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自殺してはならない霊的な理由

★『小桜姫物語』

自殺ダメ


 (自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)

 岩屋の修行中に私が自分の守護霊と初めて会ったお話を申し上げたばかりに、ツイこんな長談議を致してしまいました。こんな拙い話が幾分たりともあなた方の御参考になればこの上もなき幸せでございます。
 ついでに、その際私と私の守護霊との間に行なわれた問答の一部を一応お話致しておきましょう。格別面白くもございませぬが、私にとりましてはこれでも忘れ難い思い出の種子なのでございます。
 問『あなたが私の守護霊であると仰るなら、何故もっと早くお出ましにならなかったのでございますか?今迄私はお爺様ばかりを杖とも柱とも頼りにして、心細い日を送っておりましたが、もしもあなたのような優しい御方が最初からお世話をして下さったら、どんなにか心強いことであったでございましたろう・・・・』
 答『それは一応もっともなる怨み言であれど、神界には神界の掟というものがあるのです。あのお爺様は昔から産土神のお神使として、新たに帰幽した者を取り扱うことにかけてはこの上もなくお上手で、とても私などの足元にも及ぶことではありませぬ。私などは修行も未熟、それに人情味と言ったようなものが、まだまだ大変に強過ぎて、思い切って厳しい躾を施す勇気のないのが何よりの欠点なのです。あなたの帰幽当時の、あの烈しい狂乱と執着・・・・とても私などの手に負えたものではありませぬ。うっかりしたら、お守役の私までが、あの昂奮の渦の中に引き込まれて、いたずらに泣いたり、怨んだりすることになったかも知れませぬ。かたがた私としてはわざと差し控えて蔭から見守っているだけに留めました。結局そうした方があなたの身の為になったのです・・・・・』
 問『では今までただお姿を見せないというだけで、あなた様は私の狂乱の状態を蔭からすっかり御覧になってはおられましたので・・・・』
 答『それは勿論のことでございます。あなたの一身上の事柄は、現世に居った時のことも、又こちらの世界に移ってからの事も、一切知り抜いております。それが守護霊というものの役目で、あなたの生活は同時に又大体私の生活でもあったのです。私の修行が未熟なばかりに、随分あなたにも苦労をさせました・・・・・』
 問『まあ勿体無いお言葉、そんなに仰せられますと私は穴へも入りたい思いが致します・・・・。それにしてもあなた様は何と仰る御方で、そしていつ頃の時代に現世にお生まれ遊ばされましたか・・・・』
 答『改めて名乗る程のものではないのですが、こうした深い因縁の絆で結ばれている上からは、一通り自分の素性を申し上げておくことに致しましょう。私はもと京の生まれ、父は粟屋左兵衛と申して禁裡に仕えたものでございます。私の名は佐和子、二十五歳で現世を去りました。私の地上に居った頃は朝廷が南と北との二つに別れ、一方には新田、楠木などが控え、他方には足利その他東国の武士共が付き従い、殆ど連日戦闘のない日とてもない有様でした・・・。私の父は旗色の悪い南朝方のもので、従って私共は生前に随分数々の苦労辛酸を嘗めました・・・・』
 問『まあそれはお気の毒なお身の上・・・・・私の身に引き比べて、心からお察し致します・・・・。それにしても二十五歳で亡くなられたとの事でございますが、それまでずっとお独り身で・・・・・』
 答『独り身で居りましたが、それには深い理由があるのです・・・。実は・・・今更物語るのも辛いのですが、私には幼い時から許婚(いいなずけ)の人がありました。そして近い内に黄道吉日を選んで、婚礼の式を挙げようとしていた際に、不図起こりましたのがあの戦乱、間もなく良人となるべき人は戦場の露と消え、私の若き日の楽しい夢は無惨にも一朝にして吹き散らされてしまいました・・・。それからの私はただ一個の魂の脱けた生きた骸・・・・丁度蝕まれた花の蕾のしぼむように、次第に元気を失って、二十五の春に、寂しくポタリと地面に落ちてしまったのです。あなたの生涯も随分辛い一生ではありましたが、それでも私のに比ぶれば、まだ遙かに花も実もあって、どれだけ幸せだったか知れませぬ。上を見れば限りもないが、下を見ればまだ際限もないのです。何事も皆深い深い因縁の結果と諦めて、お互いに無益の愚痴などはこぼさぬことに致しましょう。お爺さまの御指導のお蔭で近頃のあなたはよほど立派にはなりましたが、まだまだ諦めが足りないように思います。これからは私もちょいちょい見回りに回り、ともども向上を図りましょう・・・・』
 その日の問答は大体こんなところで終りましたが、こうした一人の優しい指導者が見つかったことは、私にとりて、どれだけの心強さであったか知れませぬ。その後私の守護霊は約束の通り、しばしば私の許に訪れて、色々と有り難い援助を与えてくださいました。私は心から私の優しい守護霊に感謝しておるものでございます。
       
