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自殺してはならない理由


-一般的に言って指導霊というのは人間のパーソナリティの規模を拡張した、その延長と考えてよろしいでしょうか。それとも全く別個の存在でしょうか。

 とても複雑な問題です。今仰ったパーソナリティはインディビジュアリティに置き換えた方がよいと思います。私は物的身体から派生する人物像であるパーソナリティと、その人物像という仮面の背後の実像であるインディビジュアリティとを区別しております。
 地上ではあなたという存在はあくまでも独立した一人物ですが、霊的なインディビジュアリティは必ずしもそうではありません。例えばアフィニティというのがあります。これは一個の魂が半分に分かれた存在で、二つが同時に地上へ誕生することがあるのです。
 それから私がダイヤモンドの側面に例えている〝相〟facet があります。それぞれが地上に誕生して体験を持ち帰り、ダイヤモンドの光沢を増します。
 更にそのダイヤモンドが幾つか集まって一個のインディビジュアリティを構成しております。例えばこの霊媒(バーバネル)と奥さん(シルビア・バーバネル)と私(シルバーバーチ)とは一個のインディビジュアリティに所属しております。一人の支配霊が幾つかの類魂を従えていることがあるわけです。それを〝延長〟と呼びたければそう呼ばれて結構です。が、結局は同じことに帰一します。つまり地上で肉体を通して顕現するのはインディビジュアリティのごくごく小さな一部ということです。(訳者注-これまでインディビジュアリティとダイヤモンドとが同一物であるような表現で説明していたのを、ここで初めて霊側から見た場合の違いを解説している。
 要するに意識の中枢であるインディビジュアリティがあって、その分霊を受けた魂の集団、所謂グループソールがある。その魂の一つ一つにも相 facet があり、その相が地上へ誕生して来ることもある。一つだけのこともあれば二つ、三つ、或いはもっと多くの相が一度に一個の人間として誕生して来ることもあり、全部が、つまり一個のダイヤモンドがそっくり誕生して来ることもある。魂が大きいというのは相を数多く携えているということである。使命が大きい程多くの相を携えている。
 ダイヤモンドに例えられているのは一個の魂のことであり、その魂が沢山集まって一個のインディビジュアリティを構成している。地上で〝自分〟として意識しているのは脳を中枢として顕現している地上特有の人物像であって、その中において霊的自我の占める要素は極めて少ない。余程の切実な試練でも体験しない限り目覚めない。そこでシルバーバーチは安楽な生活より苦難の生活の方が有り難いのです、と言うわけである。
 尚以上の説明は、〝霊側から見た場合の違い〟であって、それを人間側からどう理解するかは、例えや用語の受け止め方によって各人まちまちであろう。シルバーバーチが度々言っているように、用語にはあまり拘らない方がよい)

-霊の導きを受けていることは私にも分かりますし、そのレベルの高さも分かるのですが、分からないのは、その導きの源が普遍的な始源なのか、それとも特定の指導霊なのかという点です。祈り又は瞑想によってその出所を確かめる方法はあるのでしょうか。

 よく引用される諺を又使用させて頂きましょうか。〝師は弟子に合わせて法を説く〟と言います。これがご質問への答えにならないでしょうか。そのようなことに拘ってはいけません。全ての導きは宇宙の大霊すなわち神から来ます。神庁から派遣される霊、あなたと霊的近親関係にある高級霊が、あなたが地上へ誕生する前から付いてくれているのです。
 必ずしも姿を見せるとは限りませんが、霊によってはきちんと姿を見せて地上での仕事について相談し、よく納得してから誕生させる場合もあります。その霊を何と呼ばれても結構です。今もちゃんと控えてくださっています。側を離れることはありません(解説《〝霊が直ぐ側にいる〟ということの意味》参照)。その仕事は聖書(詩篇)にある通りです-〝神は天使を遣わして汝を守り、全ての面倒を見させ給う〟
 いずれも光り輝く存在です。それぞれの受け持ちの人間を取り囲み、保護と指導と援助という、自ら課した責任の遂行に当たります。その最後の目標は霊的発達を促す為の道へ導くことです。それは容易なことではありません。岩や石ころだらけです。しかも見慣れた景色を後にするにつれて、ますます困難さを増していくものです。(同じことを別のところで〝霊的理解が深まるにつれて、ますます孤独感が増していくものです〟と表現している-訳者)
 しかし、低く沈むだけ、それだけ高く上ることも出来るのです。志は無限に高くもつことが出来ます。完全というのは、いつかどこかで達成される性質の過程ではありません。到達せんとする過程の無限の連続です。
 霊の褒賞を手に入れたければ、それなりの犠牲を払う覚悟がなくてはなりません。しかし、一旦手に入れたら二度と失うことはありません。
 私達には人間世界の困難な事情、問題、そして欲求の全てをよく理解しております。物的な世界に住んでおられるのだということを十分理解しております。そこで、奉仕的な仕事に打ち込んでおられる方が食べるものや飲むものに事欠くことのないように、その供給源との連絡を取り持っております。必要最小限のものは必ず手に入ります。
 皆さんだけでなく、お会いする人全てに申し上げていることは、人間としての最善を尽くしてさえいればよろしいということです。それ以上のものは要求しません。たとえ倒れても又立ち上がることが出来るのです。

