●アメリカ・インディアンの霊的生活
 アメリカ・インディアンは、生活及び宗教概念の単純素朴さと、自然の摂理についての知識が豊富であることから、死後、地縛霊になることは滅多にない。そして、地上の霊的能力者の背後霊として活躍することが多い。次に紹介するウィクランド夫人の霊団の一人であるシルバー・スターもその一人である。


 1924年3月12日
 スピリット=シルバー・スター


「インディアンは、これといった宗教やドグマを持ち合わせませんので、死後、地上の霊媒の背後霊となることがとても多いのです。インディアンは、幼少時から万物に宿る霊性と、死後の楽園について教わっています。メディシンマンと呼ばれる霊能者は、心霊的法則をよく心得ていて、自然の営みをコントロールする(雨を降らせるなどの)方法を教えてくれます。
 私達が、こうして地上へ派遣されるのも、霊的に援助したり保護したりする原理を知っているからでして、霊媒が地縛霊に邪魔されないように、門番のような役目をすることがよくあります。
 白人は、数え切れない程の種類の病気で死にますが、インディアンは大自然と共に生きて、殆ど病気らしい病気を知らずに自然死を遂げます。その地上時代の健康と体力が、死後も霊媒に良い影響を及ぼします。
 インディアンのスピリットが、人間に取り憑いて障害を及ぼすということは滅多のありません。それは、人間とスピリットとの関係を支配している法則をよく理解しているからです。
 私は、1883年に北ウィスコンシン州にあるインディアン保留地で生まれました。チペワ族でした。四歳半頃に崖から落ちて頭部の負傷で死にました。ウィックランド夫人の背後霊団に加わったのは、1893年で、今も門番の役をしております。
 初めて夫人をコントロールした時はチペワ語しか話せませんでしたが、その後、霊団の他のスピリットの方から英語を習いました。インディアンは、学校教育がないから何も知らないと思われているようですが、大霊への純粋な敬意と、人の為に役立つことをしようと願う純心な気持ちがあります。勿論、インディアンにも真面目な者と邪悪な者とがいますが、邪悪になるのは大霊の存在を理解していない者であり、それに、悪い習慣の殆どは、白人がもたらしたものです。
 インディアンは、もともと恐れることを知らない民族でした。ところが、白人がやって来て、インディアンを動物のように殺すようになって、インディアンも恐怖心と怒りを覚えるようになりました。そして、仕返しをするようになり、戦争になっていきました。白人を見ると敵と思うようになりました。初めから親切な態度で接していたら、戦争にはならなかったはずです。
 メディシンマンというのは、自然界のエネルギーについて勉強して、それをコントロール出来るようになった人のことで、雨を降らせたりすることが出来ます。祈る時も、その念力で自然界の生命力を活用するのです。白人のように口先だけの祈りではありません。口ではあまり語らずに、輪になって踊って精神を集中します。
 スネークダンスというのもあります。これは、踊りによって蛇を噛まないようにしてしまうのです。恐怖心がないから出来るのです。白人も恐怖心をなくせば、色々と不思議なことが出来るようになります。白人も太古においては、恐怖心というものを持ち合わせなかったのです。それが、地獄と悪魔の物語が生まれから少しずつ怖がるようになっていったのです。
 霊界には宗教はありません。真理のもとでは、みんな兄弟であり、姉妹なのです。大霊の存在を理解した後は、みんな同じなのです」