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自殺してはならない理由


 霊聴能力をもっている人に勇気付けの言葉を述べる-

 背後霊があなたの存在を忘れてしまうようなことは絶対にありません。かつてあなたがいずこへ向かうべきかに悩んだ時、あたかも絶望の淵に落ち込んでしまったかに思えた時にもしっかりと保護され導かれていたように、前途に横たわるこれからの日々にも霊の力がきっと支援してくれます。
 無限なる叡智を具えた大霊から頂いた能力を存分に発揮し続けてください。かつて霊力が顕現したことのない所でそれを発揮し、受け入れる用意のある人にもたらす光明をますます増していってください。
 あなたのお蔭で人生の視野が一変することによってどれ程の恩恵がもたらされるか、あなたご自身にはお分かりになりません。あなたのお蔭で霊的知識という掛け替えのない啓示がもたらされております。そのあなたが落胆したり明日はどうなるかなどという不安をいささかでも宿すようなことがあってはなりません。あなたは既にこれまでも数々の危機を潜り抜けて来られました。これからもイザとなれば必ず道が開けます。
 あなたは霊力の通路なのです。あなたが存在することによって為し遂げられて来たことを誇りに思うべきです。同時に、あなたの協力の下にこれから為し遂げられていく仕事を自覚なされば、尚一層誇りに思うべきところです。
 あなたも生計を立てて行く為の費用が要ります。地上世界ならではの必要品を備えないといけません。衣服を着なければなりません。その他、物質の世界であるが故の費用を支払わさねばなりません。そのことは私もよく存じております。私が申し上げているのは、そうしたことを悩みの種としてはいけないということです。責任は大いに自覚すべきです。が、心配の念はいささかも抱いてはなりません。
 私も今では現代社会並びにそこでの生活の仕組みをよく知っております。時には(生活費など)物的なものが手に入るよう、ある程度の物的法則を操作しなければならなかったこともあります。
 私がいつも強調していること-無論聞く耳を持つ人に対してのことですが-物的なものは実在の投影もしくは殻に過ぎないということです。物質は霊によって活力を与えられているからこそ存在しているのです。霊か正常であれば、つまり霊と精神と身体とが調和して機能している限り、物的生活に必要なものは必ず手に入ります。
 霊が主人であり物質は従僕です。霊は殿様であり物質は家臣です。霊の方が物質に勝るのです。地上生活に必要な物的必需品まで無視しなさいと言うのは愚かなことですが、それに心を奪われて精神と霊にとって必須のものを疎かにするのも同じく愚かしいことです。
 このことは現在の地上の人間にとって是非とも心しなければならない重大な教訓です。大半の人間が物質を優先させ、霊に関わることには殆ど関心を向けておりません。
 霊的実在についての知識を手にした者は、不安・心配・悩みの念を宿すようなことがあってはなりません。この種の感情は陰湿な性質を帯びております。活力に満ちた霊的エネルギーが届けられる通路を塞いでしまいます。生き甲斐ある人生にとっての必須の要素が流入する上で不可欠な調和状態を妨げ、乱してしまいます。
 視点をいつも永続性のある価値を持つものに置くことが大切です。そして、受け入れる用意の出来た人に、いかに生きれば、本来自分のものであるべき生命の豊かさを味わい、地上に借りを残さずに済むかを教えてあげる必要があります。
 地上を見渡してみますと、霊的に貧しい人が無数におります。物的な貧しさ故に悲しい思いをすることがあるのは地上の常ですが、霊的な貧しさを見るのも同じく悲しいものです。
 心をいつも開放的にして精神に宿された能力を開発しさえすれば、霊のもつ栄光、光輝、威厳、崇高さ、気品に満たされるようになっているのです。そうしてあげること、つまり地上人生を生きていく上において何を優先させるべきかを認識してくださるように配慮するのが私達霊団の使命なのです。
