自殺ダメ



 2月26日にはワード氏の愛嬢(ブランシ)が又もやお祖父さんの姿を見ました。時刻は午後七時頃で、彼女は母親のカーリーと共に客間に居たのですが、ふと窓側へ行って暗がりの室内から空を見上げると同時に叫びました-
 「アレ!お祖父さまが空を通る!手に持っている蝋燭の光が星みたいにキラキラする・・・。行ったり来たりしていらっしゃる・・・。もうお部屋へ戻って御本を手に持って勉強していなさる・・・・」
 それから直ぐに又、
 「アラお祖父さまが又こちらへ向いて来るわ!アラ背後から小さい娘がついて来る。ベッティみたいだけど髪が赤いわ。手に人形を持っているわ。お祖父さまはあの娘の手をとって何とか言っていらっしゃる・・・」
 ベッティというのは彼女の従妹で、その時六歳だったそうです。
 7時45分頃に彼女は母と庭に出て行ったが、その時も又叫びました。
 「ホラあそこにお祖父さまが見えるでしょう。お祖父さまは星を摘んで花束みたいなものにしていらっしゃるが、きっと星と花とを間違えているのだわ・・・。アラ!あの星を花瓶に挿している!」
 するとそれから越えて数日、三月二日の晩にワード氏は霊夢状態に於いて叔父さんと長い会話を交えました。愛嬢の星の風評はその時自然に話題に上りました。
 ワード「ブランシは先般あなたが星を摘んでいるのを見たと言いますが、そんなことがあったのですか?」
 叔父「ワシは花なら摘みますが、星は摘みませんよ-察するところ霊界の花は星のようにキラキラ光っているからブランシはそれを星と見違いたに相違ない。いくらか肉眼でも手伝ったものとみえる・・・・」
 ワード「赤い髪の娘というのはご存じでございますか?」
 叔父「あれは近頃霊界へ来たばかりの娘じゃ。たった一人で寂しそうにしているのが気の毒でつい面倒を見てやる気になってね-近頃はこちらの女学校に通っておる」
 ワード「では霊界では男女の合併教育はせぬのでございますか?」
 叔父「そういう訳でもない。ある子供達は合併でやっている。類は類を以って集まるの類でな・・・・」
 ワード「あなたは霊界で大勢の婦人にお会いでしたか?」
 叔父「まだ大勢には会いません。先へ行けばもっと沢山の婦人に会われます」
 ワード「時に叔父さん、霊界の花は摘み取っても枯れはしませんか?」
 叔父「枯れません-枯れる筈がありません。霊界の花はただ形じゃ。いかに摘んでも形は残ります。つまり樹の枝から摘み取ってワシの手に移すまでの話じゃ。樹に付いておろうが、花瓶に挿してあろうが、枯死する気遣いは全くありません」
 ワード「目茶目茶に引き千切ったら枯れるでしょうか?」
 叔父「ワシ達はそんな乱暴な真似はしません。花は花の権能を持っています。が、いかに千切っても砕いても花はやはり枯れません。そしてやがて又結合します」
 ワード「こいつはカーリーから頼まれた質問ですが、あなたは着ている衣服を脱いで他の衣服に着替えることがお出来なさいますか?私の言葉の意味がお分かりでしょうな?」
 叔父「勿論分かっておる。一体ワシの衣服は皆ワシの意思で作ったのじゃ。で、ワシが若し生前の姿になって地上に現れようとすれば、直ぐに衣服はそう変わるのじゃ。生前のように衣服を脱いで着替えるというような面倒な真似は絶対にせぬ。無論ワシ達の衣服は何時まで経っても擦り切れる憂いはない。自分でこのままでよいと思えば何時までもそのままでいる。変えようと思えば即座に変わる。新調の衣服は望み次第、いつでも出来る・・・」
 ワード「大変どうも都合がよいものですな。カーリーが聞いたらさぞ羨ましく思いましょう」