うぬぼれ・虚栄心・野心・利己心が禍いしているケース
●タイタニック号事件で他界した男性
地上時代の趣味や関心事が軽薄だった人間ーうぬぼれや虚栄心、野心、利己心といったものに支配されていた人間は、そうした低級な意識から脱して人の為に自分を犠牲にする行為を通して愛と同情心に目覚めるまでは、他界後もずっと地球圏に留まっているケースが少なくない。
その種のスピリットが我々のサークルで招霊されて、高級意識が目覚めるということがよくある。
上流社会の軽薄で豪華な生活のさ中で他界した一人として、1912年のかの有名なタイタニック号事件で他界した男性の場合を紹介しよう。
1916年10月22日
スピリット=ジョン・J・A
まずステッドが出て簡単な事情を説明した後、別の霊がまるで海に投げ出されて必死に助けを求めているような状態で出現した。
スピリット「助けてくれ!助けてくれ!」
博士「どちらから来られましたか」
スピリット「今ここを出て行った人が、ここに入れと言うものですから来ました」
博士「海の中にいたのですか」
スピリット「溺れたのです。でも、また息を吹き返しました。今の方の姿は見えないのですが、声だけは聞こえました。『ここに入りなさい。そのあと一緒に行きましょう』と言ったのです。ですが、どこにいるのか分かりません。目が見えなくなってしまった!何も見えない!海の水で目をやられたのかも知れませんが、とにかく見えません」
博士「それは霊的な暗闇のせいですよ。死後にも生命があることを知らずに肉体から離れた人は、暗黒の中に置かれるのです。無知が生む暗黒です」
スピリット「今、少し見えるようになりました。少し見えかけては、すぐまたドアが閉められたみたいに真っ暗になるのです。妻と子供のそばにいたこともあるのですが、二人共私の存在に気がつきませんでした。今はドアが開いて、寒い戸外に閉め出されたみたいな感じです。我が家に帰っても孤独です。何かが起きたようには感じてますが、どうしてよいのか分かりません」
博士「ご自分が置かれている事情がお分かりにならないのですか」
スピリット「一体、私に何が起きたのでしょうか。この暗闇は何が原因なのでしょうか。どうしたら脱け出せるのでしょうか。自分のことがこんなに思うようにならないのも初めてです。いい感じになるのは、ほんの一時です。今、誰かの話し声が聞こえます。おや、さっきの方が見えました。ステッドとおっしゃってましたね?」
博士「そうです。あなたが来られる前にステッドさんが、その身体で挨拶されたのです。あなたをここへご案内したのは、ステッドさんですよ。ここに集まっている者は、あなたのように暗闇の中にいるスピリットに目を覚まさせてあげる仕事をしているのです」
スピリット「ひどい暗闇です。もう、ずいぶん永い間この中にいます」
博士「いいですか、『死』というものは存在しないのです。地上で始まった生命は肉体の死後も続くのです。そして、そのスピリットの世界では、人の為に役立つことをしないと幸せになれないのです」
スピリット「たしかに、私の生活は感心しなかったと思います。自分の為にだけ生きておりました。楽しいことばかり求めて、お金を使い放題使っておりました。このところ、自分が過ごした生活ばかり見せられております。見終わると真っ暗になります。それはそれはひどい闇です。過去の生活の一つ一つの行為が目の前に展開し、逃げ出そうとしてもダメなのです。ひっきりなしにつきまとって、なぜこんなことをしたのかと責め立てます(注)。たしかに、今思うと、わがままな選択ばかりしていたことが分かります。ですが、後悔先に立たずで・・・」
(注 守護霊を含む高級霊が意図的に行うもので、反省と改心の余地のある霊に限られる)
博士「地上で自分本位の生活ばかりしていた人は、大抵霊界へ行ってから暗闇の中に置かれます。あなたは、これから霊界の素晴らしい側面を勉強して、人の為に役立つことをすることが、スピリットの世界の大原則であることを理解しないといけません。その時に味わう幸せが『天国』なのです。天国とは精神に生じる状態の一つなのです」
スピリット「なぜ、そういうことを地上で教えてくれないのでしょうか」