       
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自殺ダメ


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 私の最初の修行場-岩屋の中での物語は一先ずこの辺で区切りを付けまして、これから第二の山の修行場の方に移ることに致しましょう。修行場の変更などと申しますと、現世式に考えれば、随分億劫な、何やらどさくさした、うるさい仕事のように思われましょうが、こちらの世界の引越しは至極あっさりしたものでございます。それは場所の変更と申すよりは、寧ろ境涯の変更、又は気分の変更と申すものかも知れませぬ。現にあの岩屋にしても、最初は何やら薄暗い陰鬱な所のように感ぜられましたが、それがいつとはなしに段々明るくなって、最後には全然普通の明るさ、少しも穴の内部という感じがしなくなり、それに連れて私自身の気持もずっと晴れやかになり、戸外へ出掛けてそぞろ歩きでもしてみたいというような風になりました。確かにこちらでは気分と境涯とがぴッたり一致しているもののように感ぜられます。
 ある日私がいつになく統一の修行に倦(あ)きて、岩屋の入口まで何とはなしに歩み出た時のことでございました。ひょっくりそこへ現れたのが例の指導役のお爺さんでした。-
 『そなたは戸外へ出たがっているようじゃナ』
 図星をさされて私は少し決まりが悪く感じました。
 『お爺さま、どういうものか今日は気が落ち付かないで困るのでございます・・・。私はどこかへ遊びに出掛けたくなりました』
 『遊びに出たい時には出ればよいのじゃ。ワシがよい場所へ案内してあげる・・・・』
 お爺さんまでが今日はいつもよりも晴々しい面持で誘って下さいますので、私も大変嬉しい気分になって、お爺さんの後について出掛けました。
 岩屋から少し参りますと、モーそこは直ぐ爪先上りになって、右も左も、杉や松や、その他の常盤木のしんしんと茂った、相当険しい山でございます。あの、現界の景色と同一かと仰るか・・・・・左様でございます。格別違ってもおりませぬが、ただ現界の山よりは何やら奥深く、神さびて、ものすごくはないかと感じられる位のものでございます。私達の辿る小路の直ぐ下は薄暗い谷になっていて、茂みの中を潜る水音が、微かにさらさらと響いていましたが、気のせいか、その水音までが何となく沈んで聞こえました。
 『モー少し行った所に大変に良い山の修行場がある』とお爺さんは道々私に話しかけます。
 『多分そちの気に入るであろうと思うが、兎も角も一応現場へ行ってみるとしようか・・・・』
 『どうぞお願い致します・・・・・』
 私はただちょっと見物する位のつもりで軽く御返事をしたのでした。
 間もなく一つの険しい坂を登り詰めると、そこはやや平坦な崖地になっていました。そして四辺にはとても枝ぶりのよい、見上げるような杉の大木がぎっしりと建ち並んでおりましたが、その中の一番大きい老木には注連縄が張ってあり、そしてその傍らに白木造りの、小さい建物がありました。四方を板囲いにして、僅かに正面の入口のみを残し、内部は三坪ばかりの板敷、屋根は丸味のついたこけら葺き、どこにも装飾らしいものはないのですが、ただ全てがいかにも神さびて、屋根にも、柱にも、古い苔が厚く蒸しており、それが塵一つなき、あくまで清らかな環境としっくり融け合っておりますので、実に何ともいえぬ落ち着きがありました。私は覚えず叫びました。-
 『まァ何という結構な所でございましょう!私、こんなところで暮らしとうございます・・・・』
 するとお爺さんは満足らしい微笑を老顔に湛えて、おもむろに言われました。-
 『実はここがそちの修行場なのじゃ。モー別に下の岩屋に帰るにも及ばぬ。早速内部へ入ってみるがよい。何もかも一切取り揃えてあるから・・・・』
 私は嬉しくもあれば、また意外でもあり、言われるままに急いで建物の内部へ入ってみますと、中央正面の白木の机の上には果して日頃信仰の目標である、例の御神鏡がいつの間にか据えられており、そしてその側には、私の母の形見の、あの懐かしい懐剣までもきちんと載せられてありました。
 私は我を忘れて御神前に拝跪(はいき)して心から感謝の言葉を述べたことでございました。
 大体これが岩屋の修行場から山の修行場へ引越した時の実況でございます。現世の方から見れば一片の夢物語のように聴こえるでございましょうが、そこが現世と幽界との相違なのだから何とも致し方がございませぬ。私共とても、幽界に入ったばかりの当座は、何やら全てが頼りなく、又呆気なく思われて仕方がなかったもので・・・。しかし段々慣れて来るとやはりこちらの生活の方が結構に感じられて来ました。僅か半里か一里の隣の村に行くのにさえ、やれ従者だ、輿物(のりもの)だ、御召換(おめしがえ)だ・・・・、半日もかかって大騒ぎをせねばならぬような、あんな面倒臭い現世の生活を送りながら、よくも格別の不平も言わずに暮らせたものである・・・。私は段々そんな風に感ずるようになったのでございます。何れ、あなた方にも、その味がやがてお判りになる時が参ります・・・。
       
