○宇宙は創造されたものですか、それとも神のように初めから存在していたのですか。
「確かなことは、宇宙は自成した筈はないということ。では初めから在ったのかというと、それでは神の作品とは言えなくなってしまう」
〔注解〕我々の理性によると、宇宙が自らを創ったとは考えられない。また偶然に出来たとも考えられないから、結局、神の創造と言わざるをえなくなる。

○神はどのようにして宇宙を創造されたのですか。
「普通の言い方をすれば、神の意志によって、ということである。<神が光あれ、と言い給うと光があった>、これは旧約聖書の創世記の有名な言葉だが、これ以上に、神の全能の意志による行為を表す観念は他にないであろう」

○宇宙はどのようにして成ったか、私共はこれを知ることが出来ますか。
「諸君に理解できる範囲内で説明すると、こうだ、各天体は、宇宙空間にひろがっている物質が凝縮して形成されたものである」

○現在想像されているように、彗星は根源的物質の凝縮の初め、すなわち生成過程の天体、こう考えてよろしいか。
「その通りである。しかし、それから発する影響を信じるのは愚である。ここで影響とはそれから生まれた影響という意味である。というのは、天体は全て何らかの物理現象の生成から影響を受けるものだからである」

○一度形成された天体が消滅することがありますか。また、天体を形成している物質が、再び空間にまき散らされることがありますか。
「それはある。神は生物を更新されるように、天体も作りかえられる」

○地球などの天体を創造するのに、どれ位の年代がかかったのですか。
「これについては何も答えられない。神のみが知り給うことだから。中には、いかにもそれを知っているかのように、また年代を得々と述べる者がいるが、まことに愚かなる者である」