パリの霊実在主義協会において行われた、サンソン氏の最初の招霊の直ぐ後で、ジョルジュという名の霊人が、「正しき人の死」というタイトルで、次のような霊界通信を送ってきた。

 「私の死は、まさに正しき人の死であり、穏やかな、希望に満ちたものでありました。暗い夜の後に明るい一日が始まるように、地上の生活の後には霊界での生活が始まります。私の場合、何の動揺もなく、何の悲痛な思いも伴わず、息を引き取る瞬間は、周りの人々からの感謝と愛に満たされていました。
 しかし、このような死を迎えることの出来る人間は実に少ないものです。狂熱の人生、或は絶望の人生を送った後で、調和に満ちた死を迎えることはとても難しいのです。生きている時にすこぶる元気だったとしても、ピストルで自殺した場合、既に魂が体から分離しているというのに、体の痛みを感じて苦しみます。信仰もなく、希望もなく死んだ場合、体から離れるのに引き裂かれるような思いをし、しかも、その後は、訳の分からない空間に放り出されるのです。
 混乱の中にある霊人達の為に祈ってあげてください。苦しんでいる霊人達の為に祈ってあげてください。愛の思いは、霊界にもしっかり通じます。そして、愛の思いは、霊界の霊人達を救い、慰めることが出来るのです。
 この点に関しては、あなた方が感動的な例を持っています。サンソン氏の葬儀の際に行われた、霊実在主義に基づく祈りによって、ベルマールという人の霊が目を覚まし、あっという間に回心を遂げたのです。どうか彼の霊を招霊して尋ねてみてください。彼は、あなた方が聖なる道においてさらに進化を遂げることを願っています。
 愛には限界がありません。愛は空間を満たし、慰めを与えます。愛の海は無限に広がっていき、やがては空と接します。そして、霊人達は、空と海を満たす壮麗な愛の姿に心を打たれるのです。愛は海よりも深く、空よりも広く、地上に生きている人間も、霊界に生きている霊人も、全ての存在を結びつけ、有限なるものと無限なるものを、真に驚嘆すべきやり方で融合させるのです」