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自殺してはならない理由


 私がその最たる者だが、私は複数のことを同時に進行させることが、殆ど出来ない。記憶力と器量が極端に悪いので、複数のことを同時進行すると、必ずといっていいほど停滞するし、物事を忘れてしまう。だから、日常のことでも、同時に複数のことはしないようにしている。一つ作業して終わったら、また次のことをやるって具合にね。そして、次の作業内容は、頭の中にしまっておくと、す~っと消えていってしまうので、そこらに置いたメモ帳に、一々書いて忘れないようにしている。

 そのように、俺はパソコンのパーツで例えれば、メモリが圧倒的に足りない。勿論、頭脳であるCPUも超古いのなんだけどさ。メモリというのは、まな板のようなものだ。広いまな板だと、同時に色々な作業が出来たり、色々な食材を置けて作業効率がアップするが、まな板が5cm四方の狭すぎる板ならば、それは格段に作業効率が悪くなる。まさしく、俺も、そんな狭いまな板のようなものだ。一気に複数のことには、とてもじゃないが対応出来ない。頭脳も記憶力も悪いから、一つのことでも中々出来ない。だから、一つの物事しか、向き合えないんだ。

 エリートの人は複数のことを同時に対応可能かもしれないが、俺のような非エリートには、そりゃ、複数のことは無理だよ。一つのことだけで手一杯だ。一つの問題さえ解決出来ないんだから、複数のことに手を出す余裕なんてないんだ。だったら、もう、あんまり複数のことには手を出さない方がよい。

 生きるので精一杯ならば、その他の余計な物事は、あんまり考えるな。生きることだけに集中すればいい。自殺志願者は、生きることだけ、生き延びることだけ考えていれば良かったのに、それ以外の物事に囚われ過ぎていたから、自殺してしまったのだろう。ただでさえ精神が逼迫して発狂して自殺に至ってしまったんだから、もう、生きること以外の余計な物事は考えるなよ。ただ、生きればいいでしょう。

 複数のことに対応出来る人物なら、色々と手を出してもいいかもしれないよ。でも、俺は無理だ。投資信託とかって、一体何?って感じだし、未だに円高や円安の仕組みさえちゃんと理解できていない程度のオツムなので、知能の高い奴らが考え出したシステムは、さっぱり理解出来ないよ。アップルのIMACも買ったけど、マックのシステムが理解出来なかった。説明書を買って勉強しても、使いこなせなかったよ。フェイスブックも、最初の登録の段階でちんぷんかんぷんだったしな。天才達の考え出したシステムには、俺の知能では、ついていけないよ。だから未だに、携帯電話だって、普通の折り畳み式のだしな。家電量販店でスマートフォンを試しに使ってみても、俺には使いこなせそうにない。それに、携帯でネットなんて、滅多にしないからな。余計なことには、手を出すのは止めておこう。そうすれば、馬鹿でも騙されないからな。知能対決をしたら、絶対に俺は知能の高い奴らに負けるんだから。

 だから、もう、対応力の低い人は、あんまり趣味でも仕事でも投資でも何でも、複数のことには手を出さない方がいいかもしれないよ。もっと簡単に、一つのことだけで生きればいいんじゃないかな。人間、一つの意識しかないので、なかなか複数のことには対応できないよ。ある大学教授が、株を買ってみたそうだ。そしたら、授業中でも、株価が気になって、授業どころではなかったそうだ。だから、思い切って株は止めたんだってさ。そういう風に、天才達の真似は、普通の人はしちゃダメだよ。あくまで、自分一人でカバーできる範囲内で、日々、生きるのが懸命だよ。

 自殺した人達も、自分の手に負えない程、様々なことに手を出してしまったから、地獄に追い込まれてしまったのかもしれないよ。今現在、自殺をしたいと思っている人も、思い切って生きることに必要なこと以外は切り捨てて、身軽になればいいと思うよ。そうすれば、もっとシンプルに、楽に生きられるようになる。たった一つのことだけならば、人間、対応できるはずだから。すなわち、自殺せずに生きるということだけだ。