○音楽現象
ベンジャミン・フランクリンが初めて出現した時から聞かれ始めた鈴の音について、スピーア夫人が次のように述べている。
「それは何とも言えない妙なる音楽で、丁度オルゴールを聞くような、それを一段と霊妙にそして音色を甘美にしたようなものでした。その頃はよく私達の身近な所で聞かれました。夜遅く庭に出ている時などに特によく聞かれました。
交霊会が終わった後は開き窓を開け放って芝生へ出るのが通例でしたが、そんな時、大抵真夜中でしたが、樹木の間から聞こえてきました。何とも言えない美しさで、この世のものとは思えませんでした」
別の記事でもこう述べている。
「今夜は交霊会を始める前に庭を散歩している時から例の鈴の音が聞こえていました。遙か遠くのニレの木のてっぺんから、まるで星と戯れているかと思われるような感じで聞こえたかと思うと、今度は直ぐ近くまで近付いてきて、私達が交霊の部屋へ入るのを後から付いて来ました。(〝私達〟は通常スピーア夫妻と友人のパーシバル氏の三人で、これに時折招待客が加わる程度だった。《解説》参照-訳者)
私達が着席した後もずっと部屋の四隅や、私達が囲んでいるテーブルの上などで鳴り続けていました。こちらから音階や和音を要求すると直ぐに応じ、主人(スピーア博士)が口ずさんだ曲を巧く真似て演奏しました。部屋には楽器類は何も置いてありませんでした。モーゼス氏が入神すると音が大きくなり、ピアノを弾いているような目覚しい響きになりました」
○物品移動現象
空家の家具や物品が移動する現象は特にワイト島に滞在中に起きた。モーゼス自身次のように書いている。
「教会での礼拝から帰って一階の応接間に隣接した寝室に入ってみると、化粧用テーブルの上に置いてあったものが無くなって、ベッドの上に大雑把な十字形に置いてあった」
その日の午後には今度は旅行用の化粧道具入れの中から幾つか取り出されて、その十字形が完全な形にされていた。ある時は王冠の形に置かれていたこともあったという。
○宝石類の製造
パーシバル氏が概略次のように叙述している。
モーゼス氏と食事を共にした後で開かれた交霊会でのことである。突然ガス灯が消され、二、三分して又点いた。その間の暗闇の中でテーブルの上に強い光が見えたのでモーゼス氏が近付いてみると、小さなルビーがあった。その後又ガス灯が消され、入神したモーゼス氏をメンターと名乗る霊が支配した。そしてパーシバル氏の腕をつついてから、その手を取って何かを握らせて席に戻った。その席でメンターは〝それはトルコ石であなたの為に特別にこしらえたものです〟と述べ、更に、交霊会でこしらえる宝石類は人間界でいう〝本物〟ではなく、売り買いの対象になるようなものは霊は製造を許されていない、と付け加えた。又その次の交霊会ではその製造法に触れ、霊は大気中から自然な工程で結晶体をこしらえることが出来ることを述べた。
これもパーシバル氏の話であるが、スピーア夫人の誕生日に四人で食事をしている最中にモーゼスが入神し、ソファまで歩いて行って掛け布の内側を探り始めた。そして間もなく小さなルビーを見つけて、それを敬々しげにスピーア夫人にプレゼントした。それから又ソファへ行って、同じように手探りで二つ目を見つけた。その後さんざん探して漸く三つ目を見つけて席に戻り、そこで入神から覚めた。モーゼス自身はその間のことは何一つ知らなかったという。
それより以前の話であるが、交霊会の後モーゼスが飲んでいたソーダ水のグラスの中にルビーが入っていたこともあった。
○芳香現象
ある日、交霊会が始まると、いきなり、大小様々なパールが雨のように降ったことがあり、明りをつけて拾い集めるように言われた。その交霊会が終了した時のことである。モーゼスが列席者の一人一人を回って片手を頭部に置くと、そこに芳香が漂った。
別の日の交霊会で更に素晴らしい芳香現象が起きた。その時は色んな発生の仕方をしてみせた。まず列席者の頭の辺りに漂ったかと思うと、今度はふいごで吹き付けているみたいに強烈な勢いで吹いた。続いて今度は霧雨のように天井から降り注いで来た。そして最後は列席者が上に向けていた掌に芳香を含んだ水滴が注がれた。これには大変な技術が要るという説明があり、その日の芳香現象には五十名以上の霊が関わったということだった。最後にパーシバル氏の手の上にティーポットの口から注いだみたいに芳香性の水が落ちてきた。後で調べてみるとテーブルの上に幾つかのシミが見られたという。
