自殺ダメ




 死後の世界では肉体がなく、従って肉体的欲望つまり性欲がない以上、地上でいうところの結婚はない。愛によって結ばれて共に暮らすということが霊界の結婚であり、そういう形態は地上でも無いことはない。性欲に起因する肉体的交渉も一種の愛の形態ではあるが、地上にしろ霊界にしろ、結婚の真の形態は二人の人間の間の霊的親和力による一体的生活をいう。
 従って地上で夫婦であった者が他界した場合、両者の間に真の愛があれば-というより真の愛が存在する時にのみ、両者は霊界でも一緒に生活することが出来る。仮に片方が先に他界した場合は、地上に残った配偶者を霊界から見守る。そしてその配偶者が地上を去ると出迎えて再び一緒の生活を始める。
 但しそれは真の愛によって結ばれた二人の場合である。愛こそが判断の基準である。教会で結婚式を挙げようと回教の寺院で挙げようと、或いはただの入籍だけで済まそうと、そんなことは何の関係もない。二人の間に親和力が存在すれば、つまり元々一つの魂が男女に別れてこの世に生まれた場合であれば、両者の結婚は二つの魂が一つに結合されることであり、これなら死後も一体のままである。
 もしもその親和力の関係が存在しない場合は霊界では必ず別れ別れになる。たとえ友情によって結ばれていても生活は別々になる。
 では離婚して別の人と結婚した場合はどうなるのかということになるが、答えは簡単である。魂の親和力による結合は一度しか有り得ないのであるから、地上で何度結婚しようと、霊界で真の魂の相手を見つけて、そこで真に結ばれるのである。