-霊が憑って来ると霊媒の脈拍が変化するのはなぜでしょうか。その脈拍は霊の脈拍なのでしょうか。

 「霊が霊媒を支配している時は霊媒の潜在意識を使用しています。すると当然霊媒の基本的な機能つまり心臓、脈拍、体温、血液の循環等々を支配することになります。入神すると呼吸が変化するのはその為です。一時的なことです。ですが一時的にせよその問は、支配霊は物質界と接触して自分の個性を物的身体を通して再現しているわけです。例えば私は元アメリカ・インディアンの幽体を使用しています。そのインディアンが霊媒の潜在意識を支配していますから、その間の脈拍はその幽体の脈拍です。このような形(注)で行う方が一から始めるよりも手間が省けます。(注-地上の霊媒と霊界の霊媒を使用して通信を送っており、これであの肖像画に見るインディアンがシルバーバーチその人でないことは明白である-訳者)
 「あなた方の住む物質界は活気がどんよりとしています。あまりに鬱陶しく且つ重苦しい為に、私達がそれに合わせようと波長を下げていく途中で高級界との連絡が切れてしまうことがあります。私の住む光の世界とは対照的に、あなた方の世界は暗くて冷たい、ジトジトした世界です。
 あなた方は太陽の本当の姿、目も眩まんばかりの(太陽の霊体の)光輝をご覧になったことがありません。あなた方が見ておられるのはその粗末な模造に過ぎません。丁度月が太陽の光を反射して輝くように、あなた方の目に映っている太陽は私達の太陽の微かな反射程度に過ぎません。
 譬えてみれば、こうして地上に降りて来た私は、カゴに入れられた小鳥のようなものです。用事を済ませて地上から去って行く時の私は、鳥カゴから放たれた小鳥のように、果てしない宇宙の彼方へ喜び勇んで飛び去って行きます。死ぬということは鳥カゴという牢獄から解放されることなのです。
 さて私があなた方と縁のあるスピリットからのメッセージを頼まれる時は、それなりのバイブレーションに切り換えてメッセージを待ちます。その時の私は単なるマウスピースに過ぎません。状態がいい時は連絡は容易に出来ます。が、この部屋の近所で何かコトが起きると混乱が生じます。突如として連絡網が途切れてしまい、私は急いで別のメッセージに代えます。バイブレーションを切り換えなくてはなりません。
 そうした個人的なメッセージの時はスピリットの言っていることが一語一語聞き取れます。それは、こうして私が霊媒を通じて喋っている時のバイブレーションと同じバイブレーションでスピリットが喋っていることを意味します。しかし、高級界からのメッセージを伝えるとなると、私は別の意識にスイッチを切り換えなくてはなりません。シンボルとか映像、直感とかの形で印象を受け取り、それを言語で表現しなくてはなりません。それは霊媒がスピリットからの通信を受けるのと非常によく似ております。その時の私は、シルバーバーチとして親しんで下さっている意識よりも更に高い次元の意識を表現しなければならないのです。
 例えば画家がインスピレーションを受ける時は、普段使用しているのとは別のバイブレーションに反応しています。その状態の中で画家はある霊力の作用を受け、それを映像に転換してキャンバスの上に画きます。インスピレーションが去るとそれが出来なくなります。それと同じで、私が皆さんに霊的真理をお伝えしようとすると、私の意識の中でも高等なバイブレーションに反応出来る回線を開き、高級霊がそれを通路として通信を送ってくる。それを私が地上の言語で表現するわけです。
 とは言え、私は所詮この霊媒(バーバネル)の頭にある用語数の制限を受けるだけでなく、この霊媒の霊的発達程度による制約も受けます。霊媒が霊的に成長してくれれば、その分だけ、それまで表現出来なかった部分が表現出来るようになるのです。
 今ではこの霊媒の脳のどこにどの単語があるということまで分かっていますから、私の思うこと、というよりは、ここに来る前に用意した思想を全部表現することが出来ます。
 この霊媒を通じて語り始めた初期の頃は、一つの単語を使おうとすると、それと繋がった他の要らない単語まで一緒に出て来て困りました。必要な単語だけを取り出す為には脳神経全体に目を配らなくてはなりませんでした。現在でも霊媒の影響を全く受けていないとは言えません。用語そのものは霊媒のものですから、その意味では少しは着色されていると言わざるを得ないでしょう。が私の言わんとする思想が変えられるようなことは決してありません。
 あなた方西洋人の精神構造は、私達インディアンとは大分違います。上手く使いこなせるようになるまでに、かなりの年数が要ります。まずその仕組みを勉強した後、霊媒的素質をもった人々の睡眠中を狙って、その霊体を使って試してみます。そうした訓練の末に漸くこうして喋れるようになるのです。
 他人の身体を使ってみると、人間の身体がいかに複雑に出来ているかがよく分かります。一方でいつものように心臓を鼓動させ、血液を循環させ、肺を伸縮させ、脳の全神経を適度に刺激しながら、他方では潜在意識の流れを止めて、こちらの考えを送り込みます。容易なことではありません。
 初めの内はそうした操作を意識的にやらなくてはならないのです。それが上達の常道というものです。赤ん坊が歩けるようになるには一歩一歩に全意識を集中します。その内意識しなくても自然に足が出るようになります。私がこの霊媒をコントロールするようになるまで、やはり同じ経過を辿りました。一つ一つの操作を意識的にやりました。今では自動的に働きます。
 最近他界したばかりの霊が喋る時はそこまでする必要はありません。霊媒の潜在意識に思念を印象付けるだけでよろしい。しかしそれにもかなりの練習が要ります。それをこちらの世界の者同士で行います。そう易々と出来ることではないのです。こうして霊媒の口を使って思うことを伝えるよりは、メガホンを使って喋る方がずっと楽です。(訳者注-メガホンの中に発声器官を拵えて喋る。詳しくは「ジャック・ウェバーの霊現象」-国書刊行会-を参照されたい)
 人間の潜在意識はそれまでの生活によって働き方に一つの習性が出来ており、一定の方向に一定の考えを一定のパターンで送っています。その潜在意識を使ってこちらの思想なりアイディアなり単語なりを伝える為には、その流れを一旦止めて、新しい流れを作らなくてはなりません。もし似たような考えが潜在意識にあれば、その流れに切り換えます。レコードのようなものです。その流れに乗せれば自動的にその考えが出て来ます。新しい考えを述べようと思えば新しいレコードに代えなくてはならないわけです。
 この部屋に入って来るのに、壁は別に障害になりません。私のバイブレーションにとって壁は物質ではないのです。寧ろ霊媒のオーラの方が固い壁のように感じられます。私のバイブレーションに感応するからです。もっとも、私の方はバイブレーションを下げ、霊媒の方はバイブレーションを高めています。それが上手く行くようになるまで十五年もかかりました。
 霊媒のオーラの中にいる間、私は暗くて何も見えません。この身体によって私の能力が制限を受けています。この霊媒が赤ん坊の頃から身に付けて行くことを私がいかに使用するかを一つひとつ勉強しなければなりませんでした。もっとも足の使い方は知る必要がありませんでした。私は足には用事がないからです。必要なのは脳と手だけです。
 この霊媒を支配している時に別のスピリットからのメッセージを口移しに伝えることがありますが、その時は霊媒の耳を使うのではなく私自身の霊耳を使います。全ては霊媒のオーラと私のオーラの問題です。私のオーラは霊媒のオーラ程濃密でなく、霊媒のオーラの中にいる時でも他のスピリットが私のオーラに思念を印象付けることが出来ます。言ってみれば電話で話をしながら同じ部屋の人の話を聞くのと同じです。二つのバイブレーションを利用しているのです。同時には出来ませんが、切り換えることは出来るわけです」