博士「そんな話を地上の人間が信じるでしょうか。人類は、一握りの人を除いて、大体において霊的なものを求めず、他のこと、楽しいこととお金になることばかり求めます。霊的真理は求めようとしないものです」
スピリット「なんとなく奇妙な感じが、ジワジワと迫ってくるみたいです。おや、母さん!母さんじゃないの!僕はもう大人なのに、なんだか子供に戻ったみたいな感じがする。ずいぶん探したけど、僕はずっと暗闇の中で生活していて・・・。なぜこんなに見えないのでしょう?この目、治ると思いますか、母さん?このままずっと見えないままですかね?母さんの姿は見えるのに、それでも盲目になったような感じがするのは変だと思わない?」
博士「あなたは肉体がなくなって、今は霊的な身体に宿っているのです。だから、その霊体の目が開けば霊界の美しいものが見えるようになるのです」
スピリット「あそこにステッドさんがいるのが見えます。同じ船に乗り合わせた方です。なのにステッドさんは暗闇にいるように見えませんが・・・」
博士「あの方は、地上にいた時から霊界のことや、こうして地上へ戻ってこれることを、ちゃんと知っておられたのです。人生というのは学校のようなものです。この地上にいる間に、死後の世界のことを出来るだけたくさん知っておかないといけないのです。霊界へ行ってから、辺りを明るく照らす光になってくれるのは、生命の問題について地上で学んだ知識だけなのです」
スピリット「そういうことを、なぜ誰も教えてくれなかったのでしょうか」
博士「では、もし誰かがあなたにそんな話をしていたら、あなたはそれを信じたと思いますか」
スピリット「私が付き合った人の中には、そういう知識をもった人はいませんでした」
博士「今年は何年だと思いますか」
スピリット「1912年です」(タイタニック号が沈没した年)
博士「実は1916年なのです」
スピリット「では今まで、私はどこに行ってたのでしょう。お腹は空くし、寒くて仕方がありませんでした。お金はたっぷりあったのです。ところが最近は、それを使おうと思っても手に取れないのです。時には暗い部屋に閉じ込められることもあります。その中で見せられるのは、過去の生活ばかりなのです。
私は、決して悪いことはしておりません。ですが、いわゆる上流階級の人間がどんなものかは、あなたも多分ご存知と思います。私はこれまで『貧しい』ということがどういうものかを知りませんでした。これは私にとって、まったく新しい体験でした。なぜ世の中は、死ぬ前にそれを思い知らされるようになっていないのでしょうか。地上で思い知れば、私のように、今になってこんな苦しい思いをせずに済むでしょうに・・・」
博士「お母さんやお友達と一緒に行って、その方達が教えてくださることをよく理解してください。そうすれば、ずっと楽になります」
スピリット「ステッドさんの姿がはっきり見えます。あの方とはタイタニック号で知り合ったのですが、お話を聞いていて、私には用の無い人だなと思っておりました。年齢もかなりいっておられたようでしたので、霊的なことを趣味でやっておられるくらいに考えたのです。人間、年齢を取ると、一つや二つの趣味を持つものですからね。
私には、そんなことに興味をもっている余裕はなかったのです。お金と、お付き合いのことしか関心がありませんでした。貧しい階級の人に会う機会がありませんでしたし、会う気にもなりませんでした。今はすっかり考え方が変わりました。ところが、こちらはお金に用のない世界です。
母が私を待ってくれています。一緒に行きたいと思います。何年も会っていないものですから、嬉しいです。母が言ってますーこれまでの私は、気の狂った人間みたいに、まったく言う事を聞かないで、手の打ちようがなかったのだそうです」
博士「お名前を伺いたいのですが」
スピリット「ジョン・J・Aと申します。皆さん方との縁を嬉しく思います。お心遣いに深く感謝いたします。今やっと、これまで思いもよらなかったものが見えるようになり、聞こえるようになり、そして理解できるようになりました。母達が迎えにやってきました。あの奇麗な門を通り抜ければ、きっと私にとっての天国へ行けるのでしょう。
改めて、皆さんにお礼を申し上げます。いつの日か、もう一度戻って来れることを期待しております。
