自殺ダメ


 1914年2月9日の霊夢に於ける叔父さんは頗る研究的な態度で、相当苦心の結果に成ったらしい一の図表をワード氏に示し、霊界の組織をはじめ各境の関係交渉等を熱心に説明しました。研究が念入りであるだけ、それだけ読むのに少々骨が折れますが、一旦これを腹に入れておくと色々の点に於いて大変重要であります。
 叔父さんは学校の教師然たる態度で次の説明を始めました。
 「今日は一般研究者の便宜の為に霊界の区画の説明から始めることにしましょう。さて霊界の分け方はこうである。
 一、信仰と実務と合致せる境。
 二、信仰ありて実務の伴わざる境。
 三、半信仰の境。
 四、無信仰の境-地獄。
 全て霊魂は幽界(アストラル・プレーン)の最高の境涯-即ち卒業期に達した時に言わば二度目の死というべきものに遭遇する。換言すれば其処で幽体を放棄してしまうのである。が、ここまで向上した霊魂はむしろ幽体を失うことを歓んでいる。地上の人間が死を怖れるのとは大分訳が違う。それだけの準備が出来ていない霊魂は決して幽界の境界線を越すことは出来ない。
 さて死者の霊魂が一旦幽界を出て霊界(スピリット・プレーン)に入ると、もう後へは戻れない。宇宙間は幽界までも入れて全て七つの世界がある。七つの中の最上界は無論上帝と共にあるところの理想境である。
 ワシの居る霊界は第六界で、即ち幽界の次の世界である。ワシ達は時節が来るまで第五界には行かれない。が、一旦行けばもう二度と戻れない。
 しかし、この規則には多少の例外が設けてあって各界の間に全然交通が途絶している程ではない。何ぞ正当の理由があれば上界の使者がワシ達の許に送られる。丁度我々が何かの理由で時とすれば地上に姿を現すのと同様じゃ。
 が、それよりもっと普通の交通法は霊媒を用いることである。ワシ達がお前の体を機関として人間界と交通するのと同様に、第五界の者はワシ達の中から適当な霊魂を選んで、それを媒介として交通を試みる。従って第五界発の通信が人間界に届くまでには途中で二人の霊媒が取り次ぎをせねばならぬ。
 第六界に属するそれぞれの境は更に幾つかの部に分かれ、その各部は又幾つかの組に分かれる。よく呑み込めるように、ワシは霊界の図表を見せてあげる」
 叔父さんの話が其処まで進んだ時に大きな一枚の紙がワード氏の眼前に現れ、それには霊界の図表が書いてあったが、紙の地質は暗灰色で、それに火の文字が極めて鮮やかに浮き出ていたそうであります。

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難しい漢字の解説(自殺ダメ管理人調べ)

 猶太=ユダヤ
 囘=イスラム
 浸禮=洗礼?=バプテスマ(キリスト教の一派を指すのか?ちなみにバプテスマはキリスト教の儀式)
 沸教=仏教
 萬有=万有(草も木も一切神 とみる見方)
 白晝(はくちゅう)=昼間のように明るい、という意味だと思われる。