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自殺してはならない理由


-霊界へ行ってからでもカルマを清算することが出来るのでしょうか。

 無論です。それが普通です。

-ではなぜ地上へ戻って来るのでしょうか。

 地上でしか支払えない借りがあるからです。地上の危急存亡の時に当たって何かの貢献をしたいという自発的な願望から、再生の道を選ぶのです。みんな何らかの貢献をする為に再生して来るのです。全てに計画性があるのです。

-私だったらこの地上よりそちらで償いをしたいですね!

 選択の自由は与えられています。が、忘れないで頂きたいのは、その自由意志も相対的なものであることです。やりたくても出来ないことがあり、又、どうしても選べないコースというのがあります。最終的にはあなたがそれまでに到達した霊的進化の程度が、次に取るべき手段を決定付けるからです。

 (スイスからの招待客が質問する)
-地上へ再生するまでに霊界で何年位、或いは何世紀位待つのでしょうか。1060年という説があり、男性だった者は女性に生まれ変わるというのですが、本当でしょうか。

その数字はどなたが計算されたのでしょうか。

-ある大学での講演で聞きました。

 地上に戻って来る人がいることは事実です。再生して来るわけですが、それまでの間隔は別に一定の年数が決められているわけではなく、あくまでも一つの計画に基づいてそうなるのです。
 カルマによる義務の遂行の為に戻って来る人もいれば、自発的に地上での貢献を目的として戻って来る人もいます。男性として戻って来るか女性として戻って来るかは、格別に重大なことではありません。私達の世界には性差別防止条例はありませんので!
 霊的進化の程度が唯一の基準です。男性であるか女性であるかは問題ではありません。大切なのはその人の行為です。
 又、男性と女性にはそれぞれに果たすべき役目があり、双方が一体となって完全な全体が出来上がるように、互いに補完し合うようになっているのです。互いがアフィニティであることを見つけ合うことがあるのはその為です。そうなったら二度と別れ別れにはなりません。

-戻って来ることもあり戻って来ないこともあるということですね。

 為すべき仕事があればそれをしに戻って来ます。仕事が未完のまま残されていればそれを仕上げに戻って来ます。全ては法則と秩序の問題です。ともかく地上で表現する自我は大きなインディビジュアリティのごく小さな一部に過ぎません。

-前世を思い出すのに催眠術を使用するのがブームになっております。あのような体験で教訓が学べるものでしょうか。

 学べることが皆無というわけではありません。が、そうした体験には、単に現在の自分が立派でないことから、潜在意識が立派でありたかった願望を描こうとする、一種の虚栄心の表れであることがあります。
 別のケースとして、それにカルマが絡んでいる場合があり、過去世において大きな影響を及ぼした苦難又は悲劇を現世に呼び戻し、それを意識することでカルマが消滅することがあります。これは好い結果をもたらす例です。が、それがただの取りとめもない想像に過ぎないことが多いのです。
 もう一つのケースとして、催眠状態における憑依霊の仕業である場合もあります。

-普通だったらとっくに死んでいる筈の患者が医術によって何ヶ月も生き続けている場合があるように思うのですが、こういう場合はどうなるのでしょうか。

 死ぬべき時期が来れば、いかなる医師も生かし続けることは出来ません。

-でも、そう思えるケースがよくあります。例えば最近ではアメリカの少女の霊があります。

 その子の場合、医師が死期を延ばしているという証拠はどこにあるのでしょう?私が理解している限りでは、地上の医師はまだ死期について確定的なことは分かっておりません。正確な死の瞬間について論争が続いているではありませんか。
 死の過程は生命の糸(シルバーコード)が切れて霊体が肉体を離れた瞬間をもって終了します。その時初めて〝死んだ〟と言えるのです。一旦その分離が生じたら最後、いかなる医師も肉体を蘇生させることは出来ません。

-催眠術による遡及によって過去世の証拠が得られるものでしょうか。実際にはただの霊の憑依ないしは支配に過ぎないのでしょうか。

 所謂遡及によって前世とコンタクト出来るという事実は否定しません。しかし、必ずしもそうでないところに問題があるのです。それというのも、人間の精神には莫大な可能性が秘められており、地上の人間には到底その深奥まで掘り下げることは出来ないからです。創造力もありますし、潜在的願望もありますし、霊によって憑依される可能性もあります。
 こうした要素を全て考慮に入れなくてはなりません。催眠中に体外遊離(幽体離脱)が起きて、その間の一連の記憶が印象付けられることもあります。こうした場合は過去世を思い出していることにはなりません。