       
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 (自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)

 山の修行場へ移ってからの私は、何とはなしに気分がよほど晴れやかになったらしいのが自分にも感ぜられました。主なる仕事はやはり御神前に静座して精神統一をやるのでございますが、ただ合間々々に私はよく室外へ出て、四辺の景色を眺めたり、鳥の声に耳をすませたりするようになりました。
 前にも申し上げた通り、私の修行場の所在地は山の中腹の平坦地で、崖の上に立って眺めますと、立木の隙間からずっと遠方が眼に入り、中々の絶景でございます。どこにも平野らしい所はなく、見渡す限り山又山、高いのも低いのも、又色の濃いのも淡いのも、色々ありますが、どれも皆樹木の茂った山ばかり、尖った岩山などはただの一つも見えません。それ等が十重二重に重なり合って絵巻物をくり広げているところは、全く素晴らしい眺めで、ツイうっとりと見惚れて、時の経つのも忘れてしまう位でございます。
 それから又あちこちの木々の茂みの中に、何ともいえぬ美しい鳥の音が聴こえます。それは、昔鎌倉の奥山でよく聴き慣れたホトトギスの声に幾分似たところもありますが、しかしそれよりはもっと冴えて、賑やかで、そして複雑な音色でございます。ただ一人の話相手とてもない私はどれだけこの鳥の音に慰められたか知れませぬ。どんな種類の鳥かしらと、或る時念の為にお爺さんに伺ってみましたら、それはこちらの世界でもよほど珍しい鳥で、現界には全然棲んでいないと申すことでございました。もっとも音色が美しい割に毛並みは案外つまらない鳥で、ある時不図近くの枝にとまっているところを見ると、大きさは鳩位、幾分現界の鷹に似て、頚部に長い毛が生えていました。幽界の鳥でもやはり声と毛並みとは揃わぬものかしらと感心したことでございました。
 もう一つここの景色の中で特に私の眼を惹いたものは、向かって右手の山の中腹に、青葉隠れにちらちら見える一つの丹塗りのお宮でございました。それはホンの三尺四方位の小さい社(やしろ)なのですが、見渡す限りただ緑の一色しかない中に、そのお宮だけがくっきりと朱(あか)く冴えているので大変に目立つのでございます。私の心は次第に、そのお宮に引きつけられる様になりました。
 で、ある日お爺さんが見舞われた時私は訊ねました。-
 『お爺さま、あそこに大そう美しい、丹塗りのお宮が見えますが、あれはどなた様をお祀りしてあるのでございますか』
 『あれは龍神様のお宮じゃ。これからはワシにばかり頼らず、直接に龍神様にもお頼みするがよい・・・・』
 『龍神様でございますか?』私は大変意外に感じまして、
 『一体それはどういう神様でございますか?』
 『そろそろ汝も龍神との深い関係を知っておかねばなるまい。よほど奥深い事柄であるから、とても一度で腑には落ちまいが、その中段々判って来る・・・・・』
 お爺さんはあたかも寺子屋のお師匠さんと言った面持で、色々講釈をしてくださいました。お爺さんはこんな風に説き出されました。-
