自殺ダメ


 (自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)

ステッド『幽界の政庁は、一切万事の代表機関たるに相応しきよう、各種の技能を有った人達から成立する。男には男の特徴、女には女の特徴、それが互に相依り相扶けて完全な仕事が出来るように組織されている。無論私達は最早生殖の仕事には預からない。が、生命の要素は陸続として色々の天体から私達の世界に送り込まれる。それ等の中には随分未発達の状態に置かれているものもあるので、その保有には幽界の男も女も多大の注意と努力とを要する。私は今幽界の政庁と言ったが、それは必ずしも、この広大無辺なる幽界全体の最高政庁を指すつもりではない。この世界のいかに大きいかはあなた方にはとても会得されない。万有の生命は数え尽くすべくもない。最初は幾多の太陽系に属する天体に於いてその生存の第一期を過ごし、やがて陸続としてこの非物質的幽的世界へと送り込まれる。それ等一切の生命を遺憾なく収容陶冶(とうや)する幽界の政庁の組織が、いかに複雑であり、いかに玄妙であるかは想像に余りあるであろう。私自身にも、その法則が、宇宙の自然律の直接の現われであるのか、それとも単なる途中の一単位に過ぎないのか、まだ充分に判らないである』(三月十一日)