 その点あなたは無限なる叡智を備えた大霊から霊的才能の幾つかを授かっておられる、実に恵まれた方です。そのお蔭で主教や牧師よりも遙かに宗教的な仕事をなさっておられます。悲しみに暮れる人の涙を拭い、精神的並びに霊的に弱った人に力を与え、病の人を癒し、人生に迷っている人に道を教えてあげて来られました。その人達は、かつてのあなたと同じように、最早この世には自分の力になってくれる人はいないと思い込む程の絶望的段階にあったのです。
 そういう人助けをする為の霊的才能を授かるには、自ら苦しみと悲しみを味わうという条件が付きものなのです。霊の道具としての自覚をもつに至るには苦を体験しなければならないということです。苦の体験の本質は霊的才能を手段として仕事をする者の試金石です。それを耐え抜いて初めて自分の下を訪れる人の力になってあげることが出来るのです。
 霊の僕であることを自覚する者は安楽な人生を期待してはなりません。霊的使命を帯びた仕事に携わっている者は、それが決して楽な道でないことを覚悟しないといけません。もしも楽な道であれば、無理してその道に踏み入る程の価値はないでしょう。
 霊の褒賞は刻苦勉励の末に手に入れなくてはなりません。しかし一度手にしたら絶対に失われることはありません。霊の富は永遠です。地上で得られる富は地上時代だけの一時的なものでしかありません。霊的な熟練はそう簡単に達成されるものではありません。霊的褒賞も又そう簡単に手に入るものではありません。
 あなたはこの道に献身する為に生まれて来られました。これまで立派に献身され、今も献身なさっておられます。そうした素晴らしい霊の力の通路となっておられる方とお話出来ることは私にとってこの上なく嬉しいことです。その通路のお蔭で霊力が、受け入れる用意のある人に豊かな恩恵をもたらします。受け入れる用意が出来ていなければ、その通路としてのあなたにも為す術がありません。
 ある人があなたの下へ導かれて来たということは、その方にとって掛け替えのない、真の自我発見のチャンスが目の前にあるということです。もし上手く行けば、あなたも大いに喜ばれるがよろしい。万が一失敗に終われば、折角のチャンスが失われたことに密かに涙を流してあげなさい。
 あなたにはまだまだ仕事があります。あなたは今まさに天命を全うしつつあります。霊的な仕事に献身出来ていることをこの上ない幸せと思わないといけません。
 残念ながら地上には存在の根源である霊的実在について何一つ知らない人間が無数におります。何の為に生きているのか、天命を全うするにはどうすべきか、他人に天命を全うさせてあげる為に自分の才覚や能力をどう活用すべきか、そうしたことについて全く無知なのです。
 そうした現実の中にあって、たった一人でも魂が感動し、ゆっくりではあっても真の自我に目覚めていく、その手段となる度に、あなたは貴重な貢献をしていることになるのです。
 私達霊団の者が四苦八苦の末にこうして地上に戻って来る理由もそこにあります。地上人類は道を見失い、物的利己主義と貪欲と強欲の沼地に足を取られ、それが戦争と暴力と憎しみを生んでおります。
 霊の優位性を認識し、人間が肉体を携えた霊であることに得心がいく-言い換えれば全ての人間が神の分霊であり、それ故に人類は皆兄弟であり姉妹であり、神を父とし母とした一大家族であることに理解がいった時、その時初めて戦争も暴力も憎しみも無くなることでしょう。代わって愛と哀れみと慈悲と寛容と協調と調和と平和が支配することでしょう。
 人間世界だけではありません。この惑星を共有する動物の世界にもそれか行き渡ることでしょう。かくして地上の汚点である動物への虐待行為も影を潜めることでしょう。それが私達の努力の背後に託された目的なのです。
 皆さんは気落ちしたり悲観したりする必要はどこにもありません。信念に基づいた希望に胸を膨らませて、常に楽観的であらねばなりません。その信念が盲目的であってはなりません。理性的検討を加えずに安直に信じているのではいけません。生命が永遠の霊的実在であるとの、最早争う余地のない事実を基盤とした信念であらねばなりません。