ベンジャミン・フランクリンが初めて出現した時から聞かれ始めた鈴の音について、スピーア夫人が次のように述べている。
「それは何とも言えない妙なる音楽で、丁度オルゴールを聞くような、それを一段と霊妙にそして音色を甘美にしたようなものでした。その頃はよく私達の身近な所で聞かれました。夜遅く庭に出ている時などに特によく聞かれました。
交霊会が終わった後は開き窓を開け放って芝生へ出るのが通例でしたが、そんな時、大抵真夜中でしたが、樹木の間から聞こえてきました。何とも言えない美しさで、この世のものとは思えませんでした」
別の記事でもこう述べている。
「今夜は交霊会を始める前に庭を散歩している時から例の鈴の音が聞こえていました。遙か遠くのニレの木のてっぺんから、まるで星と戯れているかと思われるような感じで聞こえたかと思うと、今度は直ぐ近くまで近付いてきて、私達が交霊の部屋へ入るのを後から付いて来ました。(〝私達〟は通常スピーア夫妻と友人のパーシバル氏の三人で、これに時折招待客が加わる程度だった。《解説》参照-訳者)
私達が着席した後もずっと部屋の四隅や、私達が囲んでいるテーブルの上などで鳴り続けていました。こちらから音階や和音を要求すると直ぐに応じ、主人(スピーア博士)が口ずさんだ曲を巧く真似て演奏しました。部屋には楽器類は何も置いてありませんでした。モーゼス氏が入神すると音が大きくなり、ピアノを弾いているような目覚しい響きになりました」
○物品移動現象
空家の家具や物品が移動する現象は特にワイト島に滞在中に起きた。モーゼス自身次のように書いている。
「教会での礼拝から帰って一階の応接間に隣接した寝室に入ってみると、化粧用テーブルの上に置いてあったものが無くなって、ベッドの上に大雑把な十字形に置いてあった」
その日の午後には今度は旅行用の化粧道具入れの中から幾つか取り出されて、その十字形が完全な形にされていた。ある時は王冠の形に置かれていたこともあったという。
○宝石類の製造
パーシバル氏が概略次のように叙述している。
モーゼス氏と食事を共にした後で開かれた交霊会でのことである。突然ガス灯が消され、二、三分して又点いた。その間の暗闇の中でテーブルの上に強い光が見えたのでモーゼス氏が近付いてみると、小さなルビーがあった。その後又ガス灯が消され、入神したモーゼス氏をメンターと名乗る霊が支配した。そしてパーシバル氏の腕をつついてから、その手を取って何かを握らせて席に戻った。その席でメンターは〝それはトルコ石であなたの為に特別にこしらえたものです〟と述べ、更に、交霊会でこしらえる宝石類は人間界でいう〝本物〟ではなく、売り買いの対象になるようなものは霊は製造を許されていない、と付け加えた。又その次の交霊会ではその製造法に触れ、霊は大気中から自然な工程で結晶体をこしらえることが出来ることを述べた。
これもパーシバル氏の話であるが、スピーア夫人の誕生日に四人で食事をしている最中にモーゼスが入神し、ソファまで歩いて行って掛け布の内側を探り始めた。そして間もなく小さなルビーを見つけて、それを敬々しげにスピーア夫人にプレゼントした。それから又ソファへ行って、同じように手探りで二つ目を見つけた。その後さんざん探して漸く三つ目を見つけて席に戻り、そこで入神から覚めた。モーゼス自身はその間のことは何一つ知らなかったという。
それより以前の話であるが、交霊会の後モーゼスが飲んでいたソーダ水のグラスの中にルビーが入っていたこともあった。
○芳香現象
ある日、交霊会が始まると、いきなり、大小様々なパールが雨のように降ったことがあり、明りをつけて拾い集めるように言われた。その交霊会が終了した時のことである。モーゼスが列席者の一人一人を回って片手を頭部に置くと、そこに芳香が漂った。
別の日の交霊会で更に素晴らしい芳香現象が起きた。その時は色んな発生の仕方をしてみせた。まず列席者の頭の辺りに漂ったかと思うと、今度はふいごで吹き付けているみたいに強烈な勢いで吹いた。続いて今度は霧雨のように天井から降り注いで来た。そして最後は列席者が上に向けていた掌に芳香を含んだ水滴が注がれた。これには大変な技術が要るという説明があり、その日の芳香現象には五十名以上の霊が関わったということだった。最後にパーシバル氏の手の上にティーポットの口から注いだみたいに芳香性の水が落ちてきた。後で調べてみるとテーブルの上に幾つかのシミが見られたという。