○動物の中には、子供が親の保護を必要としなくなると、親子が互いを忘れてしまうものがあります。これは何故ですか。
「動物の生活とは物質的な生活であって、精神的生活ではない。母親の子に対する愛は、自分から生まれたものへの自己保存の本能、これのなせるわざである。子が一人立ち出来るようになると、母親の仕事は終る。自然もそれ以上の事を要求しない。そこで母は子を捨て去り、自分の次の仕事に没頭する」

○動物の親が子を捨てることから、次のように推断する人達がいます。人間の家族の結び付きは、大自然の法ではなくて、単に社会的習慣の結果に過ぎないと。これをいかにお考えですか。
「人間の歩む道は動物の道とは違っている。なぜ人間は動物と人間を一緒くたにしようとするのか。人間には物質への欲求以上の何かがある、即ち、進歩への渇望、これである。社会的結合、これは進歩に必要。そして家族的結合によって、社会的な結合が深められていく。この故に、家族の縁は自然法である。神は望み給うた、人間達が家族を通じて、同胞として互いに愛し合うことを学ぶようにと」

○家族の結び付きが弛めば、社会にどんな影響が及びますか。
「利己主義の退化である」