さようなら」
●タイタニック号事件で他界した男性
地上時代の趣味や関心事が軽薄だった人間ーうぬぼれや虚栄心、野心、利己心といったものに支配されていた人間は、そうした低級な意識から脱して人の為に自分を犠牲にする行為を通して愛と同情心に目覚めるまでは、他界後もずっと地球圏に留まっているケースが少なくない。
その種のスピリットが我々のサークルで招霊されて、高級意識が目覚めるということがよくある。
上流社会の軽薄で豪華な生活のさ中で他界した一人として、1912年のかの有名なタイタニック号事件で他界した男性の場合を紹介しよう。
1916年10月22日
スピリット=ジョン・J・A
まずステッドが出て簡単な事情を説明した後、別の霊がまるで海に投げ出されて必死に助けを求めているような状態で出現した。
スピリット「助けてくれ!助けてくれ!」
博士「どちらから来られましたか」
スピリット「今ここを出て行った人が、ここに入れと言うものですから来ました」
博士「海の中にいたのですか」
スピリット「溺れたのです。でも、また息を吹き返しました。今の方の姿は見えないのですが、声だけは聞こえました。『ここに入りなさい。そのあと一緒に行きましょう』と言ったのです。ですが、どこにいるのか分かりません。目が見えなくなってしまった!何も見えない!海の水で目をやられたのかも知れませんが、とにかく見えません」
博士「それは霊的な暗闇のせいですよ。死後にも生命があることを知らずに肉体から離れた人は、暗黒の中に置かれるのです。無知が生む暗黒です」
スピリット「今、少し見えるようになりました。少し見えかけては、すぐまたドアが閉められたみたいに真っ暗になるのです。妻と子供のそばにいたこともあるのですが、二人共私の存在に気がつきませんでした。今はドアが開いて、寒い戸外に閉め出されたみたいな感じです。我が家に帰っても孤独です。何かが起きたようには感じてますが、どうしてよいのか分かりません」
博士「ご自分が置かれている事情がお分かりにならないのですか」
スピリット「一体、私に何が起きたのでしょうか。この暗闇は何が原因なのでしょうか。どうしたら脱け出せるのでしょうか。自分のことがこんなに思うようにならないのも初めてです。いい感じになるのは、ほんの一時です。今、誰かの話し声が聞こえます。おや、さっきの方が見えました。ステッドとおっしゃってましたね?」
博士「そうです。あなたが来られる前にステッドさんが、その身体で挨拶されたのです。あなたをここへご案内したのは、ステッドさんですよ。ここに集まっている者は、あなたのように暗闇の中にいるスピリットに目を覚まさせてあげる仕事をしているのです」
スピリット「ひどい暗闇です。もう、ずいぶん永い間この中にいます」
博士「いいですか、『死』というものは存在しないのです。地上で始まった生命は肉体の死後も続くのです。そして、そのスピリットの世界では、人の為に役立つことをしないと幸せになれないのです」
スピリット「たしかに、私の生活は感心しなかったと思います。自分の為にだけ生きておりました。楽しいことばかり求めて、お金を使い放題使っておりました。このところ、自分が過ごした生活ばかり見せられております。見終わると真っ暗になります。それはそれはひどい闇です。過去の生活の一つ一つの行為が目の前に展開し、逃げ出そうとしてもダメなのです。ひっきりなしにつきまとって、なぜこんなことをしたのかと責め立てます(注)。たしかに、今思うと、わがままな選択ばかりしていたことが分かります。ですが、後悔先に立たずで・・・」
(注 守護霊を含む高級霊が意図的に行うもので、反省と改心の余地のある霊に限られる)
博士「地上で自分本位の生活ばかりしていた人は、大抵霊界へ行ってから暗闇の中に置かれます。あなたは、これから霊界の素晴らしい側面を勉強して、人の為に役立つことをすることが、スピリットの世界の大原則であることを理解しないといけません。その時に味わう幸せが『天国』なのです。天国とは精神に生じる状態の一つなのです」
スピリット「なぜ、そういうことを地上で教えてくれないのでしょうか」