-霊言現象は霊が霊媒の身体の中に入って喋るのですか。

 「必ずしもそうではありません。大抵の場合オーラを通じて操作します」

-霊媒の発声器官を使いますか。

 「使うこともあります。現に今の私はこの霊媒の発声器官を使っています。拵えようと思えば私自身の発声器官を(エクトプラズムで)拵えることも出来ますが、そんなことをするのは私の場合はエネルギーの無駄です。私の場合はこの霊媒の潜在意識を私自身のものにしてしまいますから、全身の器官をコントロールすることが出来ます。いわば霊媒の意志まで私が代行し-霊媒の同意を得た上での話ですが-暫く身体を預かるわけです。終わって私が退くと霊媒の意識が戻って、いつもの状態に復します」

-霊媒の霊体を使うこともありますか。

 「ありますが、その霊体も常に肉体に繋がっています」

-仕事を邪魔しようとするスピリットから守る為に列席者にも心の準備が要りますか。

 「要ります。一番大切なことは身も心も夢の一つになり切ることです。そうすれば愛の念に満たされたスピリット以外は近付きません」

-霊界側でもその為の配慮をされるのですか。

 「勿論です。常に邪魔を排除していなくてはいけません。あなた方出席者との調和も計らなくてはなりません。最高の成果を挙げる為に全ての要素を考慮しなければなりません。こちらにはその為に組織された素晴らしい霊団がおります」

-霊媒は本をよく読んで勉強し、少しでも多くの知識をもった方がいいでしょうか。それともそんなことをしないで自分の霊媒能力に自信をもって、それ一つで勝負した方がいいのでしょうか。

 「それは霊能の種類にもよるでしょうが、霊媒は何も知らない方がいいという考えには賛成出来ません。知らないよりは知ってる方がいいに決まっています。知識というのは自分より先に歩んだ人の経験の蓄積ですから、勉強してそれを自分のものにするよう努力した方がいいでしょう。私はそう思います」

-立派な霊能者となるには生活面でも立派でなくてはいけませんか。

 「生活態度が立派であれば、それだけ神の道具として立派ということです。ということは、生活態度が高度であればある程、内部に宿された神性がより多く発揮されていることになるのです。日常生活において発揮されている人間性そのものが霊能者としての程度を決めます」

