「私は仰るとおりだと思います」とレギュラーの一人が言うと、シルバーバーチが続ける。
 「皆さんは霊的知識という要塞をお持ちです。霊力という兵器庫が、イザという時に持久力と増援を提供してくれます。困難との闘いを前にして逃げ出すよりも、堂々と闘って敗ける方が立派です。それによって一時的には傷つくかもしれませんが、永遠の魂にまで傷が及ぶことは絶対にないとの自信を得るきっかけとなるでしょう。永遠なる生命は無限の可能性を提供してくれます。
 毎朝の到来が素敵な機会の前触れです。霊的ならびに精神的にわくわくする体験をもたらしてくれます。毎朝、新しい世界が誕生しているのです。大いなる気持で迎えることです。
 そして一日が終って、これから一時的にその肉体を離れる(眠る)前に、今日一日のうちに人のために役立つ機会を頂いたことを大霊に感謝すると同時に、自分の行ったことに間違いがなかったことを祈ることです。
 もしも明らかに間違っていたと思われることがあれば、もう一度やり直す機会をくださるようにお願いすることです。失敗を恐れる必要はありません。転ぶということは、もう一度立ち上がることができるということです。一度も転んだことのない人は、真直ぐに立つということがどういうものかを知らない人です。
 物質界も霊界も限りない可能性と素敵な褒章と永遠に色褪せることのない富-一度手にしたら二度と失うことのない宝を提供してくれます。
 黄金は地中から掘り出された時から輝いているわけではありません。打ち砕かれ、精錬され、不純物を取り除かれて、ようやく純金の輝きを見せるのです。立派な人材も、困難との葛藤を経てはじめて本物となるのです。
 永遠不滅の真理にしがみつくことです。影がさし、太陽の光が遮られても、それは一時的に雲が通りかかったにすぎないと思いなさい。その雲のうしろでは太陽が輝いているのです。逆境の時にも、大霊の愛が働いているのです。人生の計画は必ずその通りに推移します。皆さんは今、わくわくするような体験をさせてくれる人生の出発点に立っていることを喜ばないといけません」

 何かご質問がおありですかとシルバーバーチから言われて、[サイキック・ニューズ]のレポーターのクリス・ライダーが訊ねた。

-私は、他の多くのスピリチュアリストと同じように、普遍的な生命原理の存在と地上人生の有り方を知識としては知っているつもりです。ところが現実には、いけないと知りつつも自然の摂理に反することをやっては、痛い目に遭っております。正しい知識を手にしながら相変わらずそれが実行できないのは、どこがいけないのでしょうか。

 「それは、まだまだ霊性がひ弱だからです。強健ではないからです。これで答えになりましたでしょうか」

-まったくそうだと思います。が、簡単なことが意外に実行できないものですね。私はまだまだです。
 ところで、宇宙の摂理に従って生きる方法を同胞に教えるにはどうすればよいかという質問に対して、あなたは[手本を示すことです]と仰いました。私には、手本はそこらじゅうにありながら、それが無視されているように思えるのです。何か別の方法を考えるべき時期に来ているのではないかと思うのですが・・・

「例えば?」

-手本を示すこと以外に、何かもっと良い方法はないものでしょうか。

「でも、うまく行けば、これほど効果的なものはありませんよ。
 よくお考えなさい。地球が生まれてから随分と年月が経っています。科学者も地質学者も地球の誕生の頃のことはあまりよく知りません。それも無理はありません。百万単位の年数の差も大して問題とならないほど、悠久の歴史があるのです。
 言わばその地球の管理人の立場にあるのが大霊です。もちろん人間的存在ではありません。神々しい人間でもありません。私が[愛と叡智の権化]と呼んでいる、崇高なる力です。無限の知性であり、全知識と全真理の極致です。
 あなたも、地上界についてある程度の知識をお持ちです。地上の生命活動がことごとく自然法則によって規制されていることもご存知です。結果には必ず原因があります。自分が蒔いたタネは自分で刈り取るのです。四季は一つ一つ順序よく巡ります。地球の回転も地軸に逆らうことはありません。潮は干満を繰り返し、その正確さは数式できちんと計算できるほどです。
 銀河系の大星雲といえども、その中の星の一つ一つ、惑星の一つ一つ、そして星座の一つ一つが、それぞれに定められた軌道上を動いているのです。あらゆる草木、花、果実、野菜、小鳥、人間の男女、子供の一人一人にいたるまで、不変の自然の法則によって規制され、考えうるかぎりの行動や変化もきちんと認知されているのです。
 こうした大機構の中にあって人間は、手本によって学ぶように大霊が配慮しておられるのです。あなたは[他にもっと良い方法はないものでしょうか]と仰いましたが、そういうものはありません」