(シルバーバーチの霊訓6巻より)

 ハンネン・スワッハー・ホームサークルの指導霊としてあまねく知られているシルバーバーチの霊言集は既に数冊出版されているが、読者の要望にお応えして新たにこの一冊が加えられることになったのは有り難いことである。これが六冊目となる。他に小冊子が二冊、訓えを要約したものと祈りの言葉を精選したものとが出ている。
 もとより活字ではシルバーバーチの温かい人間味が出せないし、ほとばしり出る愛を伝えることは出来ない。シルバーバーチは実に威厳のある霊であり、表現が豊かであり、その内容に気高さがあり、しかも喜んで人の悩みに耳を傾け、何者をも咎めることをしない。単純素朴さがその訓えの一貫した性格であり、真理の極印を押されたものばかりである。
 交霊会を年代順に追ったものとしては本書が最初である。一章の中に一回の交霊会の初めから終わりまでをそっくり引用したものもあるが、他の二、三の交霊会から部分的に引用して構成したものもある。私はなるべく同じ霊訓の繰り返しにならないようにしようと思ったが、それは所詮無理な話だった。シルバーバーチの霊訓の真髄は基本的な霊的真理を様々な形で繰り返して説くことにあるからである。内容的には同じことを言っていても煩をいとわず、その時の言葉をそのまま紹介しておいた。
 これまでの霊言集の中でも説明されているように、シルバーバーチの霊言は速記者によって記録されている。が、シルバーバーチは英語を完璧にマスターしているので、引用に際してはただコンマやセミコロン、ピリオドを文章の流れ具合によって付していくだけでよく、それだけで明快そのものの名文が出来上がる。これは驚くべきシルバーバーチの文章能力の為せるわざである。
 更に付け加えておきたいことは、シルバーバーチはその文章をスラスラと淀みなく口に出しているということである。質疑応答となると、質問者が言い終わると直ぐに答えが返ってくる。そのあまりの速さに、初めて出席した人は、その会が打ち合わせなしのぶっつけ本番であることが信じられない程である。
 古くからのシルバーバーチファンは本書を大歓迎してくださるであろうし、初めての方も、本書を読まれることによってきっとシルバーバーチを敬愛する数多くの読者の仲間入りをされることであろう。

 S・フィリップス(シルバーバーチの霊訓第六巻編者)