自殺ダメ



 寿命が尽き、いよいよ死ぬ時期が近付くと、一種の緊張の弛みを感じる。苦痛も不快感も消える。その内肉体からフワッと浮き上がるような感じがする。アドバルーンのような感じである。ふと下を見ると自分(の肉体)が横たわっている。
 その肉体と本当の自分とは細い銀色の紐のようなもので繋がっている。それが生き生きとした光輝を発しながら鼓動している。これが所謂玉の緒、生命の糸である。上昇するにつれてその紐が伸びて細くなり、同時に光輝も薄くなって、ついには消えてしまう。紐も見えない。その時あなたは死んだのである。暫くは浮いたままの状態で下を見下ろしている。気分は良く、楽である。やがて更に上昇して灰色のモヤの中を通って行く。するとそこに仲間達が待っている。地上時代の背後霊である。笑顔で迎え握手をする。そして一緒にモヤの中を通り抜けて行く。そこが死後の世界である。
 スピリットの容姿はその人の最盛期の相をしている。一人一人皆違う。四十代の働き盛りの姿をしている男性もおれば、二十代の最高に美しい容姿をしている女性もいる。人間が死んであの世へ行くと、皆それぞれの最高の容姿に変わっていく。老人は皺が消えて絶頂期の相になる。そしてその相をずっと維持する。ただ変化するのは霊的成長と共にオーラの輝きが増すということだけである。
 子供であれば地上でいう成人の段階まで霊界で成長する。勿論縁ある人と再会し先に死んで行った友達とも会える。すっかり成長すると、今度は地上からやって来る人達の案内や指導の役をしたりする。そしてある時期が来ると、もう一段高い世界へと進んで行く者もあれば、もしも物質的体験が不足しているとみれば、先に述べた順序を経て再び地上へと戻って来る。