「この道に長く携わっておられる方でも、時として自分が物的身体を使って仕事をしていることを忘れるものです。人間の身体はあくまでも機械です。とても複雑で見事に出来上がってはいますが、あくまでも機械です。機械ですから、休息を与えないと、擦り減っていきます。
 あなたの使命はまだ終っておりません。まだまだ、これから織っていかねばならない糸が残っております。この世に残すべき足跡、あなたのこの地上生活に計り知れない意義をもたらした霊的真理を何らかの形で残していく仕事が、まだ残っています。
 あなたは本当に恵まれた方です。背後霊が常に身近にいてくれていることを自覚できる方は、たとえその光輝までは見えなくても、霊力の強さと恵みと美しさがいかに貴重なものであるかがお分かりです。無限という言葉どおり、限りというものがありません。それを私は大霊と呼んでいます。ゴッドと呼ぶ人もいます。愛と知識と叡智とインスピレーションの大始源です。その一部が常にあなた方の周りに存在します。
 そうなると当然、それを利用したり広めたりする上において、そこに不純な思惑が絡んではいけないということになります。純粋で、最高で、至聖なる形で扱われねばならないのです。そうとは知らずに行っている人はまだしも、問題は、中途半端な理解で終っている人達です。根本原理をよく理解せずに、自己顕示欲に動かされ、混乱と迷惑のタネを撒き散らします。
 私たち霊団側としては、霊的真理を普及することと霊力の威力を発揮することにしか関心はありません。霊力というものが、条件が整いさえすればいかに崇高で驚異的なことを成就せしめるかは、ここで改めて申し上げるまでもないでしょう。奇跡的な治癒をもたらし、打ちひしがれた心を奮い立たせ、信じられないほど見事に難問を解決します。
 難解な用語を並べ立てた説教や論議はどうでもよろしい。その分野のことは、感性を欠いた神学者にお任せしましょう。神学者達が宗教や霊的実在と何の関係もない事柄に長年にわたって議論を重ねることができるのは、感性というものを持ち合わせないからです。
 ここに集まっている私たちは、宇宙の最大の力、神性を帯びた霊力の使者であり道具です。受け入れる用意のできた者なら誰でも手に入れることのできる、最高の霊的恩寵を送り届ける通路です。霊の威力は既に証明済みです。それが意味する深遠な意義は、直観的洞察力を持つ者には明らかです。それが理解できた人には自由がもたらされます。霊的な束縛からの解放です。地上人類の多くが、自らこしらえた迷路にはまり込んで、精神的自由を失っているのです。
 そうした人達にとって、スピリチュアリズムの真理は、大霊が意図された霊的存在としての本当の生き方を体得する道への指標です。本来人間は、内在する気高い能力を発揮し、自分より恵まれていない人達の為に役立つことをし、和平をもたらす為の基盤をこしらえる手段を教え、神性を宿した霊的存在として恥辱ともいうべき環境のもとで暮している人々に、本来の生き方を教えてあげることができるのです。
 私たちが働きかけているのは、そうした目的の成就のための道具となって、いつでもどこでも人に役立つことのできる人々です。それを邪魔立てする人は、いつかは辛い思いをさせられることになります。一度真理を知った人の場合は尚更のことです。遅かれ早かれ、そういう人は神の計画から排除されます。神の計画は何としても推進しなければならないものだからです。
 今更申し上げる必要はないと思いますが、霊力が地球全体を包み込み、世界各地に霊的灯台が築かれて、人生に疲れ迷っている旅人に進むべき道を照らし出してあげるようになることが、大霊の計画の中に組み込まれているのです。
 あなた方、そして世界中で同じ霊的真理に目覚めている人々がこの地上に生まれて来たそもそもの目的は、そこにあるのです。既にこの世を去った偉大な先駆者達も、今、こちらの世界から同じ目的の為に献身しているのです。
 残念なのは、せっかく目も眩むほどの真理の輝きに心を奪われながら、時と共にその霊的ビジョンが薄れて行く人が多いことです。しかし、私たちは、一旦引き受けた大事業を中途で止めるわけにはいかないのです。霊的な影響力と霊的な知識を地上に広めることです。そして、いかなる機関も、いかなる地位の人も、そしてその人達が束になってそれを阻止しようとしても、それに負けないだけの態勢を築かねばなりません。
 いささか抽象的な説教のようなことを申しましたが、実際的には、あなた方は既に随分大きな貢献をなさっておられます。その成果がご自分で推し量れないだけのことです。たった一人の迷える魂に道を教えてあげるだけで、価値ある貢献をなさったことになるのです。
 死別の悲しみに暮れる人の目から涙を拭ってあげることができたら、或いはまた、不治の病に苦しむ人をたった一人でも救ってあげることができたら、それだけで十分にあなたの存在価値があったことになるのです」

 ここで少し間を置いてから、パーシー・ウィルソン氏に向かって
「何か私に聞いてみたいことでもおありですか」
と尋ねた。するとウィルソン氏が答える。

-今のお話を聞いて、私が何を申し上げることがありましょう。霊界から届けられるお言葉ほど私にとって慰めと感動を与えてくれるものはありません。慰めを超えて、意気軒高と申しますか、[よしやるぞ!]といった決意が湧いてまいります。

「そうでしょうとも。そういう決意を抱くように導くことが私たちの任務なのです。一旦覚悟を決めて取り組んでいる仕事です。右か左かと迷っている時ではありません。まっしぐらに進むべきです。大霊から選任され、同時に、自らお引き受けした仕事です。私も同様です。最後までやり遂げなければならないのです」