 『龍神というのは一口に言えば元の活神、つまり人間が現世に現れる前から、こちらの世界で働いている神々じゃ。時として龍の姿を現すから龍神には相違ないが、しかしいつもあんな恐ろしい姿で居るのではない。時と場合で優しい神の姿にもなれば、又一つの丸い球にもなる。現にワシなども龍神の一人であるが、汝の指導役として現れる時は、いつもこのような、老人の姿になっている・・・・。ところで、この龍神と人間との関係であるが、人間の方では、何も知らずに、最初から自分一つの力で生まれたもののように思っておるが、実は人間は龍神の分霊、つまりその子孫なのじゃ。ただ龍神はどこまでもこちらの世界の者、人間は地の世界の者であるから、幽から顕への移り変わりの仕事は誠に困難で、長い長い歳月を経て漸くのことでモノになったのじゃ。詳しいことは後で追々話すとして、兎に角人間は龍神の子孫、汝とても元へ遡れば、やはりさる尊い龍神様の御末裔なのじゃ。これからはよくその事を弁えて、あの龍神様のお宮へお詣りせねばならぬ。又機会を見て龍宮界へも案内し、乙姫様にお目通りをさしてもあげる』
 お爺さんのお話は、何にやら回りくどいようで、中々当時の私の腑に落ち兼ねたことは申すまでもありますまい。殊にをかしかったのが、龍宮界だの、乙姫様だのと申すことで、私は思わず笑い出してしまいました。-
 『まァ龍宮などと申すものが実際この世にあるのでございますか。-あれは人間の作り事ではないでしょうか・・・・』
 『決してそうではない』とお爺さんはあくまで真面目に、『人間界に伝わる、あの龍宮の物語は実際こちらの世界で起こった事実が、幾分尾ひれをつけて面白おかしくなっているまでじゃ。そもそも龍宮と申すのは、あれは神々のお寛ぎ遊ばす所・・・言わば人間界の過程の如きものじゃ。前にも述べた通り、こちらの世界は造りつけの現界とは異なり、場所も、家屋も、又姿も、皆意思のままにどのようにも変えられる。で、龍宮界のみを龍神の世界と思うのは大きな間違いで、龍神の働く世界は、他に限りもなく存在するのである。が、しかし神々にとりて何よりも嬉しいのはやはりあの龍宮界である。龍宮界は主に乙姫様のお指図で出来上がった、家庭的の理想境なのじゃ』
 『乙姫様と仰ると・・・・・』
 『それは龍宮界で一番上の姫神様で、日本の昔の物語に豊玉姫(とよたまひめ)とあるのがつまりその御方じゃ。神々のお好みがあるので、他にも様々の世界があちこちに出来てはいるが、それ等の中で、何と申しても一番立ち優っているのはやはりこの龍宮界じゃ。全てがいかにも清らかで、優雅で、そして華美な中に何ともいえぬ神々しいところがある。とてもワシの口で述べ尽くせるものではない。汝も成るべく早く修行を積んで、実地に龍宮界へ行って、乙姫様にもお目通りを願うがよい・・・・』
 『私のようなものにもそれが叶いましょうか・・・・』
 『それは勿論叶う・・・・イヤ叶わねばならぬ深い因縁がある。何を隠そう汝は元々乙姫様の系統を引いているので、そちの龍宮行は言わば一種の里帰りのようなものじゃ・・・・・・』
 お爺さんの述べる所はまだしっくり私の胸にはまりませんでしたが、しかしそれが一ト方ならず私の好奇心をそそったのは事実でございました。それからの私は絶えず龍宮界の事、乙姫様の事ばかり考え込むようになり、私の幽界生活に一の大切なる転換期となりました。
 が、私の龍宮行きはそれから暫く過ぎてからの事でございました。
       
