○昏睡と硬直の状態のままで、一般に患者は自分の周りに起こっていることを見たり聞いたりします。しかし、この印象を表現することは不可能です。この印象を受取っているのは肉体の目と耳なのですか。
「違います、これを受取っているのは霊の方だ。霊は意識していても、これを表現することは出来ない」
-なぜ、表現出来ないのですか。
「肉体の状況の為、霊の思い通りにならないのである。肉体器官のこの特殊の状況からして、人間とは肉体以上の何者かであるということが分かる。肉体は作動していないのに、霊の方は活動しているのであるから」

○身体硬直に陥り、霊は肉体を離れてしまい、外見上は全く死んだようになってしまったのに、霊がその後肉体に戻って住むことが出来ますか。
「身体硬直下では肉体は死んではいない。依然として、多少の肉体機能を働かせている。活力は残存しており、微々たるものだが無くなってはいない。肉体が生きている限り、霊魂は繋がっている。両者を結んでいる紐が、身体器官の死と停止によって切断されると、両者の分離が実現され、もはや霊魂は二度と肉体には戻らない。明らかに死んだように見える人間が生き返るのは、死の過程が完全に終了していなかったからである」

○適切な救助により、切れかかっている紐を更新させ、もしこの救助がなければ決定的に死んだ筈の人間に、生命を呼び戻すことは可能ですか。
「可能である、間違いなく。諸君はこの種の証拠を毎日もっている。メスメリズム(催眠術)はこのようなケースで、しばしば強力な気付けの施術を演じてみせる、それは肉体に活力液を供給するからである。この活力液をその肉体は欠いていて、そのため器官の活動がうまくいかなかったのである」