自殺ダメ
(自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)
カミンズ嬢を通じて送られたマイヤースの通信『永遠の大道』は、近代心霊界の偉大なる収穫の一つであること、読者に於いて充分御承知のことと思われるが、もし未だこれに接しない方々があるなら、この際是非一読をお薦めしたい。あれだけでも精読していれば、現代の日本国を席巻しつつある不健全思想、又は幼稚な迷信等には感染せずに済むであろう。
その後、カミンズ嬢の自動書記能力は、ますます冴えを加え、今回前者の続編と見るべき新刊に接した。題して『個人的存在の彼方』という。その内容は三部に分かれ、第一部に於いては主として死の直後の生活を取り扱い、第二部に於いては、マイヤースの所謂個人的存在の彼方-彼岸の上層生活を取り扱い、第三部の於いては、祈祷、感謝、その他思想上、信仰上の実際問題につきての意見を述べ、更に付録として自然霊、動物霊、その他につきての見解が述べられている。総計230頁、先ず手頃の書物である。
本書の第一部は、さして感服出来ない。時として卓見にも接するが、時にはそれ程でもない箇所もあり、概して叙述が蕪雑に流れている。他日機会があったら、その中の出色の箇所を拾い出して紹介してもよいが、今回は暫くこれを省いておく。
本書の圧巻は何と言っても第二部で、私はこれを一読した時に、覚えず案を拍って歓声を発した。何となれば、私が多年幽明交通によって、調査研究を進めていたところが、はしなくもマイヤースの通信と、多くの一致点を発見したからである。私としては、心から百年の知己の感に堪えない。
最近八十年間、欧米人の手で受け取られた霊界通信は、何百と数えられる。が、ここまで深入りして、ここまで内観的飛躍を遂げたものは、他に類例を見ない。私は出来る限り忠実にこれを紹介し、そして必要あれば、卑見を加えてみたいと思う。
第三部の文字も中々優れている。ロッジ卿などは、特にその中の『祈祷』と題する一章を推薦している位で、何れにしても、紹介の価値は充分にあると思われる。
取り扱う問題が問題であるから、多少読むのに骨が折れるか知れないが、この際心から読者諸氏の御留意を喚起しておきたい。
昭和十一年八月 浅野和三郎誌
(自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)
カミンズ嬢を通じて送られたマイヤースの通信『永遠の大道』は、近代心霊界の偉大なる収穫の一つであること、読者に於いて充分御承知のことと思われるが、もし未だこれに接しない方々があるなら、この際是非一読をお薦めしたい。あれだけでも精読していれば、現代の日本国を席巻しつつある不健全思想、又は幼稚な迷信等には感染せずに済むであろう。
その後、カミンズ嬢の自動書記能力は、ますます冴えを加え、今回前者の続編と見るべき新刊に接した。題して『個人的存在の彼方』という。その内容は三部に分かれ、第一部に於いては主として死の直後の生活を取り扱い、第二部に於いては、マイヤースの所謂個人的存在の彼方-彼岸の上層生活を取り扱い、第三部の於いては、祈祷、感謝、その他思想上、信仰上の実際問題につきての意見を述べ、更に付録として自然霊、動物霊、その他につきての見解が述べられている。総計230頁、先ず手頃の書物である。
本書の第一部は、さして感服出来ない。時として卓見にも接するが、時にはそれ程でもない箇所もあり、概して叙述が蕪雑に流れている。他日機会があったら、その中の出色の箇所を拾い出して紹介してもよいが、今回は暫くこれを省いておく。
本書の圧巻は何と言っても第二部で、私はこれを一読した時に、覚えず案を拍って歓声を発した。何となれば、私が多年幽明交通によって、調査研究を進めていたところが、はしなくもマイヤースの通信と、多くの一致点を発見したからである。私としては、心から百年の知己の感に堪えない。
最近八十年間、欧米人の手で受け取られた霊界通信は、何百と数えられる。が、ここまで深入りして、ここまで内観的飛躍を遂げたものは、他に類例を見ない。私は出来る限り忠実にこれを紹介し、そして必要あれば、卑見を加えてみたいと思う。
第三部の文字も中々優れている。ロッジ卿などは、特にその中の『祈祷』と題する一章を推薦している位で、何れにしても、紹介の価値は充分にあると思われる。
取り扱う問題が問題であるから、多少読むのに骨が折れるか知れないが、この際心から読者諸氏の御留意を喚起しておきたい。
昭和十一年八月 浅野和三郎誌