「あなたは、長年にわたって、あなた自身を通して届けられた霊的真理、生命の原理、およびそれらが意味するところのものに忠実に従い、冷静さを失うことなく、人生の最大の危機に立派に対処なさいました」

 ある日の交霊会で、奥さんに先立たれたばかりの霊媒に対して、シルバーバーチはこう述べ、さらに次のように勇気付けの言葉を続けた。
 「地上に生をうけた者は、いつかは死ななくてはなりません。永遠に地上で生き続けることはできないというのが大自然の摂理なのです。ですから、地上生活の道具としての用事を終えた物的身体が、その活力の源であった霊的身体と霊そのものから切り離されるのは、絶対に避けられないことです。かくして霊は、永遠の巡礼の旅の一部として、地上での一定期間を経ると、次の界へと進んでまいります。
 勿論、その時期が到来すると皆さんは悲しみます。それは、大半の地上の人間は霊的視覚が閉ざされているために、目の前に横たわる冷たい肉体、ただの殻に過ぎないものだけが見えて、その中身である崇高な実在を見ることが出来ないからです。
 幸いにしてあなたにはそれが出来ます。霊的な目が開いているからです。愛する奥さんは、物質的には地上から消えても、霊的には相変わらずあなたと共にいることを、あなたはしっかりと自覚していらっしゃいます。
 死は、愛し合う者を引き裂くことはできません。霊的に一体となっている者は、いずこにいようと、すなわち家庭の中であろうと、外出中であろうと、仕事中であろうと、奥さんはいつもあなたと共にいて、地上時代と同様に仕事を手伝っておられます。奥さんにとって地上人生は、あなたと共に過ごした人生がすべてでした。
 奥さんの方が先に他界したことを、あなたは今[これでよかった]と得心しておられますね。あなたの方が強く逞しく、死後に生じる様々な問題に対応することは、奥さんでは無理だったことを理解しておられます。その奥さんが今ここに来ておられることは私から申し上げるまでもないでしょう。その肉眼、その肉耳で確認できなくても、あなた自身の心臓の鼓動と同じほど身近な存在となっておられます。
 どうかこのたびのことで挫けることなく、死によって霊が消えてなくなるものではないという、この掛けがえのない知識を広める仕事に邁進してください。生命と愛は、死を超えて存在し続けるものです。神性を帯びた霊の属性だからです。ご自宅の静けさの中にも奥さんの存在を感じ取られる筈です。何か決断を迫られる事があれば、奥さんに念じてごらんなさい。きっと正しい方向を教えられ、万事がうまく行く筈です。
 これまで辿ってこられた地上生活が、物質界に生まれ出た時から霊団による指導を受けていたこと、私から申し上げるまでもないでしょう。その霊団があなたを見捨てることは絶対にありません。むしろ指導を強化されていくことでしょう。埋め合わせの法則も働きます。霊的な豊かさが、いかなる物的欠乏も補ってくれます。
 大胆不敵の精神を失ってはいけません。相手をする人に、なるほどこの人は神の使節だと思わせるだけの、平静でしかも堂々とした態度で臨んでください」

その夜はベテランの霊能者であるパーシー・ウィルソン氏が奥さんと共に出席していた。シルバーバーチの「お元気ですか?」の質問に
 「お蔭さまで元気ですが、いささかバテ気味です。仕事が多すぎて・・・でも、仕事が少なすぎるよりはマシかも知れません」
と答えた。するとシルバーバーチが次のように語った。

 次章[霊媒としての自覚を]に続く