-生まれ変わる時は知り合いの霊の仲間ないしは高級霊団による指示と助力を受けるということを米国の心理学者が催眠術による遡及を通じて明らかにしているのですが、これについてどう思われますか。

 地上で奉仕的な仕事に献身したいという自覚をもった霊は自発的に再生します。が、霊的真理に目覚めるまでに相当な期間を要することがあり、そうした霊の場合は守護霊や指導霊が手助けします。私はそうした問題については、所謂催眠術による遡及は頼りにならないと考えます。催眠術者は、せいぜい、前世とおぼしきものを引き出そうとしているに過ぎません。

-その米国の心理学者は被術者に再生する時に痛みとか恐怖心とかが無かったかを聞いております。

 施術者の動機がいかに真面目であっても、催眠術による前世への遡及はよくよく用心して掛からないといけません。催眠術の基本は〝暗示性〟にあります。従って施術者が述べていることは控え目に受け取らないといけません。被術者は必ずしも施術者の暗示通りに反応しているとは限らないからです。

 訳者注-ここでは催眠術がテーマとなっているが、基本的には霊能者や審神者(さにわ)についても言えることで、見当違いのことを大真面目でやっていることがあるので用心が肝要である。その弊害に陥らない為の最大の武器は、やはり、しっかりとした心霊学の知識である。
 心霊学は霊的なことについての学問であるから、霊的なことに関わる人の全てが心得ておくべきものである筈なのに、神道や仏教の当事者はもとよりのこと、霊能者、霊媒及びその審神者が基礎的な知識すら持ち合わせないことに呆れることがあるし、何と危険なことだろうと、恐ろしささえ覚えることがある。
 そうした事実を考慮して私は『霊訓』の続編である『インペレーターの霊訓』の冒頭で霊的通信の入手経路について概略を述べておいた。又インペレーターの霊言及び自動書記通信の中には霊媒及び霊能者に対する忠言、特に邪霊・悪霊・イタズラ霊の存在について言及しているものが多く見られるので、是非参考にして頂きたい。
 見た目に清潔そうに見えてもバイ菌がウヨウヨしているように、平凡な日常生活の背後にバイ菌のような霊がウヨウヨしている。問題はそうした霊に操られた霊能者や霊媒が多過ぎることである。それは最近の書店の心霊コーナーを見れば一目瞭然であろう。
 嘆かわしいことこの上ないが、これも凡人には測り知れない神の計画の一端なのかも知れないと思って諦めつつも、せめてそれが真実でないことを指摘することだけはすべきだという考えから、敢えて付言させて頂いた。事のついでであるが、私が親しくしている米国人のスピリチュアリストに最近の米国の心霊事情を尋ねたところ、英国に較べて精神的なものより現象的なものが多く、しかもいかにも米国らしくスケールの大きい催しがあるが、いかがわしいものが多いので自分は久しくそういう催しに出席していないと言い、個人的には英国のスピリチュアリズムの方が性分に合っている、とのことだった。
 その英国のサイキックニューズ紙の最新号(22・8・1987)で主筆のオーツセンが、編集手帳のようなコラムの中で面白い話を持ち出して、それに厳しい批判を加えている。
 あらましだけ拾って紹介すると、ある日オーツセンに電話でいい霊媒を紹介して欲しいという依頼があった。ワケを聞くと、エルビス・プレスリーの十周忌の記念行事としてプレスリーの霊を呼び出す為の〝国際的交霊会〟を催したいという。アメリカとオーストラリアの方は既に話がついているが、イギリスからも参加してもらいたいという。オーツセンは無論それを断ったと述べてから次のように警告している。
 「正直言って私はジャーナリストやテレビ局からのこの種の依頼にうんざりしている。名前を呼べば簡単に出て来て喋ってくれると思っているらしいが、霊との交信はそういう調子にはいかないのである。
 いかなる霊媒も、こちらから霊を呼び出すことは出来ない。あくまで霊の方から親近性と愛を掛け橋として戻って来るのである。
 依頼されればどんな霊でも呼び出してあげられると豪語する霊媒は今直ぐ霊能養成会へ行って一からやり直すしかない」