-ということは、霊格が高まる程霊能者としても向上すると言っていいのでしょうか。

 「決まり切ったことです。生活面で立派であればある程霊能も立派になります。自分の何かを犠牲にする覚悟の出来ていない人間にはロクな仕事は出来ません。このことは、こうした霊界での生活を犠牲にして地上に戻って来る私達が身をもって学ばされて来た教訓といってもいいでしょう」

-他界した肉親や先祖霊からの援助を受けるにはどうすればいいでしょうか。

 「あなたが愛し、あなたを愛してくれた人々は、決してあなたを見捨てることはありません。いわば愛情の届く距離を半径とした円の範囲内で常にあなたを見守っています。時には近くもなり、時には遠くもなりましょう。が決して去ってしまうことはありません。その人達の念があなた方を動かしています。必要な時は強く作用することもありますが、反対にあなた方が恐怖心や悩み、心配等の念で壁を拵えてしまい、外部から近付けなくしていることがあります。悲しみに涙を流せば、その涙が霊まで遠く流してしまいます。穏やかな心、安らかな気持、希望と信念と自信に満ちた明るい雰囲気に包まれている時は、そこにきっと多くの霊が寄ってまいります。
 私達霊界の者は出来るだけ人間との接触を求めて近付こうとするのですが、どれだけ接近出来るかは、その人間の雰囲気、成長の度合、進化の程度にかかっています。霊的なものに一切反応しない人間とは接触出来ません。霊的自覚、悟り、ないしは霊的活気のある人とは直ぐに接触がとれ、一体関係が保てます。そういう人はスピリチュアリストばかりとは限りません。知識としてスピリチュアリズムのことを知らなくても、霊的なことを理解出来る人であればそれでいいのです。とにかく冷静で受容的な心を保つことです。取り越し苦労、悩み、心配の念が一番いけません。それらがモヤを拵えて、私達が近付けなくするのです」

-そういう霊にこちらからの念が通じますか。

 「一概にイエスともノーとも言いかねます。魂の進化の程度が問題になるからです。波長の問題です。もしも双方がほぼ同程度の段階にあれば通じるでしょう。が、あまりに距離があり過ぎれば全く波長が反応し合いませんから、通じないでしょう」

-他界した人のことをあまり心配すると霊界での向上の妨げになるでしょうか。

 「地上の人間に霊界の人間の進歩を妨げる力はありません。スピリットはスピリット自身の行為によって向上進化します。人間の行為とは関係ありません」(絶対的拘束力はないという意味で述べている-訳者)

-世俗から隔絶した場所で瞑想の生活を送っている人がいますが、あれで良いのでしょうか。

 「〝良い〟という言葉の意味次第です。世俗から離れた生活は心霊能力の発達には好都合で、その意味では良いと言えるでしょう。が私の考えでは、世俗の中で生活しつつ、しかも世俗から超然とした生活の方が遙かに上です。つまり霊的自覚に基づいた努力と忍耐と向上を通じて同胞の為に尽くすことが、人間本来のあるべき姿だと思います」

-世俗から離れた生活は自分の為でしかないということでしょうか。

 「一番偉大なことは他人の為に己を忘れることです。自分の能力を発達させること自体は結構なことです。が開発した才能を他人の為に活用することの方がもっと大切です」

-これからホームサークルを作りたいと思っている人達へのアドバイスを・・・・。

 「イヤな思いをすることのない、本当に心の通い合える人々が同じ目的をもって一つのグループを拵えます。週一回、同じ時刻に同じ部屋に集まり、一時間ばかり、或いはもう少し長くてもよろしい、祈りから始めて、そのまま瞑想に入ります。目的、動機が一番大切です。面白半分にやってはいけません。人の為に役立たせる為の霊能を開発したいという一念で忍耐強く、粘り強く、コンスタントに会合を重ねて行くことです。その内同じ一念に燃えたスピリットと感応し、必要な霊能を発揮すべく援助してくれることでしょう。
 言っておきますが、私共は何かと人目を引くことばかりしたがる見栄っ張りの連中には用はありません。使われずに居睡りをしている貴重な能力を引き出し、同胞の為人類全体の為に有効に使うことを目的とした人の集まりには大いに援助します」

-どうすれば霊媒や霊視能力者になれるのでしょうか。

 「神の為に自分を役立てようとする人は皆神の霊媒です。いかにして霊を向上させるか-これはもう改めて説く必要はないでしょう。これまで何回となく繰り返し説いて来たことだからです。自分を愛する如く隣人を愛することです。人の為に役立つことをすることです。自分を高めることをすることです。何でもよろしい、内部に宿る神性を発揮させることをすることです。それが最高の霊媒現象なのです。霊視能力者になる方法よりは、神の光が見えるように魂の眼を開く方法をお教えしましょう。それも今述べたのと同じです」