入神中のモーゼスについて-
 「彼は今、教育担当の指導霊と共に天上界へ赴いております。彼のもつ霊力によって恩恵を受ける霊もいます。但し、その為には霊性が高尚で誠実で非利己的でなければなりません。何よりもまず〝小我〟を滅却することです。そうすれば思いも寄らない程の霊力を授かります」

 「地上でダニエルの名で知られた霊は大変な高級霊が降誕したもので、強力な霊媒的素質を具えておりました。時として偉大なる霊が地上へ降誕、ないし再生することがあります。が、これは例外に属することで、一般的によくあることではありません」

 (注)-ダニエルは紀元前六世紀のヘブライの霊覚者で、旧約聖書にそのダニエルについての書がある。彼もメルキゼデクに始まってイエスに至る系譜の中の一人で、多分インペレーター霊団の一人であろう。

 1848年に勃興した近代スピリチュアリズムの満百年を記念して-(1848年から数えて満百年、つまり1948年ということで、この時モーゼスは死んでいるので、これは多分、シルバーバーチの言葉だと思われる-自殺ダメ管理人)
 「今夜は大勢の霊が活発に動いております。本日が記念すべき日であるからに外なりません。皆さんが近代スピリチュアリズムと呼んでいるものが勃興した当初、高級界より強力な影響力が地上へ差し向けられ、霊媒現象が開発されました。かくして地縛的状態にあった霊を解放し、新たな生活へ甦らせる為の架け橋が設けられました。そのことを記念して我々はこの日を祝うのです。
 スピリチュアリズム-我々としては〝神の声〟と呼びたいところですが-これは真理に飢えた魂の叫びに応じて授けられるものです。
 しかし、このスピリチュアリズムにも次第に致命的な悪弊が生じつつあります。すなわち現象のみをいじくり回すことから生じる、言わば心霊的唯物主義です。現象を生ぜしめるエネルギーにのみ関心を向け、その背後で働く各種の知的存在を認識しようとしません。物質はあくまでも付帯的なものであり、実在は霊なのです。
 地上の全ての宗教がその基盤を来世への信仰に置いております。にもかかわらず、地球を取り巻く唯物的雰囲気の為に、折角の神の真理を心霊現象で埋め尽くして窒息死させかねない状態となっております。もしもそれのみにて満足するのであれば、寧ろ初めから一切の関わりを持たなかった方がよかったかも知れません。
 我々は、しかし、首尾よくそうした現象的段階を超えて、かつての真理より一段と高等な霊的真理を求めようとする者が多く輩出してくれることを期待しております。心霊現象はその為の手引きとしての価値しかありません」

 「スピリチュアリズムは今まさに最後の試練の時期(後注)を迎えております。そして多分それを首尾よく通り抜けて、更に新たな局面を迎えることになるでしょう。その時は、これまでより一段と内面的なスピリチュアリズムが前面に出て来ることでしょう。が、今はまだその時期ではありません」

 (注)-これはあくまで訳者個人としての見解であるが、このインペレーター霊団と丁度入れ替わるようにシルバーバーチ霊団その他、目的は同じでも手段を異にする霊団、例えばハリー・エドワーズに代表される心霊治療団が地上への働きかけを開始しているところをみると、インペレーターのいう〝最後の試練の時期〟とは第二次世界大戦に象徴される混乱の時期で、〝一段と内面的なスピリチュアリズム〟というのは、〝再生〟を因果律の重大な要素として前面に押し出した思想と心霊治療活動を指すものと考えられる。
 が、モーリス・バーバネルをして〝イエス・キリストに勝る〟と言わしめた心霊治療家のハリー・エドワーズも既に亡く、その後を追うようにバーバネルも他界し、そして昨年(1986年)の十二月にはやはり心霊治療家のテスターと、その恩人とも言うべきフリッカーの二人が申し合わせたように相次いで他界し、シルバーバーチが度々交霊会に招待していた治療家や霊媒も殆どが姿を消してしまったことを思うと、実はこれまでがその〝最後の試練の時期〟で、これから〝更に新たな局面〟を迎え、そして〝一段と内面的なスピリチュアリズム〟が啓示されることになるのかも知れないと思ったりもしている。
 願わくばそうあって欲しいものである。