○神の属性を人間は知ることが出来ますか。
「それは出来ない。人間にはそれを理解する感覚が欠けている」

○では、神の神秘を理解できるようになりますか。
「心の目が物質で曇らされなくなって、進歩して神に近づけば、神を見、神を理解するようになろう」

○もし、神の本性を知ることが出来なくても、髪の相貌のいくらかを理解できるようになれましょうか。
「ある程度はできる。人が物質を超越していくにつれて、その理解は高まる。その磨かれていく知性をもって、チラリとこれをのぞき見ることが出来よう」

○私共は神を、永遠・無限・不変・超物質・唯一無二・全能・絶対の正義と善、などと呼びますが、これは神の属性を完全に示すものと言えましょうか。
「いや。だが諸君の立場からすればそれでよいとしよう。諸君は以上の言葉で、神のすべてを数え上げていると思っているのだから。しかし、最高の賢者の知性をもってしても、及ばぬものがあることを知っておかねばならない。人間の言葉は有限だから、到底それを表現できない。諸君の理性は、神が完全無欠であることを認めていよう。もし神に少しでも欠けているものがあるなら、神は至上至高とは言えないし、これをもって神と称するわけにいかないから。至上とは、変化せぬもの、いささかも欠けたところのないもの、神とはこれでなければならぬ」