博士「そんな話を地上の人間が信じるでしょうか。人類は、一握りの人を除いて、大体において霊的なものを求めず、他のこと、楽しいこととお金になることばかり求めます。霊的真理は求めようとしないものです」
スピリット「なんとなく奇妙な感じが、ジワジワと迫ってくるみたいです。おや、母さん!母さんじゃないの!僕はもう大人なのに、なんだか子供に戻ったみたいな感じがする。ずいぶん探したけど、僕はずっと暗闇の中で生活していて・・・。なぜこんなに見えないのでしょう?この目、治ると思いますか、母さん?このままずっと見えないままですかね?母さんの姿は見えるのに、それでも盲目になったような感じがするのは変だと思わない?」
博士「あなたは肉体がなくなって、今は霊的な身体に宿っているのです。だから、その霊体の目が開けば霊界の美しいものが見えるようになるのです」
スピリット「あそこにステッドさんがいるのが見えます。同じ船に乗り合わせた方です。なのにステッドさんは暗闇にいるように見えませんが・・・」
博士「あの方は、地上にいた時から霊界のことや、こうして地上へ戻ってこれることを、ちゃんと知っておられたのです。人生というのは学校のようなものです。この地上にいる間に、死後の世界のことを出来るだけたくさん知っておかないといけないのです。霊界へ行ってから、辺りを明るく照らす光になってくれるのは、生命の問題について地上で学んだ知識だけなのです」
スピリット「そういうことを、なぜ誰も教えてくれなかったのでしょうか」
博士「では、もし誰かがあなたにそんな話をしていたら、あなたはそれを信じたと思いますか」
スピリット「私が付き合った人の中には、そういう知識をもった人はいませんでした」
博士「今年は何年だと思いますか」
スピリット「1912年です」(タイタニック号が沈没した年)
博士「実は1916年なのです」
スピリット「では今まで、私はどこに行ってたのでしょう。お腹は空くし、寒くて仕方がありませんでした。お金はたっぷりあったのです。ところが最近は、それを使おうと思っても手に取れないのです。時には暗い部屋に閉じ込められることもあります。その中で見せられるのは、過去の生活ばかりなのです。
私は、決して悪いことはしておりません。ですが、いわゆる上流階級の人間がどんなものかは、あなたも多分ご存知と思います。私はこれまで『貧しい』ということがどういうものかを知りませんでした。これは私にとって、まったく新しい体験でした。なぜ世の中は、死ぬ前にそれを思い知らされるようになっていないのでしょうか。地上で思い知れば、私のように、今になってこんな苦しい思いをせずに済むでしょうに・・・」
博士「お母さんやお友達と一緒に行って、その方達が教えてくださることをよく理解してください。そうすれば、ずっと楽になります」
スピリット「ステッドさんの姿がはっきり見えます。あの方とはタイタニック号で知り合ったのですが、お話を聞いていて、私には用の無い人だなと思っておりました。年齢もかなりいっておられたようでしたので、霊的なことを趣味でやっておられるくらいに考えたのです。人間、年齢を取ると、一つや二つの趣味を持つものですからね。
私には、そんなことに興味をもっている余裕はなかったのです。お金と、お付き合いのことしか関心がありませんでした。貧しい階級の人に会う機会がありませんでしたし、会う気にもなりませんでした。今はすっかり考え方が変わりました。ところが、こちらはお金に用のない世界です。
母が私を待ってくれています。一緒に行きたいと思います。何年も会っていないものですから、嬉しいです。母が言ってますーこれまでの私は、気の狂った人間みたいに、まったく言う事を聞かないで、手の打ちようがなかったのだそうです」
博士「お名前を伺いたいのですが」
スピリット「ジョン・J・Aと申します。皆さん方との縁を嬉しく思います。お心遣いに深く感謝いたします。今やっと、これまで思いもよらなかったものが見えるようになり、聞こえるようになり、そして理解できるようになりました。母達が迎えにやってきました。あの奇麗な門を通り抜ければ、きっと私にとっての天国へ行けるのでしょう。
改めて、皆さんにお礼を申し上げます。いつの日か、もう一度戻って来れることを期待しております。
さようなら」