初訪問者はこちら
自殺してはならない理由


 人生、どうにもならないものは、ならないんだよ。今日、新聞の読者の悩み相談のコーナーで、老夫婦の妻が、旦那が45歳も年下の女と不倫して、自殺も考えています、という相談が掲載されていたが、それも仕方がないかもしれないな。もう、自分の若さは戻っては来ないし、どうしても男としたら、若い女の方がいいだろう。それで、そういう状況になってしまったのだから、もう、ある程度は見切りをつけないといけないのかもしれないな。もう、その旦那の心が妻に戻ってくることはないんじゃないかな。だから、切り捨てる部分は切り捨てて、確保すべき財産は確保して、離婚も考えてみれば、というのが、回答者の識者の答えであった。そういうように、人生、思うようにいかないんだよ。自分の思い通りには、物事は進まないんだ。自分の人生だってそうだし、自分の家族の人生もそうだろうな。自分を取り巻く様々な人間模様がありますが、その内、一体どれほどの人生が、思う通りに進んでいるのかな?

 私の人生も、よもやこんなグタグタになるなんて、八歳頃の自分は、考えてもみなかっただろうな。と言うか、八歳の頃の自分は、将来、まさか体毛のことで自殺を考える程悩んで、それが原因で人生が狂い出すとは、夢にも思わなかっただろう。八歳の頃は、まだそんなに毛深くなかっただろうからな。

 公園で遊んでいる幼い子供達、幼稚園の遠足で道を歩いている園児達、彼等は、今は無邪気にキャッキャッと遊んで、楽しそうに暮している。しかし、彼等も、徐々に大人の年齢に近づいていくにつれ、様々な葛藤、絶望感を味わうことになるだろう。そして、完全に大人になったならば、もう修羅の国にように、様々な形で脱落していき、どんどん自殺していくことになる。だって、日本人は、たしか、30人に一人だかの割合で自殺するとかいうデータを見たことがあるぞ。変死者も合わせれば、もっと割合は高くなるだろう。そう、子供の頃は何も考えずに無邪気に遊んで、適当に学業をしていれば、順調に学年を上がっていけるだろうが、大人の世界はそうはいかないんだ。勿論、自殺してしまう小学生や中学生はいるが、割合としては、大人の自殺率よりは遥かに少ない。主に虐めが子供の自殺の原因だろう。しかし、大人になれば、金銭的なこと、病気関連で、そして様々な人間関係で、失業で、追詰められて・・・・等々、様々な自殺に追い込まれる要因が発生する。本当に日本人は、自殺でよく死ぬ。今、50歳で、精神的にも金銭的にも追詰められて、もう深刻に自殺を考えている人物がいたとしよう。でも、その人だって、45年前は、無邪気に缶蹴りなどして遊んでいた、笑顔が素敵な子供だっただろう。本当に、大人の世界は色々と辛い。

 大人の世界は、辛いんだ。それをまず、認識しよう。勿論、人生が順調に進んでいる人物からすれば、そんなのは無縁な話かもしれない。しかし現実問題として、世の中には、自殺を考えている人達が、数十万人はいるだろう。そして実際の自殺者は毎年余裕で三万人を越えている。そう、辛いんだ。今、笑顔が素敵な子供達だって、30年後には、その内の誰かが自殺してこの世を去ってしまっているかもしれないのだ。

 大人の世界は辛い。このことを、認識しよう。だから、少しばかり、人生に甘えたっていいと思うよ。だって、こんなに辛いんだから、何も虚勢を張れる状況ではないでしょう。素直に、白旗を揚げて、とっとと降伏してしまえば、すっと肩の荷がおりて、楽に生きられるようになるかもしれない。日本人は完璧に全部こなそうとして、助けを求めなさすぎだ。介護で精神が追詰められて自殺する人など、多分、日本人くらいじゃないかな。欧米の合理的に考える人種ならば、もっと公共サービスを余裕で使うでしょう。

 子供の時とは違うんだ。大人の世界は、どうにもならないものは、どうにもならないんだよ。自殺した、ある有名な元プロ野球選手だって、現役時代は日本球界のエースとして、そしてメジャーに行ってからも先発投手として超有名球団で活躍したけど、その後、徐々に身体が衰えて、とうとう引退した。最後は、必死に努力して、まだ現役を続けたかったが、通用しなくなって、仕方なく引退したようだ。それで、引退してもまだ野球への情熱は衰えなかったから、再度現役復帰したが、当然、前回通用しなくて引退したのに、そこからまたさらに歳を食っているのだから、通用するはずがない。それで、再度引退した。その選手は、まぁ、家族関係や事業の失敗とか色々あったようだが、結局、首吊り自殺してしまった。発見された時は、腐乱死体だったようだ。夏場だったようなので、蠅や蛆虫が大量発生していたことだろう。

 この事例で、私が何を言いたいのかというと、もうね、どうにもならないものは、どうにもならないってことだよ。身体が衰えるのは仕方がない。それは、万人に言えることだ。80歳になっても一流のプロ野球選手でいられる訳がない。この選手は、多分、人生の満足の基準が、とても高かったんだろうな。一度は日本とメジャーのエースとして活躍した実績があるから、もう、満足するレベルが、その水準に設定してあったのだろう。だから、どんどん衰えていく自分、そして復帰しても全然球威が通用しない自分に腹が立ったのかもしれない。しかし、それは仕方がないことなんだ。そもそも、プロ野球選手になれる人間自体、選ばれたエリート中のエリートしかなれない。そしてプロ野球球団に入団できたとしても、殆どの選手は、1年か2年で見切りをつけられて、戦力外通告、いわゆるクビにされる。その間の給与だって、400万円程度だろう。そんなエリートの中のエリートの中のエリートだったその選手は、そもそもが、とても幸運だったんだ。そんな地位になるには、元々の天から授かった才能が無いと、無理だからな。だから、一度でもプロ野球で栄光を掴めたならば、もうそれで満足すべきだったんた。

 だから、引退後の人生は、もうプロとして活躍するのは無理と諦めて、別のひっそりとした生き方をすれば良かったのに。残りの人生は、諦念でもって生きればよかったのに。まぁ、色々と家族の問題とかあったのかもしれないが、それはどの家庭でも起こりえることだから。悲しむべきは、その人は、スピリチュアリズムを知らなかったので、簡単に自殺してしまったのだろうな。自殺したら絶望の境地にその人の魂が落とされるなんて、知らなかったんだろうな。自殺すれば、無になれる、楽になれると思っていたのだろう。しかし、現実は違うからな。自殺者は、とても重い罪を犯したことになる。

 人生、もうどうにもならない物事はあるの。それは、もうどうにもならないと諦めて、諦念でもって、生きるしかない。勿論、改善できる部分はあるだろう。自分の努力次第で、良い方向に持っていける事案もあるだろう。しかし、その判断は俺には無理だ。あなたの問題なんだから。しかし、よーく、考えてみよ。もうどうしようもないことならば、それは受け入れるしかない。そんな、もうどうしようもないことをいつまでも深刻に悩んで、それが原因で自殺するなんて、アホすぎるぞ。どうしようもないのならば、どうしようもないと割り切らないといけないよ。なにせ、自殺しちまったら、来世もまた、そのような問題に直面させられることになるのだから。