自殺者への祈り

七十一、
<序文>人類には決して自分の生命を放棄する権利はありません。神のみに、適当であると判断された時、地上の牢から人を連れ出すことが許されているのです。神の正義は、状況に応じてその厳格さが緩和されることもありますが、人生の試練から逃れようとした者に対する厳しさは保たれます。自殺者は、刑期を終えることなく、牢から抜け出した囚人のようなものです。再び捕えられた時には、より厳しく罰せられます。現世の惨めさから逃れようと決断し、より大きな不幸にはまってしまう自殺者にも、同じことが当てはまります。

七十二、<祈り>神よ、自分から生命の日数を短縮し、あなたの法を破った者を待ち受ける運命がどのようなものであるかを私達は知っています。しかし、あなたの慈悲は無限であることも知っています。どうか「○○」の魂にあなたの慈悲を差し伸べてください。試練が終結するまで待つ為の勇気が欠如した為、いま彼が経験している苦しみの辛辣さが、私達の祈りと神の憐れみによって和らげられますように。
 不幸な者を救済する任務を負った善霊よ、彼をあなたの保護のもとに置いてください。彼の犯した罪の重さを感じさせてあげてください。あなたの救援によって、彼の過ちを改める為に立ち向かわねばならない新たなる試練を甘受し、耐え抜く力が与えられますように。再び彼に悪を強要し、苦しみを長引かせることによって、未来における償いの結果を失わせることになる悪い霊を、彼の側から遠ざけてください。
 私達の祈りを誘った不幸の持ち主であるあなたにも、あなたの苦悩を短縮させる私達の同情をあなたが願い、よりよい未来への希望を自分の中に生み出すことが出来るように祈ります。神はあなたの手の中に存在します。神の善意を信じてください。神の胸は固くなった心に対しては閉ざし続けますが、全ての後悔に対しては開かれます。