-〝なせば成る〟の教えを説くある指導者が、物的なものであろうと霊的なものであろうと〝必ずそうなるのだ〟と信じて行えば何事も成就すると述べています。これは心霊的(サイキック)能力の悪用になるのでしょうか。

 何もかもが自分の思い通りになるわけがない以上、その指導者の言葉は言い変える必要があります。人間に出来ることというのは自然法則によって一定の限界というものが設けられております。もしもそうした限界がなかったら、この地球を始めとして物的宇宙全体が基盤としている原理の全てを人間が破壊してしまうことも出来ることになります。
 私はその〝なせば成る〟式の生き方の背景にある積極的な物の考え方そのものに反対しているわけではありませんが、そのつもりになれば何もかも自分の思い通りになると考えるのは愚かです。例えば人間に太陽が思い通りになるでしょうか。

 -(霊媒的能力が出始めたばかりの人)ごく自然な状態で能力を発揮したいと思っているのですが、昼間は中々思うに任せません。やり始めたばかりですので、色々と解決しなければならない問題があります。その内上手く行くようになると思っておりますが・・・・

 何事も自然ということか大切です。気負わず、受身の心境になり、迷ったり不安に思ったりせず、信念をもつことです。ここまで導いてくれた霊の力はこれから先も裏切ることはしません。あなたをしっかりと保護している愛の腕がほどかれて、あなたをおっぽり出すようなことは致しません。
 あなたはあなたなりに自然に振舞ってください。そうすれば霊側としての役目を果たします。その準備としてまず〝静寂の時〟を持つように心掛けてください。日常生活の喧騒から離れた状態へ身を引くのです。すると内部の霊力がより大きく顕現して、人の為に仕事をする上で必要な落ち着きと調和と愛と寛容が整います。
 焦ってはいけません。じっくりと構えるのです。背後霊があなたをここまで導くのにも随分時間が掛かったのです。その内あなたも、この道にも総合的な計画があって、我々にもそれに即応した役目があるということが分かるようになります。最後は人間にとってだけでなく私達霊側にとっても好都合に展開するようになっているのです。

 別の日の交霊会で、かつては物理的心霊現象が盛んに見られたのが今日では珍しくなって来たのはどういうわけかと尋ねられて-

 それは物的側面の進化の法則だけでなく霊的側面の進化もあるからです。地上世界の思想的動向は当初と今とでは大きく変化しております。霊的実在を物的手段で証明してみせなければならない時代には物理的心霊現象が必要でした。当時の科学者は物的な物差しで計れないものを受け入れる用意が出来ていなかったのです。
 今や核融合という目に見えない科学反応を利用して大災害も大恩恵も被ることが出来ることを知りました。唯物科学の根底が崩れてしまいました。物質の究極と思っていた原子も、更に細かく分解されてしまいました。今や科学者も物質は固体ではなく、実在は見えざる世界にあることを認めています。
 そうした思想的動向と歩調を合わせて、霊的治療が発達し発展しております。それによっても物質を超えた霊力の存在を証明することが出来ます。

-心霊能力を軍事面に利用しようとする実験が、特にソ連において行われていると聞いておりますが、このまま行くと実際に心霊能力が好ましからざる方面で使用される危険がありそうです。

 私は少しも心配しておりません。私は皆さん方のどなたよりも永く生きてまいりました。その間に見聞し理解したことによって私は、無限なる叡智と愛をもって全星雲、全天体を包摂する大宇宙機構を考案した大霊に大して、大いなる崇敬と畏敬と感嘆の念を禁じ得ないのです。
 全ての人間、全ての事柄が自然の摂理によって規制されております。それには手落ちというものがなく、数学的正確さをもって働き、絶対に間違いを犯しません。宇宙間のありとあらゆる存在がその中に包摂されていますから、何一つ、誰一人として排除されたり忘れ去られたり無視されたりすることがないのです。壮大なものから微細なものに至るまで、単純なものから複雑なものに至るまで、あらゆる存在を自然の摂理が支配し支え規制しているのです。
 地上での人間の行為にも制約というものがあります。その自然の制約に背いたことは出来ません。人間がなしうる害悪と破壊の程度にも、その制約による限界が設けられているのです。
 そういう次第で私は楽観主義者であり、悲観的な考えは持ち合わせません。今仰った実験は軍事的な利用価値を検討するものですが、それによっていかなる害悪がもたらされようと、他方において科学的技術その他あらゆる力を駆使して人類に恩恵をもたらさんとしている人達によってもたらされる利益の方が大です。
 心配してはいけません。心配の念はロクなものをもたらしません。心配の念は魂を蝕みます。心配の念は精神も錆び付かせます。心配の念は折角の霊的援助の通路を塞いでしまいます。地球を始めとして宇宙間のあらゆる天体の責任者は大霊なのです。いつかは善が悪を駆逐します。

-するとあなたは、心霊能力が邪悪な目的に使用される可能性があることは否定なさらないわけですね。

 大霊はあなた方人間をロボットや操り人形にはなさりませんでした。一定範囲内の自由意志、選択の自由を与えてくださっています。が、それにも制約があり、限度があります。その摂理に背いたことは出来ません。
 心霊能力というものを持ち合わせる以上は、それを悪用しようと思えば出来ないことはありません。但し、それには責任が伴います。いかなる知識もそれ相当の責任というものが付加されずして手に入れることは出来ません。