○神とは、宇宙と別個に在るものですか。また一説によると、神とは宇宙のもつ力と知の結果生じたものと言っていますが、そうですか。
「後者の説が本当とすれば、神はもはや神ではない。神が結果であって万物の原因ではないということになるから。神が結果であり、また同時に原因でもあるという筈はあるまい」
「神は実在する。これを疑ってはいけない、これが一番の基本点である。またこれ以上に出てはならない、出れば迷路に入って動きがとれなくなる、それ以上に探索しても、あるいはそれが諸君の知者としての誇りを増すことになろうとも。しかしながら諸君は本当は何も知っていないのだから、止めにした方が身のためである。神についての組織体系などは捨てよ。それよりも、諸君自身の周りにもっと考えるべきものが沢山ある。自分の欠けているものに目を向けよ。それを直していくように心がけよ。このことは出来ない神の詮索に無駄骨を折るより、よほど諸君自身のためになる」

○大自然のあらゆるもの、あらゆる生き物、あらゆる宇宙の天体、これらはそれぞれ神の一部であり、またそれ全体が即ち神であるという考え方はいかがでしょうか。これはつまり汎神論でありますが。
「人間は自己を神とすることが出来なければ、せめて自分を神の一部分としようと望むものであろう」

○上記の説をとる人々は、これによって、神の属性の一部を示すものと言っています。宇宙は広大無辺だから、神も無限であり、真空であり、無であり、空間をもたず、また何処にも在り給うように見えます。あらゆるものが神の不可欠の一部である限り、神はいずこにも在るから、神は宇宙の全現象の知的原因と見られます。これはどうでしょうか。
「筋の通った意見である。しかしその意見には仮定が混じっている。これをもって考えるとき、その矛盾にすぐ気付いて貰える筈である」