       
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 (自殺ダメ管理人よりの注意 この元の文章は古い時代の難解な漢字が使用されている箇所が多数あり、辞書で調べながら現代で使用するような簡単な漢字に変換して入力しています。しかし、入力の過程で、間違える可能性もあります故、どうかご了承ください)

 順序として、これからボツボツ龍宮界のお話を致さねばならなくなりましたが、元々口の拙(つたな)い私が、私よりももっと口の拙い女の口を使って通信を致すのでございますから、さぞ全てがつまらなく、一向に他愛のない夢物語になってしまいそうで、それが何より気掛かりでございます。と申して、この話を省いてしまえば私の幽界生活の記録に大きな孔(あな)が開くことになって筋道が立たなくなるおそれがございます。まあ致し方がございませぬ、せいぜい気をつけて、私の実地の観たまま、感じたままをそっくり申し上げることに致しましょう。
 ここでちょっと申し添えて置きたいのは、私の修行場の右の山の半腹に在る、あの小さい龍神の祠(やしろ)のことでございます。私は龍宮行きをする前に、しょっちゅうそのお祠へ参拝したのでございますが、それがつまり私にとりて龍宮行きの準備だったのでございました。私はそこで乙姫様から色々と有り難い教訓やら、お指図やら、又お優しい慰めのお言葉やらを頂きました。お蔭で私は自分でも気がつく程めきめきと元気が出てまいりました。『その様子なら汝も近い内に乙姫様のお目通りが出来そうじゃ・・・・』指導役のお爺さんもそんなことを言って私を励ましてくださいました。
 ここで私が龍神様のお祠へ行って、色々お指図を受けたなどと申しますと、現世の方々の中には何やら異様にお考えになられる者がないとも限りませぬが、それば現世の方々が、まだ神社というものの性質をよく御存知ない為かと存じます。お宮というものは、あれはただお賽銭を上げて、拍手を打って、首を下げて引き下がる為に出来ている飾り物ではないようでございます。又心籠めて一生懸命に祈願をすれば、それが直ちに神様の御胸に通じ、同時に神様からもこれに対する応答が降り、時とすればありありとそのお姿までも拝ませて頂けるのでございます・・・。つまり、全ては魂と魂との交通を狙ったもので、こればかりは実に何とも言えぬほど巧い仕組みになっているのでございます。私が山の修行場に居りながら、どうやら龍宮界の模様が少しずつ判りかけたのも、全くこの有り難い神社参拝の賜物でございました。勿論地上の人間は肉体という厄介なものに包まれておりますから、いかに神社の前で精神の統一をなされても、そう容易に神様との交通は出来ますまいが、私共のように、肉体を棄ててこちらの世界へ引越したものになりますと、殆ど全ての仕事はこの仕掛けのみによりて行なわれるのでございます。ナニ人間の世界にも近頃電話だの、ラジオだのという、重宝な機械が発明されたと仰るか・・・・それは大変結構なことでございます。しかしそれなら尚更私の申し上げる事がよくお判りの筈で、神社の装置もラジオとやらの装置も、理屈は大体似たものかも知れぬ・・・。
 まあ大変つまらぬ事を申し上げてしまいました。では早速これから龍宮行きの模様をお話させて頂きます・・・。
       
