「是非とも理解して頂きたいのは、スピリチュアリズムの本質は宗教性にあるということです。このことに異議を唱える者がいることは、我々には何とも不思議に思えてなりません。ある者はスピリチュアリズムと言えば他界した親戚・縁者との交信に過ぎないと思い込んでおります。そういうところに、往々にして邪霊につけ込まれ、もっともらしく装った通信によって迷わされる隙があることになります。
 地上生活の根底にある一番大切な要素の一つは宗教性です。我々の言う宗教性とは人間の霊と父なる神との交わりのことであり、それは無数の階梯をなして存在する天使的存在によって執り成されます。すなわち人間が祈りを発すると、それを中継する霊が受け取り、その霊自身の判断による回答を届けます。
 本当の霊的交わりは、宗教心に発した祈りの行為がその端緒となります。この事実が理解されない限り、スピリチュアリズムと関わりを持つことが必ずしも安全とは言えず、又有益とも言えません。その点を誤解している者が多く、その為に、あれこれとやってはみたが結局は真の満足が得られないということになります。
 人間にはその人なりの何等かの宗教的形式が必要です。それなのにただ心霊現象をあれこれといじくってばかりいて、その宗教的側面を理解出来ずにいれば、好奇心が駆られるばかりで、何か物足りないという愚痴をこぼすことになります。
 こうして、本来なら最大の魂の充足感が得られる筈のところを、彼等はいつしか我々に背を向けて、スピリチュアリズムは人を迷わすものだ、騙された、スピリチュアリストが関わっている霊は低級霊で悪魔の手先だ、と言い出す始末です。こうして我々の下を去り、折角の神の真理を拒絶し、又ぞろ人間的産物を信仰の対象とします。
 神は常に人間に語りかけております。そして人間と神との間には無数の中間的存在がいます。これまで二千年近くにも亘って人間を満足させてきた霊的食事が今日では最早満足出来なくなり、そこで(スピリチュアリズムという名の下に)新たな霊的流入が行なわれているところです。スピリチュアリズムは、それを最も必要とする時代への神のメッセージに外なりません。本質において人生全般に関わる宗教性を帯びたメッセージです。
 それは、人間がただ食べて飲んで寝てそして死んでいくというだけの存在ではなく、その内部に永遠に死滅することのない霊性を具えていること、そして又、この世で蒔いた種は死後に必ず自分で刈り取らねばならないことを教えるメッセージです。我々がスピリチュリズムのことを、地上を再生せしめる唯一の力であると申し上げる所以はそこにあります。
 今はまさに地上再生の大事業の開始時期なのです。その進行は地上でいう共和的なものとなるでしょうが、それを主導するのは霊的なものです。人間は常に霊的な光を受け入れられるよう魂を準備していなくてはいけません。神は自ら暗闇を好む魂はけっして照らさないからです。
 我々は霊的真理を広める為の組織的な使命を帯びております。その霊的真理なくしては地上の霊的生命は死滅します。今日の地上には宗教といえるものは殆ど存在しません。僅かながら存在するものも、その大半が既に影響力を失っております。生命力が抜け、形骸のみが残っております。イエスの時代がそうであった如くに、今の時代もまさにその通りです。地上人類は次にもたらされるものをしきりに求めております。
 腐敗が社会の全組織に行き渡っております。そして地雷がいつ爆発するかも知れない状態にあります。共産主義と社会主義は悪の勢力です。その潜在的魔力の恐ろしさを政治家は誰一人として気付いておりません。この都市(ロンドン)においても、それがいつ爆発し、社会組織を全壊させるかも知れません。近い将来において不満分子が英国の国政を預かる者を悩ませることになることが予想されますが、それも皆そうした勢力の影響です。
 地上は社会的側面においても宗教的側面においても、まさにいまわの際に立っており、生命力を与えてくれる新しい力を必要としております。スピリチュアリズムと呼んでいるものがその腐敗への唯一の矯正手段であり、解毒剤です。あからさまに言って今の時代は、空虚で見掛け倒しで真実味に乏しい時代です。何等かの宗教が必要です。
 我々と共に皆さんが関わっておられる大事業は大いなる進展を見せております。純粋な霊的真理の発展、寛容的精神の成長、頑固な障壁の崩壊、神学でなくキリスト精神の普及-進歩はこうしたものによってのみ達成されるものなのです。
 心霊現象についてとかく噂される偽物や詐欺行為に皆さんは困惑し迷惑に思われることでしょうが、スピリチュアリズムの基盤はいささかも揺らいでおりません。不快な空気はいずれ一掃され、清潔にして純粋な霊的雰囲気が残ります。現代は物事をしつこく穿鑿(せんさく)する時代です。と同時に、神の真理の種蒔きの時期でもあります。
 かつて我々は、各国において既存の秩序が攻撃の的とされる時期が到来すると申し上げたことがあります。スペイン、ドイツ、イタリヤにおいてそうであり、ロシヤにおいてはなおのことです。それが今現実となってきており、もっともっと恐ろしい混乱が生じることでしょう。社会主義、共産主義、無神論、ニヒリズム-これらは皆同じ陰湿な病弊を別の呼び方をしているに過ぎません。それが今地上に蔓延しつつあります。こうした勢力も、秘められた力を出し尽くせば善の方向へ利用することも可能でしょうが、現在のところは混乱の原理を操る邪霊集団に振り回されております。我々の大事業を阻止せんとしているのです。
 偉大な指導者をご覧になれば、皆何等かの社会悪に対する憤りに燃えていることがお分かりでしょう。何等かの改革を真剣に求め、それに一身を投げ打ち、覚悟を持って臨んだのです。確かに〝悪〟に対抗し〝善〟の為に闘う上において強固にして真摯である為には、何等かの目的意識を持たねばならないことは事実です。しかし断固たる信念と強烈な個性を持つ人間にとかくありがちな危険性は、いつしか自分の一個の目的意識に偏り、利己的になって行くことです。利己主義は霊的病弊の一大根源です。己自身の為に闘う者は利己的になります。一方、真理の為に闘う者は気宇壮大な同胞精神を持つに至ります」