その夜の出席者の中に特別に出席を許された女性がいた。その女性は十年ばかり前に自殺も考えたほどの苦境に陥った時、ある霊能者の指導で立ち直った人で、その霊能者ともども出席したのだった。その女性に向かってシルバーバーチが言う。
「本日はようこそおいでくださいました。あなたも随分長いこと苦難と悲哀を味わってこられましたね。でも、もう殆どトンネルから抜け出ておられますよ。出口のないトンネルはありませんから、暗い時期に入っても心配なさらないことです。随分霊能者の方のお世話になりましたね?」
-それはもう、言葉では言い尽くせないほどです。もしあの方との出会いがなかったら、今夜こうしてこの席にいることもなかったはずです。十一年前に霊界に行っていたでしょう。
シルバーバーチはその事情をよく知っていて、その霊能者の名前をあげて
「この方は本当に頼りになる方ですね」
と言うと、その女性が言う-
-少しご無理をなさっているのではと心配なのですが・・・・
「じゃあ、少し休んでいただかなくてはなりませんね。それ以外に方法はありません。やんちゃ坊主がいよいよ手に負えなくなったら、手段はただ一つ-ベッドにくくりつけることです。
実は霊界から指導している私たちも、それと似た手段を取ることがあるのです。なかなかよく効きますよ。疲労困憊した時は、それをむしろ好機とみて、床に伏して身体を休めることです。霊的自我が本来の生命力を取り戻すチャンスです。
今のあなたは立派な背後霊に守られていますよ。もう何一つ案ずることはありません。あの人生最大の危機に直面し、すべてが真っ暗闇で、一筋の光さえ見えなかった時に、悟りへの道が示されました。それ以来、道は広がる一方ですし、あなたは堅実にその道を辿って来られました。これからも迷うことなく突き進みなさい。光を遮る大きな陰はもう訪れないでしょう。小さい陰はあるでしょう。が、時折訪れる一過性のものでしかありません。すぐに消え去ります。陰があるからこそ光の有り難さも分かるのです」
-私が恩恵を受けたこの霊的真理をある方に教えてあげようと、ここ一ヵ月半ばかり努力してみたのですが、ダメでした。
「折角のチャンスを目の前にしながら、それを我がものとできない人が多いのは悲しいことです。所詮馬を水辺まで連れて行くことはできても、水を飲ませることはできないという諺どおりです。渇いた魂を潤すと共に本当の自由をもたらしてくれる、この何ものにも代えがたい真理を拒絶するようでは、もはやあなたにも為す術はないでしょう」
-死んで霊界へ行くまで放っておくしかないのでしょうか。
「間違った考えをもったまま、こちらへやってくる者が多いのです。が、いつかは修正せざるを得ません。魂に理解力がそなわれば、真理の光が見えるようになります。失望してはいけません。説き続けるのです。あなたは大いなる愛の力に囲まれています。片時も離れることなく付き添っている霊の親族(類魂)から届けられているものです。あなたはその親族の最後の末裔なのです。
今あなたが手にされている霊的な喜びは、あなたのこれまでの苦労が実を結んだのです。霊的な帳簿は実に細かく記入されており、収支はきちんと清算されます。時には霊的に過度の引き出しを見逃すこともありますが、後で必ず払い戻さないといけません」
「本日はようこそおいでくださいました。あなたも随分長いこと苦難と悲哀を味わってこられましたね。でも、もう殆どトンネルから抜け出ておられますよ。出口のないトンネルはありませんから、暗い時期に入っても心配なさらないことです。随分霊能者の方のお世話になりましたね?」
-それはもう、言葉では言い尽くせないほどです。もしあの方との出会いがなかったら、今夜こうしてこの席にいることもなかったはずです。十一年前に霊界に行っていたでしょう。
シルバーバーチはその事情をよく知っていて、その霊能者の名前をあげて
「この方は本当に頼りになる方ですね」
と言うと、その女性が言う-
-少しご無理をなさっているのではと心配なのですが・・・・
「じゃあ、少し休んでいただかなくてはなりませんね。それ以外に方法はありません。やんちゃ坊主がいよいよ手に負えなくなったら、手段はただ一つ-ベッドにくくりつけることです。
実は霊界から指導している私たちも、それと似た手段を取ることがあるのです。なかなかよく効きますよ。疲労困憊した時は、それをむしろ好機とみて、床に伏して身体を休めることです。霊的自我が本来の生命力を取り戻すチャンスです。
今のあなたは立派な背後霊に守られていますよ。もう何一つ案ずることはありません。あの人生最大の危機に直面し、すべてが真っ暗闇で、一筋の光さえ見えなかった時に、悟りへの道が示されました。それ以来、道は広がる一方ですし、あなたは堅実にその道を辿って来られました。これからも迷うことなく突き進みなさい。光を遮る大きな陰はもう訪れないでしょう。小さい陰はあるでしょう。が、時折訪れる一過性のものでしかありません。すぐに消え去ります。陰があるからこそ光の有り難さも分かるのです」
-私が恩恵を受けたこの霊的真理をある方に教えてあげようと、ここ一ヵ月半ばかり努力してみたのですが、ダメでした。
「折角のチャンスを目の前にしながら、それを我がものとできない人が多いのは悲しいことです。所詮馬を水辺まで連れて行くことはできても、水を飲ませることはできないという諺どおりです。渇いた魂を潤すと共に本当の自由をもたらしてくれる、この何ものにも代えがたい真理を拒絶するようでは、もはやあなたにも為す術はないでしょう」
-死んで霊界へ行くまで放っておくしかないのでしょうか。
「間違った考えをもったまま、こちらへやってくる者が多いのです。が、いつかは修正せざるを得ません。魂に理解力がそなわれば、真理の光が見えるようになります。失望してはいけません。説き続けるのです。あなたは大いなる愛の力に囲まれています。片時も離れることなく付き添っている霊の親族(類魂)から届けられているものです。あなたはその親族の最後の末裔なのです。
今あなたが手にされている霊的な喜びは、あなたのこれまでの苦労が実を結んだのです。霊的な帳簿は実に細かく記入されており、収支はきちんと清算されます。時には霊的に過度の引き出しを見逃すこともありますが、後で必ず払い戻さないといけません」