自殺ダメ


 何も準備などする必要はない。大急ぎで慈善事業に寄付したり、急に真面目な顔をして教会へ通い始めたり、或いは聖人君子のようないいカッコをしても何にもならない。死後を恐れるからそんなことをするのである。永遠の火炙りの刑が恐くて善行を施すのは愚かである。神と取引しようとしても無駄である。死に備える方法はただ一つ-自分の道義心に忠実に生きること、これしかない。
 世界の宗教の歴史を紐解いてみるとよい。いつの時代のどの国にも、必ず霊覚を具えた指導者が出て人の道を説いている。キリストの山上の垂訓、モーゼの十戒、マホメットのコーラン、どれを読んでも必ず共通したものが流れている。全ての宗教、全ての思想に共通した黄金律がある。細部では相違点もあろうが、驚く程多くの共通点を見出す筈である。
 その黄金律を自分で見出すことである。自分で勉強し、先に説いたように、背後霊に対し無欲になり切って指導を仰ぐことである。自分にとってどう生きるのが一番正しいか、それを自ら判断し自ら実行することである。
 神も仏も信じず、贅沢三昧の暮らしをしている億万長者を見て、あんな人でも成功しているではないか、などと思ってはいけない。金は確実に魂を蝕む。あなたが羨ましがっているその人は、もしかしたら冠状動脈血栓症を患い、子供がなく、その気晴らしに贅沢三昧をしている気の毒な人かも知れない。霊界へ行ってから地上生活が殆ど無意味だったことを知るであろう。むしろ哀れむべき人なのである。
 それよりも寧ろ、質素ながら満ち足りた生活を送っている人々、きちんとした夫婦生活を営み、子供に囲まれ、友人に恵まれ、進んで他人の為に心を砕き、悲しみに沈む人を慰め、人を勇気付けることの出来る人。心に温もりを持った人。霊的真理に目覚めた人。そういう人にこそ目を向けるべきである。
 死ぬということは実は楽しい冒険であり、右のような魂の目覚めた人こそ堂々と、そして平然と、その冒険に挑戦出来る人である。果たしてあなたはどうであろうか・・・・。