自殺ダメ


 (自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)

 星辰の世界に夜はないが、しかし或る時期に於いて光の性質に変化が起こることは確かで、そして日界人とてもやはり一種の睡眠をとりて、元気の回復を図るのである。彼等の形態には、覚醒中と同じく、睡眠中にも自動的に変化は起こるが、ただ何らかの原因で、諧調(リズム)が狂って来ると、それが順調に運ばない。それがつまり恒星界の医師の所謂疾病に当たり、その結果、彼等は在来の生活から、早晩離脱し行くことにもなる。
 恒星界の光は、勿論地上の器械では測れない。それは一種の精密電気とも言うべきもので、普通のお粗末な光の内部に潜在する柔らかな閃光である。日界人から見れば、普通の光などは、寧ろ一の実体の感があるのである。従って日界人の眼に映ずる太陽、その他の星辰は極めて和やかな、殆ど眼にも止まらぬ程に合成された光の海でしかない。人間界に知られている如何なるガスも、又如何なる電気も、決してその匹儔(ひっちゅう)でない。それは全然別の階段に属する照明であり、それを研究する為には、科学者は是非とも第五界(光焔界)に入ることを要するであろう。
 若しも地上の画家にして、恒星界のオクタビオに接することが出来たら、彼はその種類の多きを見て、どんなにも歓喜の眼を見張ることであろう。これと同様に、その音階も又非常に範囲が広い。この音と色こそ、実に星辰界に於ける生活の重要素なのである。自分にはその手続きはよく判らないが、日界人達は、確かに右の二つのものから必要な栄養素を摂取して、溌剌(はつらつ)たる元気を維持しているものらしい。
 (評釈)日界人が一種の睡眠をとり、又栄養をとるということを聞いて、ちょっと不思議に感ぜらるる方があるかも知れない。他界の居住者には飲食や睡眠の必要がないというのが、多くの霊界通信の教える所である。が、これは恐らく人間界に見る如き飲食、並びに睡眠の必要がないということであると解すべきで、他界の居住者といえども、いやしくも生活機能を有している以上、やはり何等かの栄養、何等かの休養の必要を感ずるのが当然であろう。私としては寧ろこのマイヤースの通信に共鳴を感ずるものである。