ケートには霊視能力があったようで、空中に何やら人影のようなものがあるのを感じ取っていた。そこでその影に向かって、わざと音を出さずに親指と人差し指を合わせて鳴らす仕草をしてみた。すると音が返ってきた。そこで母親に
「ママ、見て、ほら!」と言って、さっきと同じ仕草をしたところ、その仕草の回数だけ空中で音がする。それを見て母親はその「鬼さん」にはケートの言葉が聞こえ、さらに自分達の姿が見えていることに、あるものを直感して叫んだ。
「十回鳴らしてみて!」
すると間違いなく十回続けて音がした。さらに聞いた。
「娘のマーガレットの年齢は?」
十二回鳴った。
「じゃ、ケートは?」
九回鳴った。どちらも正確である。一体何者だろうか。自分の想念がこだましているのだろうかと考えたが、それは次の質問と返答が打ち消した。
「私の子供は全部で何人?」
七つ鳴った。六人しかいないのに、これは間違いだと思った。そこで
「もう一度鳴らしてみて?」と頼むと、やはり七回鳴った。その時母親の脳裏をよぎるものがあった。そこで尋ねた。
「七人とも生きているの?」
これには何の返答もない。
「じゃ、生きているのは何人?」
これには六回鳴った。
「死んだ子供は何人?」と訊くと一回だけ鳴った。
確かにフォックス夫人は幼い子供を一人亡くしている。この返答には明らかに知性がある。自分の妄想ではない。となると・・・と考えて
「あなたは人間なの?」と聞いたみた。
返事がない。地上に生きている人間ではないということだろうか。そう思ってさらに尋ねた。
「じゃ、霊(スピリット)なの?」
肯定するかのような響きの叩音(ラップ)が鳴った。ここで夫人は事の重大さを直感して、第三者に立ち会ってもらおうと考えた。そこで尋ねた。
「近所の人達を呼んでもいいかしら?」
「いい」と言わんばかりのラップが鳴った。
「ママ、見て、ほら!」と言って、さっきと同じ仕草をしたところ、その仕草の回数だけ空中で音がする。それを見て母親はその「鬼さん」にはケートの言葉が聞こえ、さらに自分達の姿が見えていることに、あるものを直感して叫んだ。
「十回鳴らしてみて!」
すると間違いなく十回続けて音がした。さらに聞いた。
「娘のマーガレットの年齢は?」
十二回鳴った。
「じゃ、ケートは?」
九回鳴った。どちらも正確である。一体何者だろうか。自分の想念がこだましているのだろうかと考えたが、それは次の質問と返答が打ち消した。
「私の子供は全部で何人?」
七つ鳴った。六人しかいないのに、これは間違いだと思った。そこで
「もう一度鳴らしてみて?」と頼むと、やはり七回鳴った。その時母親の脳裏をよぎるものがあった。そこで尋ねた。
「七人とも生きているの?」
これには何の返答もない。
「じゃ、生きているのは何人?」
これには六回鳴った。
「死んだ子供は何人?」と訊くと一回だけ鳴った。
確かにフォックス夫人は幼い子供を一人亡くしている。この返答には明らかに知性がある。自分の妄想ではない。となると・・・と考えて
「あなたは人間なの?」と聞いたみた。
返事がない。地上に生きている人間ではないということだろうか。そう思ってさらに尋ねた。
「じゃ、霊(スピリット)なの?」
肯定するかのような響きの叩音(ラップ)が鳴った。ここで夫人は事の重大さを直感して、第三者に立ち会ってもらおうと考えた。そこで尋ねた。
「近所の人達を呼んでもいいかしら?」
「いい」と言わんばかりのラップが鳴った。