○歴史を見ますと、国民性をぶち壊す打撃があって、多くの国民が野蛮に逆戻りしています。このような場合には、どんな進歩があったのでしょうか。
「自分の家が今にも倒れそうな音を立てたら、諸君は家を壊して、別のもっと頑丈で使い易い家を建てる。しかし、それが建つまでは、不便で混乱状態が続く」
「また、次のことを理解されよ。人は貧しければ小屋に住む。富めば小屋を捨てて、宮殿に住む。すると、以前のその人のような貧しい哀れな者がやって来て、その人が捨てた小屋に入る。彼はそれ以前は宿無しだったのだが、この移動で家持ちとなる。上記の事から次のことを知りなさい、諸君のいわゆる退化した国民に今宿っている霊は、以前の盛時の国民をつくっていた霊ではない。進歩していたそれらの霊は、更に高級な住居に住む為に去り、進歩を遂げた。代わって、未熟な霊達が空き家に入ったのである、これらの霊達もまたいつの日か、家を空けることになる」

○その本質の点よりして、進歩の可能性のない民族はありませんか。
「ある。彼等は日毎に此の地上から絶滅の方向に向かっている」
-これらの民族を賦活させる魂達、その未来の図は如何なものでしょうか。
「これは全く別の魂達である。彼等は別の世界の経験を経て成熟した形でやって来る。神は誰からも後継者を奪い給うことはない」
-最も文明開化した人達も、元は野蛮人、人食い人種だったかもしれないのですね。
「諸君も左様なものであった、一度ならず、今日のようになる以前はな」

○どの民族も、個人の集合体です。それは個人と同じように、幼年・成年・老衰の過程を辿ります。これは歴史的にもその通りで、今日最も進歩した民族は、古代の進歩した民族と同じく、やがて衰退と終末の日を迎える、こう考えられませんか。
「肉体的にのみ生きている民族、つまり、勢力と領土拡張の面だけが偉大な民族は、生まれ、育ち、そして滅亡する。その民族の力が、人間の力と同じように消耗されるからである。自分に都合のよい法を振り回し、進歩と愛に敵対する民族は滅亡する。何となれば、光明は闇を破り、愛は利己を制するからである。しかしながら、個人と同じく、国民の為にも、魂のいのちというものが存在する。その国の法が永遠なる神法と調和している、そういう国民は生き残り、他国民を導く松明となる」

○進歩の暁、地上の民族は一つとなりますか。
「いや、一国民とはならない。これは不可能。と申すのは、気候が違えば習慣も欲求も違ってきて、違った国民性をつくる。その違いの故に、それに応じた法が必要となり、ここに別個の慣習と欲求をもつ国民が形成される。しかし、愛に国境はなく、皮膚の色の差別をしない。神法があらゆる地域で人間の法の基盤であれば、愛の法が国と国の間、人と人の間に行われよう。その時平和と幸福がある。その時なに人も隣人を犯すことなく、なに人も他者を犠牲にして生きることをしないからである」