とは比較にならないほど素晴らしいものになっています。しかし、私は常に善と美に対して深い憧れを抱き続けてきた魂なので、神の足元に飛んでいける日が来るまでは、とても満足するわけにはいかないのです」

1863年8月、自発的な通信がパリ霊実在主義協会において受け取られた。

 「暖かい心が生き生きと感じた感情は、どれほど私達を幸福にすることでしょう!
 優しい思いは、物質界で、そして霊界で、呼吸し、生きているあらゆる存在に、救済の道を開くのです。救済力に溢れたあなた方のその香しい香りが、あなた方自身に、そして私達に、溢れんばかりに届きますように。あなた方全員を結びつける純粋な愛を見て、霊界にいるあなた方の兄弟達が、どれほど幸福に満たされるかを、どうすれば分かって頂けるでしょうか!
 ああ、兄弟達よ、あなた方は、高尚かつ単純な優しい感情、ならびに善を、これからあなた方が踏破することになっている長い道の上に、どれほど数多く蒔き続けるよう要請されているか、ご存知でしょうか?そして、それら全ての苦労に対する報いが、あなた方がその権利を手に入れるよりもずっと前に、あなた方にもたらされるのだということをご存知でしょうか?
 私は今晩の集いに最初からずっと参加しておりました。そして、全てを聞き、理解しましたので、今度は、私の方から、義務を果たすことにいたしましょう。すなわち、未熟な霊についての情報を差し上げることにします。
 よろしいでしょうか。私は幸福からは程遠い境地におりました。無限の世界、広大な世界に還り、私の苦しみもそれだけ大きなものとなり、一体どれくらい苦しいのかも分からない位になりました。でも、神は有り難い方です。私が、悪霊達には侵入することの出来ないこの聖域に来ることをご許可くださったのです。
 友人達よ、私はどれほどあなた方に感謝していることでしょう。どれほどの力をあなた方から頂いたことでしょう。
 ああ、よき人々よ、なるべく頻繁に集いを開いてください。そして勉強してください。
 こうした真摯な集いがどれほどの成果をもたらすか、とてもあなた方には想像出来ないでしょう。まだまだ沢山のことを学ばなければならない霊達、何もせずにいる霊達、怠け者の霊達、義務を忘れている霊達が、偶然から、或はその他の理由で、こうした場にやってくることがあるのです。そしてショックに打たれ、反省を始め、自分を見つめ、自分の正体を知り、到達すべき目標をかいま見、自分の置かれた辛い状況からどうすれば脱出出来るかを探求し始めるのです。
 私は、今こうして、未熟で不幸な霊の心境を伝える役目を果たしていますが、そのお陰で私は大変な幸福を感じています。というのも、私が話しかけている皆様は心の暖かい人々であり、私のことを決して拒絶なさらない、ということが分かるからなのです。
 ですから、心の広い皆様、どうか、今一度、私からの特別な感謝の気持ちを、そして、皆様がそれと気づかずに救っている数多くの霊達からの特別な感謝の気持ちを、受け取って頂きたいのです」

 霊媒の指導霊からのメッセージ:「我が子達よ、この霊は、長い間迷っていた非常に不幸な霊です。今ようやく、彼は、自分の過ちに気がつき、悔い改め、そして、ずっと無視してきた神の方に向き直りました。現在は、幸福ではないけれども、苦しみから解放されて幸福を目指している境地にいる、と言えましょう。神は、彼がここに来て学ぶことをお許しになりました。
 この後彼は、彼と同様に神の法を犯した霊達の所に行って、彼らを教育し、向上させる役目をすることになっています。それが、彼にとっての償いとなるのです。その後で、彼は天国の幸福を得ることになるでしょう。なぜなら、それを彼が望んだからです」

元公務員。1863年、アンヴェールにて、八十歳で死亡。
 氏の死後、少ししてから、霊媒が氏の指導霊に「氏を招霊したい」と申し出たところ、次のような返事が来た。

 「この霊は、徐々に死後の混乱から脱しつつあります。そろそろ招霊に応じることは可能だと思いますが、恐らくそれはかなりの苦痛を引き起こすことになるでしょう。ですから、あと四日程待って頂きたいのです。四日後に、あなた方のお気持ちを彼に伝えましょう。きっと友人として招霊に応じてくれるはずです」

