投書(二)-私達のように地球という物質界に誕生してくる霊とは別に、まったく物的体験をもたない霊がいるのはなぜでしょうか。

「この宇宙には、物的身体による体験をもたない高級霊の界層が存在します。そういう種類の霊にしか出来ない宇宙経綸の仕事があるのです。一度も地上の人間のような形態をもったことのない高級霊です。その界層での成長にとって地上的顕現は不必要なのです。居ながらにして高級霊で、宇宙の上層部に所属しています。[光り輝く存在](注)というのがそれです。現実にそういう存在がいます」

(注 ある形体があって、それが光輝を発しているのではなく、光輝いている存在で、一定の形体を有しない-訳者)

投書(三)-霊界との交信に器機装置を使用する計画はないのでしょうか。

「霊界と地上界との交信を促進する為の計画はこちらでも色々となされておりますが、霊媒に取って代わるもの、例えば電子工学(エレクトロニクス)を応用したものを考案中という話は聞いておりません。高周波-[高い]といっても程度は知れてしますが-を記録する装置を使ってはいけないという理由はありません。それなりに交信を容易にし、判読し易い形で受取る上で役立つかも知れません。
 しかし、顕と幽の二つの世界の交信にとって不可欠の要素である霊媒に取って代わる器具を考案中という話は聞いたことがありません。それは絶対に出来ないでしょう。なぜかと言えば、二つの世界は霊と霊の関係、つまり霊性で結ばれているからです」

そう述べてから、その日の出席者で霊媒を仕事としている人の方へ顔を向けて
「あなたもそう思われるでしょう?」
と言うと、その霊媒が
「分かり易い説明だと思います。霊媒がお役御免になって機械が使用される時代が来るとは考えられません。私は実はエレクトロニクスの分野での仕事の体験があるのです」

「突き詰めて言えば」とシルバーバーチが付け加える。「顕幽の交信を可能にしているのは[愛]です。愛は霊的属性の一つです」

メンバーの一人-バイブルにも[霊的なものは霊的に見極めないといけません]とあります。

「霊媒は無くてはならない存在です。交信に必要なエネルギーは物的なものではありません。霊そのものから出ています。霊的身体から出ることもあります。いずれにせよ、必須の要素である愛がなくては、霊的なものを物的なものに転換することはできません」

ここで別のメンバーが、優れた霊媒能力をもつ、ある女性の例を引き合いに出して、「その人が霊媒としての仕事を嫌がって拒否しているけど、これはその女性にとって大きな罰点にならないでしょうか」と尋ねた。

「私なりの考えを申し上げましょう」と言って、シルバーバーチが次のように答えた。

「大霊からの授かりものである霊的能力を持っている人は、男性・女性の区別なく、それをどう活用するかについての責任がついて回ります。大霊は無償でその能力を授けているのではない、ということです。
 しかし、その責任を果たすかどうかは、その人の自由意志による選択に任されています。これは、罰点かどうかの問題ではなく、原因と結果の法則-因果律の問題です」

同じ質問者-実は私は心霊治療家なのですが、ある交霊会で、私が物理的霊媒能力の養成を怠ったのが進歩の妨げになっていると言われたのです。

「それは[用語]の問題に過ぎません。心霊治療も見方によっては物理的現象といえるのではありませんか?だって、肉体という物質に変化をもたらすわけでしょう?治療を通して届けられた霊力が肉体の改善という物理的結果を生むわけです。心霊治療というのはそういうメカニズムになっているのでしょう?」

-では、その交霊会で言われたことは気にしなくてもよいのですね?

「霊が言うことも霊媒を通して届けられるわけですから、必ずしも正しく伝えられているとは限りません。こちらから見ていると、誤り伝えられているのに、それが我々のせいにされていることがよくあります。
 一方、我々も絶対に誤りを犯さない存在ではありませんから、間違ったことを言う可能性もあるわけです。私の言うことが絶対に間違っていないとは申しません、と何度も申し上げてきたことはご存知と思います。
 いかなる霊媒を通して届けられたものでも、必ず理性による判断を通さないといけません。最高の判事は理性です。これも大霊からの授かりものです。道義心と合わせて使用すれば、進むべき正しい方角が示されます」