●幼児期に他界したスピリットの警告
 幼児期に他界したスピリットは、霊界でもそのまま成長を続けるが、地上体験を得る為に、それに相応しい人間の背後霊として活躍することも多い。妻の背後霊の一人であるプリティガールと名乗る少女も、幼くして他界した、明るくて楽しい性格のスピリットである。


 1924年3月12日
 スピリット=プリティガール


「私が地上を去ったのは五歳の時で、そのまま八年程霊界で生活しておりましたところ、ウィックランド夫人の霊団の一人として、主にいたずら霊からお守りする役目を言いつけられました。そういうのを『コントロール』と言います。今は、指導や教育を担当する『ガイド』の一人となっております。
 その頃のウィックランド夫人は、悩みを抱えた人の相談相手をしておられ、自殺を考えている人を思い止まらせたことが何度もあります。そういう時に私が、唆しているスピリットから守ってあげる役をしたのです。それは、私が地上で暗い体験をさせられていたので、悲しみを知らない人よりも、気持ちを分かってあげることが出来るからでした。
 私は、1875年8月21日にロンドンで生まれました。両親は二人共、大酒飲みで、酔っぱらって帰ってくると、私をぶったり怒鳴ったりするので、私はそれが怖くて、どこかに隠れたり外で遊んだりしていました。そんな時に通りかかった人達が『可愛い子ね(プリティガール)』と言って頭に触ってくれたりしました。それが地上でかけてもらった唯一の優しい言葉で、いつの間にか、私はそれを自分の名前と思い込むようになりました。が、間もなく私は、五歳で死にました。
 それから八年後の1888年に、地上的体験が必要になって、ウィックランド夫人のコントロールになることになりました。それにはもう一つ、霊媒には若いスピリットの磁気エネルギーが必要だという理由がありました。霊媒の背後霊に子供のスピリットが多いのはその為です。子供のスピリットは若いエネルギーを供給する一方で、人間界との接触によって学び、霊的に成長することになります。再生してくる必要はないのです。
 人間は、例外無く、スピリットの指導を受けております。が、時として地縛霊と波長が合って憑依現象が起きます。地上には地縛霊がウヨウヨしております。そのことに気づいている人は殆どいません。
 大半の人間は、肉体から離れた後も、しばらく地上で生活していた場所に留まっています。教養のあるなしには関係ありません。霊界についての知識がなければ、死んだその場におります。
 麻薬常用者の場合は、深い昏睡状態に陥っている場合が多いです。そういう場合は、親族や友人のスピリットが近づいて呼び起こしますが、地上または霊界からの祈りの念を傍受したスピリットが、何らかの手段を講じて覚醒させるかしないかぎり、いつまでも眠ったままです。
 同じく昏睡状態でも、キリスト教の信仰によって、最後の審判日まで眠るものと思い込んでいる場合と、死はすべての終わりであると思い込んでいる場合とがありますが、いずれにしても、一種の自己催眠にかかっているのです。
 また、自分が死んだことに気づかずに説教と賛美歌に明け暮れている人も沢山います。そういう人が地上の教会へ来て、一緒に歌っていることもあります。教会の信者の中には、霊的感受性の強い人や神経の過敏な人がいて、そういう人がスピリットと波長が合って憑依してしまうことがあります。そうなると、のべつ祈り、そして歌いまくりますから、精神に異常を来したとされて、精神病院に送られてしまいます。
 その他に、意図的に人間に害を及ぼしているスピリットもいます。人間に憎しみを抱き、暗示をかけたり憑依したりして、殺人や自殺を唆すのです。そんな場合は、殺人者は無意識ですから、罪悪を犯した記憶がないことになります。なのに、裁判官や検事は、頭脳は優秀なのでしょうけど、そういうことを知らないが為に殺人罪を適用します。
 身に覚えの無いことで肉体を奪われてしまった人間のスピリットは、そのことに恨みを抱いて仕返しに戻ってきます。そして、新たな殺人者や自殺者を生み出します。裁判官も法律家も聖職者も、人を裁くことばかり考えていないで、真理を勉強してそれを犯人に説き聞かせて、内部の善性を引き出す方向へ努力すべきです。霊界でも、人の為に役立つことをすることが進歩をもたらすのです」