以下の文章は、[霊との対話]という、霊的知識の書物から抜粋した文章です。また、自殺に関するその他の霊的知識は、[自殺してはならない霊的な理由]に書かれています。

 以下のメッセージは、1863年2月12日にル・アーヴルで行われた霊実在主義者の集いにおいて、自発的に降ろされた霊示である。

 「ああ、これほど長い間、これほどひどく苦しんでいる悲惨な者に、どうか哀れみを!ああ、空虚・・・・。空虚の中を落ちていく、限りなく落ちていく。ああ、助けてくれ~!
 神様、私はとても悲惨な人生を送りました。哀れな人間でした。特に、老いてからは、いつも飢えに苦しみました。だから、酒に溺れ、すべてを恥じ、すべてに嫌悪を感じていたのです・・・・。もうこれ以上、生きていたくなくなり、身を投げました。
 ああ、神様、何という恐ろしい瞬間!いずれにしても、もうすぐ死ぬはずだったのに、どうして自分から死を選んだのだろうか!?
 どうか祈ってください。もうこれ以上、空虚がのしかかることに耐えられません。このままでは体が砕けてしまいます。とうかお願いします。
 あなた方は、自殺によって地上を去った人間が、どれほどの悲惨を経験するか、よくご存知です。見ず知らずのあなた方に、こうしてお願いするのは、この苦しみに、これ以上、耐えられないからなのです。
 私が誰かという証明は必要ないでしょう。これだけ苦しんでいる、それで十分ではないですか!
 もし、私が腹をすかせていたとしたら、あなた方は、きっと私にパンを下さったことでしょう。ですから、パンをくださる代わりに、どうか祈ってください・・・・。
 もうそろそろ帰らなければなりません。近くにいる幸福な霊達に聞いてみてください。そうすれば、私が誰か分かるでしょう」

 霊媒の指導霊からのメッセージ:「わが子よ、今、あなたにメッセージを送ってきたのは、地上で悲惨な生活を送った後、全てが嫌になって、自ら命を絶った者の霊です。
 この者には勇気が欠けていたのです。そうしようと思えば高みを目指すことも出来たはずなのに、この男はアルコールに溺れていきました。彼は、絶望のどん底まで落ち込み、1857年7月22日、フランソワ一世塔から身を投げ、自らの哀れな人生に終止符を打ったのです。
 あまり進化していなかった、この哀れな男の魂に、同情してあげなさい。神に祈り、この魂に恩寵を与えてくださるようにお願いしてください。それは、あなた方にとって、よき仕事となるでしょう」

 その後、調査をした結果、1857年7月23日の新聞[ル・アーヴル]に、次のような記事が掲載されているのを見つけた。

 「昨日、4時頃、桟橋を散歩していた人々は、悲惨な事故を目撃して心を痛めた。ある男性が、塔から身を投げて、岩の上に落ち、血まみれになっているのを発見したのである。年老いた引き船人夫で、アルコール中毒の果てに自殺したものと見られている。名前は、ルーヴェ・フランソワ=シモンという。遺体は、コルドリ街の娘の住まいに運ばれた。享年67歳」

 この男が死んでから、やがて6年が経とうとしているのに、この男は、相変わらず、「塔から落ち、体が岩に激突する」という体験を繰り返している。目の前に広がる空虚を見ては、繰り返し恐れおののいているのである。体が落下する恐怖に、絶えずさらされているのだ。それも6年ものあいだである。
 それは、あとどれくらい続くのであろうか?彼には、それは全く分からず、そして、そのことが、さらに苦悩を深くしている。これは、地獄の業火の苦しみに匹敵すると言えるかもしれない。
 誰が、こうした処罰の様子を伝えてきたのか?それは誰かがでっち上げたものなのか?いや、そうではない。現実に、それらを体験し、耐え忍んでいる者達自身が伝えてきたのである。それは、しばしば、我々が思っても見ない時に、思ってもみない存在から自発的に伝えられてきた。そのことが、我々が自分自身の想像力に弄ばれているのではないことを証明している。