『近代の霊魂学[スピリチュアリズム]』より抜粋。

 スピリチュアリズムとは何か

 霊界から人間界への働きかけにも色々ある。大きく分ければ、物理的なものと精神的なものの二種類である。
 家具等の大きな物体が動いたり、小間物が部屋中を飛んだり、人体が宙に浮いたり、家屋全体が揺すられたりするのを物理的現象、ないしは客観的現象と呼ぶ。これには当然、騒々しい音がつきまとうので、英語では「騒々しい霊」という意味のpoltergeist(ポルターガイスト)という用語で呼ぶこともある。語源がドイツ語であることも、こうしたものが世界中どこでも昔からよく起きていたことを物語っている。
 これとは対照的に、霊の姿が見えたり声が聞こえたり、その霊からのメッセージをインスピレーション的にキャッチして文字で書いたり語ったり、或は霊が直接人体に乗り移って語ったりするものを精神的現象、ないしは主観的現象と呼ぶ。
 物理的現象を目的として霊媒を使用して行う催しを物理的心霊現象実験会、略して心霊実験と呼ぶが、その催しでの圧巻は霊がエクトプラズムという半物質体を纏って生前そのままの姿で出現するもので、英国の世界的生化学者ウィリアム・クルックス博士の実験室(生化学の実験室をそのまま心霊実験に使用した)に出現したケーティ・キングと名乗る女性霊は、品のいい美人であった上に、それが44枚の写真に収められたことで、スピリチュアリズム史上空前絶後の貴重な資料として遺されている。
 精神的現象を人為的に実験するものとして「招霊実験会」というのがある。文字通り霊を招いて霊媒の発声器官を使って語ってもらうもので、出席者の身内の者だったり、歴史上の著名人だったり、他の国籍ないしは民族の者だったりする。
 三千年前、即ちイエスより千年も前に地上生活を送ったというシルバーバーチ霊は、地上時代の本名も国籍も明かさないまま、モーリス・バーバネルという霊媒の口を使って、毎週一回、実に六十年にわたって、平易でありながら深遠な霊的教訓を語り続けた。