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自殺してはならない理由


 今、ふとネットサーフィンをしていたら、とんでもない記事を見つけてしまった。それは、中国の話だった。ある街の道を20代の若い女と30代の空き缶回収の仕事をしていた男が別方向から歩いて来たらしい。そしてお互いが対峙して、あんた、道開けなさいよ、お前が道よけろ、なんて言って、どっちが道を譲るかで口論になって、カッとなった男が台車に乗せてあった肉切り包丁で女の首に斬りつけて、殺してしまった、という事件の話だった。女の首は、殆ど切断されており、かろうじて繋がっている程度であった。中国恐るべしという話だけど、これは、どっちかが譲っていれば、何も起きなかった話だろう。もうね、アホ過ぎる。この若い女も、まさかこの時、直後に自分が死ぬなんて思ってもみなかったろうに。

 俺なんて、道を歩いている時に、進行方向から誰かが歩いてきたら、別に自分の進路を押し通すことはないけどな。あっ、ぶつかりそうだな、と思ったら、スッとずれて、ぶつからないようにするけどね。または、自転車だったら、ぶつかりそうな間隔だったら、俺が一旦停止して、その人を先に通すとかね。だって、嫌じゃないか、誰かとトラブルになるのは嫌だし、俺が誰かを傷つけるのも嫌だから。俺が譲れば済む話なら、そりゃ、俺の実利が掛かっていない限りは、簡単に譲るよ。

 変な意地を張って、それで自殺して、一体どうするのよ。アホだよ、そりゃ。もうね、いつまでも全部確保しようとせず、捨てるべきものは捨てればいいじゃん。放棄すればいいよ。欲の為に自殺したら、一体何の為の命なんだ?

 誰かと張り合うばかりが人生ではない。もっと、積荷を捨てれば楽になることもある。意地を張らずに、もっと単純に生きて行きましょう。そうすれば、自殺せずに済むから。