自殺ダメ


 [霊界通信 新樹の通信](浅野和三郎著)より

 (自殺ダメ管理人よりの注意 この文章はまるきり古い文体及び現代では使用しないような漢字が使われている箇所が多数あり、また振り仮名もないので、私としても、こうして文章入力に悪戦苦闘しておる次第です。それ故、あまりにも難しい部分は現代風に変えております。[例 涙がホロホロ零る→涙がホロホロ落ちる]しかし、文章全体の雰囲気はなるべく壊さないようにしています。その点、ご了承ください。また、言葉の意味の変換ミスがあるかもしれませんが、その点もどうかご了承ください)

 手帳を繰り広げてみると、私が初めて新樹に向かって伊勢参宮の話を持ち出したのは、昭和四年八月十二日のことでした。彼は私の言いつけに従って、早速幽界居住者としての、最初の大廟参拝を試みましたが、当時の彼としては、いささか荷が勝ち過ぎた嫌いがあり、その報告が委細を尽くすところまでに達していない物足りなさがありました。記録のままを紹介すると、次の通りであります-
 「只今指導者のお爺さんに頼んで、大廟に参拝させてもらいました。道中は全然抜きで、どこをどう通ったのか、少しも判りませんが、兎に角御神苑のような所に出ました。僕生前ただの一度も大廟へお詣りしたことがないから、はっきりした比較が出来ませんが、兎に角絵に見た地上の大廟とは、大変に様子が違っていますネ。辺りは森々たる大木の杉の森で、その中に小さい白木のお宮がただ一つ、ポツンと建っているだけです。僕何だか勝手が違ったような気がして、これが果たして大廟かしら?と思っていると、お爺さんは直ぐ僕の心を察して、こう言われました。「こちらの世界と、人間の世界とは違うのが当然だ。地上では人間の手が要るので、色々付属の建物なども出来ているが、神界にその必要はない。神様はチャンとここに静まって居られるのだ・・・」
 お爺さんがそう言われた瞬間に、丁度杉木立の茂みの中、お宮のずっと上方に、一人の女神・・・お齢は先ず二十位に見る、世にも神々しい女神のお姿が、スーッと拝まれました。この神様が、日本国をお守りくださる、一番上の神様かと思うと、僕自然に総身が引き締まって、覚えずそこへひれ伏してしまいました・・・。
 お爺さんの説明によると、天照大御神様は宇宙の活神様で、人体に宿られたことはないお方だそうですネ。従ってあのお姿も、仮のお姿だということですが、僕達にはまだ深いことはさっぱり判りません・・・」