       
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 こちらの世界の仕事は、何をするにも至極あっさりしていまして、全てが手っ取り早く運ばれるのでございますが、それでもいよいよこれから龍宮行と決まった時には、そこに相当の準備の必要がありました。何より肝要なのは斎戒沐浴・・・・つまり心身を清める仕事でございます。勿論私共には肉体はないのでございますから、人間のように実地に水などを被りは致しませぬ。ただ水を被ったような清浄な気分になればそれで宜しいので、そうすると、いつの間にか服装までも、自然に白衣に変わっているのでございます。心と姿とがいつもぴったり一致するのが、こちらの世界の掟で、人間界のように心と姿とを別々に使い分けることばかりはとても出来ないのでございます。
 兎も角も私は白衣姿で、先ず御神前に端座祈願し、それからあの龍神様のお祠へ詣でて、これから龍宮界へ参らせて頂きますと御報告申し上げました。先方から何とか返答があったかと仰るか・・・・それは無論ありました。『歓んであなたのお出でをお待ちしております・・・』とそれはそれは丁重な御挨拶でございました。
 龍神様のお祠から自分の修行場へ戻ってみると、もう指導役のお爺さんが、そこでお待ちになっておられました。
 『準備が出来たら直ぐに出掛けると致そう。ワシが龍宮の入り口まで送ってあげる。それから先は汝一人で行くのじゃ。何も修行の為である。あまりワシに頼る気になっては面白うない・・・』
 そう言われた時に、私は何やら少し心細く感じましたが、それでも直ぐに気を取り直して旅支度を整えました。私のその時の旅姿でございますか・・・。それは現世の旅姿そのまま、言わばその写しでございます。かねて龍宮界は世にも綺麗な、華美なところと伺っておりますので、私もそのつもりになり、白衣の上に、私の生前一番好きな色模様の衣装を重ねました。それは綿に入った、裾の厚いものでございますので、道中は腰の所で紐で結べるのでございます。それからもう一つ道中姿に無くてはならないのが被衣(かつぎ)・・・私は生前の好みで、白の被衣をつけることにしました。履物は厚い草履でございます。
 お爺さんは私の姿を見て、にこにこしながら『中々念の入った道中姿じゃナ。乙姫様もこれを御覧なされたらさぞお歓びになられるであろう。ワシなどはいつも一張羅じゃ・・・・』
 そんな軽口をきかれて、御自身はいつもと同一の白衣に白の頭巾を被り、そして長い長い一本の杖を持ち、素足に白鼻緒の藁草履を穿いて私の先に立たれたのでした。ついでにお爺さんの人相書きをもう少し詳しく申し上げますなら、年齢の頃はおよそ八十位、頭髪は真っ白、鼻下から顎にかけてのお髭も真っ白、それからまつげもやはり雪のように真っ白・・・・・全て白づくめでございます。そしてどちらかと云えば面長で、目鼻立ちのよく整った、上品な面差しの方でございます。私はまだ仙人というものをよく存じませぬが、もし本当に仙人があるとしたら、それは私の指導役のお爺さんのような方ではなかろうかと考えるのでございます。あの方ばかりはどこからどこまで、綺麗に枯れ切って、すっかりあく抜けがしておられます。
 山の修行場を後にした私達は、随分長い間険しい山道をば、下へ下へ下へと降ってまいりました。道はお爺さんが先に立って案内してくださるので、少しも心配なことはありませぬが、それでも所々危なっかしい難所だと思ったこともございました。又道中どこへ参りましても例の甲高い霊鳥の鳴き声が前後左右の樹間から雨の降るように聴こえました。お爺さんはこの鳥の声がよほどお好きと見えて、『こればかりは現界ではきかれぬ声じゃ』と御自慢をしておられました。
 漸く山を降り切ったと思うと、たちまちそこに一つの大きな湖水が現れました。よほど深いものと見えまして、湛えた水は藍を流したように蒼味を帯び、水面には対岸の鬱蒼たる森林の影が、くろぐろと映っていました。岸はどこもかしこも皆割ったような岩で、それに松、杉その他の老木が、大蛇のように垂れ下がっているところは、風情が良いというよりか、寧ろもの凄く感ぜられました。
 『どうじゃ、この湖水の景色は・・・汝はちと気に入らんであろうが・・・・』
 『私はこんな陰気くさい所は厭でございます。でもここは何ぞいわれのある所でございますか?』
 『ここはまだ若い、下級の龍神達の修行の場所なのじゃ。ワシは時々見回りに来るので、ようこの池の勝手を知っている。何も修行じゃ、汝もここでちょっと統一をしてみるがよい。沢山の龍神達の姿が見えるであろう・・・・』
 あまり良い気持は致しませんでしたが、修行とあれば辞することも出来ず、私はとある岩の上に座って統一状態に入ってみますと、果して湖水の中は肌の色の黒っぽい、あまり品の良くない龍神さんでぎっしりつまっていました。角のあるもの、無いもの、大きなもの、小さなもの、眠っているもの、暴れているもの・・・・・。初めてそんな無気味な光景に接した私は、覚えずびっくりして眼を開けて叫びました。-
 『お爺さま、もう沢山でございます。どうぞもっと晴れやかな所へお連れ下さいませ・・・・』
       
       
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