 四日後に、氏の霊が降りてきて次のように語ってくれた。

 「友よ、今回の私の人生は、永遠の収支決算表の中ではほんの僅かな重みしか持っていません。とはいっても、不幸というわけでは全くないのですよ。私は現在、慎ましい状況に身を置いております。悪いことは殆どしなかったけれども、かといって、善いことをしたわけでもなかったからです。ささやかな世界で幸せになる人がいるとすれば、それが私であると言ってよいでしょう。
 後悔することがあるとすれば、たった一つ、あなた方が現在知っていることを生前知らなかったということだけです。それを知っていれば、死後の混乱はもっと軽いものになっていたでしょう。知らなかった為に、かなり大変でした。生きているのか生きていないのか、分からない状態に陥ったからです。
 自分の体が見え、それに強く執着しているのだけれども、その体を使うことが出来ない。愛する人達が見えるのだけれども、その人達と自分を結びつける絆が消えていく。なんと恐ろしいことでしょう。ああ、本当に残酷な瞬間でした。
 麻痺状態に陥り、そして意識の闇が来る。次の瞬間には虚無の感覚に襲われます。[私]という感覚はあるのですが、それをちゃんと取り戻すことが出来ない。もう存在していないようにも思われるし、一方では存在しているのが分かる。でも深い混乱の中にある。その後、どれほど続くのか分からない期間、どんよりした重苦しい苦悩に包まれる。無限とも思われる、そうした時間が過ぎると、最早感じる力も残っていない。
 それから徐々に生まれ変わるのです。つまり、新しい世界の中で目を覚ますということです。もう肉体はなく、地上の人生が終わる、すなわち、不滅の生命を得るのです。周りには、肉体を持った人間は一人もいません。軽やかな形態の人間、すなわち霊人達が、自分の周りに、あらゆる方向に見えます。しかし、その数は無限なので、全ての霊人を目で捉えることは出来ません。目の前の空間は、思い一つで移動することが可能です。周りにいるどのような存在とも、思いを交わすことが出来ます。
 ああ、友よ、何という新たな人生、何という輝かしい人生でしょう。何という喜びでしょうか。何という救済、何という救い、永遠のただ中で生きられるとは!
 私をかくも長い間縛り付けていた地上よ、さらば!私の魂の本性からかくもかけ離れている地上よ、さらば!もうお前には用はない。お前は流刑の地、そこにはいかなる幸福もないに等しい。
 しかし、もし私が霊実在論を知っていたならば、あの世へのこの移行は、もっと遥かに簡単で、快適なものとなっていたはずなのです。後になって、肉体から魂が分離する時になってようやく知ったことを、死ぬ前に知っていたならば、私の魂はもっと楽に体から離れることが出来たでしょう。
 あなた方は霊実在論を伝え始めてしますが、まだまだ充分ではありません。私の息子にも教えて頂きたいのです。どうか教えてあげてください。そして、彼がそれを信じ、啓発されたら、どれほどよいことでしょうか。そうなった暁には、彼がこちらに来た時に、離れ離れにならずに済むのです。
 それでは、皆さん、さようなら。友人達よ、さようなら。私はこちらの世界で皆さんをお待ちしています。そして、皆さんが地上にいる間、こうして時々降りてきては、皆さんの側で一緒に勉強するつもりです。というのも、私は、まだ、皆さんと比べても大したことを知っているわけではないからです。
 もっとも、こちらには移動を邪魔するものは何もないし、力を奪う加齢ということもないので、どんどん学びは進むとは思いますが、こちらでは、のびのびと生き、自由に進化出来ます。遥か彼方には、本当に美しい地平線が広がっており、どうしてもそちらへと行きたくなるのです。
 それでは、これで、さようなら」

↑このページのトップヘ