○今までの話によって、遍歴霊が留まったり休んだりする世界というものが存在しますか。
「ある。これらの霊を受け入れるのに適しており、彼等が一時的に住む世界というのがある。つまり、これらの霊が暫時休む逗留(とうりゅう)場、長い遍歴の後の休息場-それはある意味では退屈な状態だが、そのような場がある。これらの世界は、各段階の世界の中間境であって、やがてそれぞれの世界へ入ることになっている霊の質に応じて区別されている。だから自己に応じたその場へ入ると、彼等は快適な休息感を感じるのである」
-そこに住む霊は、意のままに某処を離れることが出来ますか。
「出来る。彼等がやがて行かねばならぬ何処へでも、ここを去って行くことが出来る。彼等はあたかも渡り鳥、休息の為、島に降り、元気を回復して目的地へと向かう」

○霊がその過渡的世界に滞在中、進歩をしますか。
「進歩する。こうして集まった彼等は、教訓を胸に叩き込み、より早く高い所へ行けるように、更には最終目的である完全へ向かう為に、進歩する」

○この過渡的世界は、特別の性質をもっていて、永久に遍歴霊の滞在の場と決められているのですか。
「いや、世界体系の中で占めるこれらの世界の位置は、一時的なものにすぎない」
-そこには地上的な生物も住んでいますか。
「いや、その表面は不毛であって、そこに住む者は、地上的欲求は何一つもっていない」
-その不毛というのは永久にそうなのですか。また、その世界の特質の為にそうなっているのですか。
「そんなことはない。不毛は一時的なことにすぎない」
-では、そういう世界なら、自然の美などはないと考えられますか。
「その美は、地上の自然の美に勝るとも劣らぬ美しさである。これまことに無尽の創造の妙と申すべきか」
-その世界が単に一時的のものとすれば、我が地球も、いつかはそういう状態になるのですか。
「地球はかつてその状態であったことがある」
-それは何時のことですか。
「生成の途中において」