-支配霊にはレッド・インディアンが多いようですが、霊媒が次々と他界して行った後、それを継ぐ人がいないようです。もっと多くのインディアンの支配霊の働きを期待したいのですが・・・・

 情けないことを言ってはいけません。時が至れば必ず手段は見つかるものです。もとより霊媒も生身である以上は、いつかは霊界へ来なくてはなりません。神は肉体が永遠の生命をもつようには計画されていません。地球というのはほんの束の間の生活の場です。永遠の住処ではありません。

 (招待客の一人で心霊治療家として活躍している女性が述べる)
-霊媒のバーバネルさんが他界なさる時が来たらどうしようかと心配でなりません。

 心配はお止めなさい。心配しても何の解決にもなりません。不安を抱いてはいけません。私は時折、私がこの霊媒たった一人を道具として使命を開始した時のことを振り返ってみることがあります。英語を一言も話すことが出来なかったのです。それが今ではこうして大勢の方とお話が出来るようになった幸運をしみじみと味わっているところです。
 後のことは後の者が面倒を見ます。ますます発達していく科学技術のお蔭で私達が為し遂げた以上の規模の人々に真理を普及する手段が活用されるようになります。
 あなたが治療家としてどれ程の貢献をなさっておられるかは、あなたご自身にはお分かりになりません。地上的な物差しを超えたものだからです。身体を癒しておられるのは事実ですが、もっと大切なことは魂の琴線に触れることです。眠ったままの小さな神性の種子が目を覚まし、芽を出し、花を開く、その端緒をつけてあげるのです。最終的には個としての存在価値を成就させてあげることになる、そのスタートとなります。そうした意義ある仕事をするチャンスを数多く与えられていることを喜んでください。あなたは病の人を癒す為に生まれて来ておられます。

-でも、時たまですが、がっかりさせられることがあります。

 分かっております。半世紀近くも地上で仕事をして来た私が、人間の煩悩に気が付いていないと思われては心外です。あなたにも莫大な霊的潜在力が宿されております。イザという時に頼りに出来る霊的な武器です。しかし万が一そこから十分なものを引き出すことが出来ない時は、私達を頼りにしてください。けっして見放すようなことはいたしません。
 もしもうんざりしたり困惑したり悲観的な気持になったりした時は、地上の喧騒から逃れて魂の静寂の中へ引っ込むことです。そうしてそこに溢れる豊かな光輝に馴染み、美しさに思い切り浸り、そこから得られる静けさと落ち着きと安らぎと自信を味わうことです。こうして気分一新してから再び地上世界へ戻り、ハツラツと仕事を始めるのです。
 とにかく前向きに進む他はありません。引き退がってはなりません。どこにいても人の為になることを心掛けるのです。援助を求めてあなたの下を尋ねる人をけっして拒絶してはなりません。かといって、そういう人を求め歩いてはいけません。向こうからやって来るものなのです。〝病気を治して欲しい人はいませんか〟などと町を触れて回るようなことをしてはなりません。あなたの援助を求めて先方から駆けつけるものなのです。(そういうふうに霊界の方で取り計らってくれるということ-訳者)
 無限なる叡智を具えた神によって霊的才能を賦与された人間は、導かれる所はどこへでも出向き、いかなる人にでも救いの手を延ばしてあげるべきです。その行為が蒔く種子が肥沃な土地に落ちて魂を豊かにすることになることを期待しながら、どしどし種子を蒔いていくことです。人間には霊の道具として為し遂げつつある仕事の大きさを測り知ることは出来ませんし、その価値を評価することも出来ません。

-私には二人の指導霊が付いてくださっていると聞いております。一人はエジプト人で、もう一人は北米インディアンです。本当かどうか、確認して頂きたいのですが・・・・

 なぜそのようなことに拘るのかが理解出来ません。その二人がしっかりとした霊であることはお認めになっているのでしょう?

-その点は疑問の余地はございません。

 だったら、その二人の霊が地上でどこに住んでいたかなどということはどうでもよいことではありませんか。大切なのは霊の威力です。間違いなく霊の世界からのものであることを示してくれる力です。あなたを愛し、そして援助してくれる背後霊に密かな信念をお持ちなさい。あなたを迷わせるようなことはいたしません。イザという時は必ず道を示してくださいます。