自殺ダメ
(自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)
第一期の修行中に経験した、主なる事柄につきては、以上で大体申し上げたつもりでございますが、ただもう一つここで是非とも言い添えておかねばならないと思いますのは私の守護霊の事でございます。誰にも一人の守護霊が付いておることは、心霊に志す方々の御承知の通りでございますが、私にも勿論一人の守護霊が付いており、そしてその守護霊との関係はただ現世のみに限らず、肉体の死後も引き続いて、切っても切れぬ因縁の絆で結ばれておるのでございます。もっとも、そうした事柄がはっきり判りましたのはよほど後の事で、帰幽当時の私などは、自分に守護霊などと申すものが有るか、無いかさえも全然知らなかったのでございます。で、私がこちらの世界で初めて自分の守護霊にお目にかかった時は、少なからず意外に感じまして、従ってその時の印象は今でもはっきりと頭脳に刻まれております。
ある日私が御神前で、例の通り深い精神統一の状態に入っていた時でございます、意外にも一人の小柄の女性が直ぐ眼の前に現れ、いかにも優しく、私を見てにっこりと微笑まれるのです。打ち見る所、年齢は二十歳余り、顔は丸顔の方で、器量はさしてよいとも言われませぬが、何処となく品位が備わり、雪なす富士額にくっきりとまゆずみが描かれております。服装は私の時代よりはやや古く、太い紐でかがった、広袖の百衣を纏い、そして下に緋の袴を穿いておるところは、どうみても御所に宮仕えしておる方のように窺われました。
意外なのは、この時初めてお目に懸かったばかりの、全然未知のお方なのにも係わらず、私の胸に何ともいえぬ親しみの念がむくむくと湧いて出たことで・・・。それにその表情、物ごしがいかにも不思議・・・・先方は丸顔、私は細面、先方は小柄、私は大柄、外形はさまで共通の箇所がないにも係わらず、何処とも知れず二人の間に大変似たところがあるのです。つまりは外面はあまり似ないくせに、底の方でよく似ておると言った、よほど不思議な似方なのでございます。
『あの、どなた様でございますか・・・・・』
漸く心を落ち着けて私の方から訊ねました。すると先方は相変わらずにこやかに-
『あなたは何も知らずにおられたでしょうが、実は自分はあなたの守護霊・・・・あなたの一身上の事柄は何もかもよう存じておるものなのです。時節が来ぬ為に、これまで蔭に控えていましたが、これからは何事も話相手になってあげます』
私は嬉しいやら、恋しいやら、又不思議やら、何が何やらよくは判らぬ複雑な感情でその時初めて自分の魂の親の前に自身を投げ出したのでした。それは丁度、幼い時から別れ別れになっていた母と子が、不図どこかで巡り会った場合に似通ったところがあるかも知れませぬ。何れにしてもこの一事は私にとりて誠に意外な、又誠に意義のある貴い経験でございました。
激しい昂奮から冷めた私は、勿論私の守護霊に向かって色々と質問の矢を放ち、それでも尚腑に落ちぬ箇所があれば、指導役のお爺様にも根掘り葉堀り問い詰めました。お蔭で私の守護霊の素性はもとより、人間と守護霊との関係、その他につきておおよその事が漸く会得されるようになりました。-あの、それを残らずここで物語れと仰るか・・・・宜しうございます。何も御道の為とあれば、私の存じておる限りは逐一申し上げてしまいましょう。話が少し堅うございまして、何やら青表紙臭くなるかも存じませぬが、それは何卒大目に見逃して頂きます。又私の申し上げることにどんな誤謬があるかも計りかねますので、そこはくれぐれもただ一つの参考に留めて頂きたいのでございます。私はただ神様やら守護霊様から聞かされたところをお取次ぎするのですから、これが誤謬のないものだとは決して言い張るつもりはございませぬ・・・・。
(自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)
第一期の修行中に経験した、主なる事柄につきては、以上で大体申し上げたつもりでございますが、ただもう一つここで是非とも言い添えておかねばならないと思いますのは私の守護霊の事でございます。誰にも一人の守護霊が付いておることは、心霊に志す方々の御承知の通りでございますが、私にも勿論一人の守護霊が付いており、そしてその守護霊との関係はただ現世のみに限らず、肉体の死後も引き続いて、切っても切れぬ因縁の絆で結ばれておるのでございます。もっとも、そうした事柄がはっきり判りましたのはよほど後の事で、帰幽当時の私などは、自分に守護霊などと申すものが有るか、無いかさえも全然知らなかったのでございます。で、私がこちらの世界で初めて自分の守護霊にお目にかかった時は、少なからず意外に感じまして、従ってその時の印象は今でもはっきりと頭脳に刻まれております。
ある日私が御神前で、例の通り深い精神統一の状態に入っていた時でございます、意外にも一人の小柄の女性が直ぐ眼の前に現れ、いかにも優しく、私を見てにっこりと微笑まれるのです。打ち見る所、年齢は二十歳余り、顔は丸顔の方で、器量はさしてよいとも言われませぬが、何処となく品位が備わり、雪なす富士額にくっきりとまゆずみが描かれております。服装は私の時代よりはやや古く、太い紐でかがった、広袖の百衣を纏い、そして下に緋の袴を穿いておるところは、どうみても御所に宮仕えしておる方のように窺われました。
意外なのは、この時初めてお目に懸かったばかりの、全然未知のお方なのにも係わらず、私の胸に何ともいえぬ親しみの念がむくむくと湧いて出たことで・・・。それにその表情、物ごしがいかにも不思議・・・・先方は丸顔、私は細面、先方は小柄、私は大柄、外形はさまで共通の箇所がないにも係わらず、何処とも知れず二人の間に大変似たところがあるのです。つまりは外面はあまり似ないくせに、底の方でよく似ておると言った、よほど不思議な似方なのでございます。
『あの、どなた様でございますか・・・・・』
漸く心を落ち着けて私の方から訊ねました。すると先方は相変わらずにこやかに-
『あなたは何も知らずにおられたでしょうが、実は自分はあなたの守護霊・・・・あなたの一身上の事柄は何もかもよう存じておるものなのです。時節が来ぬ為に、これまで蔭に控えていましたが、これからは何事も話相手になってあげます』
私は嬉しいやら、恋しいやら、又不思議やら、何が何やらよくは判らぬ複雑な感情でその時初めて自分の魂の親の前に自身を投げ出したのでした。それは丁度、幼い時から別れ別れになっていた母と子が、不図どこかで巡り会った場合に似通ったところがあるかも知れませぬ。何れにしてもこの一事は私にとりて誠に意外な、又誠に意義のある貴い経験でございました。
激しい昂奮から冷めた私は、勿論私の守護霊に向かって色々と質問の矢を放ち、それでも尚腑に落ちぬ箇所があれば、指導役のお爺様にも根掘り葉堀り問い詰めました。お蔭で私の守護霊の素性はもとより、人間と守護霊との関係、その他につきておおよその事が漸く会得されるようになりました。-あの、それを残らずここで物語れと仰るか・・・・宜しうございます。何も御道の為とあれば、私の存じておる限りは逐一申し上げてしまいましょう。話が少し堅うございまして、何やら青表紙臭くなるかも存じませぬが、それは何卒大目に見逃して頂きます。又私の申し上げることにどんな誤謬があるかも計りかねますので、そこはくれぐれもただ一つの参考に留めて頂きたいのでございます。私はただ神様やら守護霊様から聞かされたところをお取次ぎするのですから、これが誤謬のないものだとは決して言い張るつもりはございませぬ・・・・。