自殺ダメ



除霊と浄霊-リーディング(霊査)とは?

 間部先生との最初の出会いの場に戻ろう。母と長兄との十年ぶりの劇的な再会による感動の嵐が収まって、今度は私の番となった。
 先生はまず最初に全身を霊的に検診する。これを英語で“リーディング”Reading といい日本語の“霊査”に当たる。日本では古くからある手法であるが、スピリチュアリズム以降、その意味合いが変わっていることを理解しなればならない。
 霊査を受ける者は敷布団の上にうつ伏せになる。その背中に先生が右手を置くと、先生の手がひとりでに動いて悪い箇所に行く。それが終わると先生に背を向けて正座をする。先生は背後からオーラの塵を払うような仕草をし、両手を合わせて瞑目する。するとその人にまつわる因縁霊が霊視される。先生の背後霊団が「見せる」のである。確認が済むと拍手を打って終わりとなる。が、それで全てが終った訳ではない。そこからが肝心である。スピリチュアリズムの原理に照らして極めて大切なことなので、煩(はん)を厭(いと)わず紹介しておく。
 先生は霊眼に映った霊-所謂“霊障”の原因となっている霊-について本人ないしは付き添っている家族の者から姓名・年齢(死んだ時の)などを聞き出し、それを縦10センチ、横3センチ程の短冊二枚に書き記す。よく分からない場合は<○○歳代の男性(女性)の霊>と書く。そして一枚をその人ないしは家族の者に手渡して、三日間、神棚か仏壇或いはどこか清浄な場所に祀ってお水を供え、三日後に樹木の根元などの清浄な場所で焼くか、ないしは川に流すようにと仰る。
 もう一枚は先生が自宅に持ち帰り、一枚一枚手にしてその霊を呼び出し(背後霊団が連れて来る)、霊的な境遇について諭す。死んだことすら知らずにいることが多いという。これでやっと“浄霊”が終わったのであって、所謂“除霊”だけでは十分でないし、危険でさえあることを敢えて警告しておきたい。
 実は世界中のスピリチュアリズム系の霊能者の背後霊団が、手段こそ違え原理的にはこれと同じことをやっている。西洋では除霊とか浄霊をしないと思っている人が多いが、それは表面だけを見てそう思っているだけで、裏面では担当の霊団がきちんとアフターケアを行っているのである。それを顕著な形で見せてくれたのが米国のウィックランド博士夫妻で、30年余にわたる献身的な仕事をThirty Years Among the Dead by Dr. Carl Wickland (日本語訳『迷える霊との対話』ハート出版)の一冊に纏めている。
 分かり易く説明すれば、患者に憑依している霊を霊媒のアンナ(博士の奥さん)に転移させ、その口で霊に喋らせてウィックランド博士が対話をし、霊的教訓を説き聞かせて真理に目覚めさせる。それが成功してもしなくても、最後は「慈悲団」Mercy Band と名乗る霊団に強制的に引き渡す。霊団はその霊を自分が置かれている環境、地上の人間に与えている迷惑などについて理解するように指導する。霊界にはその為の施設が人間の想像以上に完備しているという。
 現役の英国の女性霊能者ドロシー・トゥール Dorothy Toole は典型的なスピリチュアリズム系のヒーラーであるが、この人は一日に三人ないしは四人のリーディングが精一杯で、「それ以上やると霊的な処置が出来なくなります」と、筆者へのE-メールで述べている。この「霊的な処置」というのが霊界の担当霊が行なうアフターケアのことで、これを疎かにして片っ端から除霊していくと、後で必ず“しっぺ返し”を負う。
 あんなに病人を奇跡的に治していた先生自身がなぜ病に倒れたり、あっさりと死んだりするのだろうと思われるケースがあるが、それはそうした霊的実情の理解を怠り、“自分が治している”と思うその自惚れに原因がある。既に述べたように、その段階では高級霊団は既に引き揚げている。見捨てたのではなく、波動が合わなくなって、その波動に似合った霊団と入れ替わっているのである。